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ほっ!とコーヒー 第34回


秋の七草

春の七草は御節料理に疲れた胃に優しい思いやり・・・。では秋の七草は?
いやいや食欲の秋とはいえ、秋の七草は花として観て楽しむもの。
とは言え、そもそも秋の七草ってご存じでしたか?
諸説あるようですが、一般的には万葉歌人・山上憶良(やまのうえ の おくら)が詠んだ次の2首がその由来となっているようです。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」(万葉集・巻八 1537) 「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」(万葉集・巻八 1538)

(注)現代では尾花はススキ、朝貌はキキョウのことを指す

秋野の花を前にした情景を詠んだ第一首、そして実際の花々を一つひとつ指折り数えながら詠み上げていった様子がうかがえる第二首。
ちなみにこの第二首は、五七七・五七七と片歌を繰り返す "旋頭歌(せどうか)"という和歌の一形式が使われています。万葉集では60首ほどがこの形式で歌われています。

さて、春の七草に比べ、どうしても馴染みが薄いせいか、秋の七草を1つも言えないという人も多いようです。
ということで折角ですから秋の七草の覚え方をご紹介。

ポピュラーなところでは「お好きな服は?」と覚える方法。

ミナエシ スキ キョウ デシコ ジバカマ

また、五七五七七のリズムで覚える方法も。

ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ ススキ・ナデシコ 秋の七草
       

山上憶良の名も出たところで、秋の夜長、風流に「万葉集」など古典に親しみ、次の休日には花野に出かけて七草散策なんて、いかが?


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