「そ〜ら〜を、こ〜えて〜。ラララ〜」
あれ、俺はなんでいま鉄腕アトムを口ずさんでいるのかな?
そうか、ホームに流れてるんだ。高田馬場駅は毎日利用するけど、気がつかなかったよ。ホームの発車ベルを鉄腕アトム主題歌にしたんだ。
それにしてもなんで?
張り紙してあるぞ、どれどれ。
昭和27年に連載を開始した手塚治虫の『鉄腕アトム』は、2003年4月7日の生まれだって。昭和27年といえば俺と同じか?俺も50才だもんね。
確かアトムの時代にはロボット法というのがあったな。
ロボット法(2003年制定)
- ロボットは人間を幸せにするために生まれたものである。
- ロボットは人間につくすために生まれてきたものである。
- ロボットは人を傷つけたり、殺したりしてはならない。
- ロボットは造った人間を「父」と呼ばなくてはならない。
- ロボットは何でも作れるが、お金だけは作ってはならない。
- 男のロボット、女のロボットは互いに入れ替わってはならない。
- 無断で自分の顔を変えたり、別のロボットになったりしてはいけない。
- 大人に造られたロボットが子どもになったりしてはいけない。
- 人間が分解したロボットを別のロボットが組み立ててはいけない。
- ロボットは人間の家や家具を壊してはいけない。
- その目的にかなうかぎり、すべてのロボットは自由であり、自由で平等の生活を送る権利を持つ。
- ロボット省の許可なくして無断で国を離れ行動をとるものは、エネルギー無期限差し止めまたは解体の刑に処する。
- ロボットは人間を信ずべし。
ロボットは人間を幸せにするために生まれてきた、か。アトムは人間とロボットの掛け橋であることに、自分の存在価値をみつけようとしていたもんな。
アトムに出てくる悪党ロボットの背後にはいつも、悪党人間がいた。どんな時でもアトムは、ただロボットを破壊するだけだった。人間に操られたロボットの悲哀が伝わってきたっけ。
ロボットは人間を信ずべし、か。人間が人間を信じられない時代だからからかな?おっと。電車が来たよ。「そ〜ら〜を、こ〜えて〜。ラララ〜」