Google Earth パソコンで世界中を空中散歩 |
Google Earth(グーグルアース)は、Google社が無料で配布しているバーチャル地球儀ソフトです。まるで地球儀を回しているかのように、画面上の地球を自由に回転させ、世界中の衛星写真を閲覧できます。ズームアップするにつれ、自宅の屋根まで表示されるほど、驚異的な解像度と情報量を持っています。地上だけでなく、海中や宇宙、火星、過去まで表示し、そこに、地図情報をはじめ、スポット情報や3D表示などのさまざまなコンテンツを表示することもできます。
「ぐぐる」の動詞が生まれたほど、Googleはインターネット利用者にとって、なじみの深い存在です。来訪者数や被リンク数などでWebページの重要性を判断する独自の検索エンジンにより、世界中で利用されようになりました。しかし、Googleは単なる検索エンジンの提供会社ではありません。インターネットの可能性に挑戦する実に多彩なサービスを提供しています。 「Google Earth」利用シミュレーション「Google Earth」は、Googleが2004年に買収した「Keyhole」というソフトウェア会社が開発したサービスです。Googleから提供されたのは2005年6月28日。2009年5月末現在、バージョンは「Google Earth 5.0」です。 地名で一発検索「Google Earth」のソフトウェアをインストールすると、画面上に地球が現れます(図1)。右側にナビゲーションが表示され、この操作で見る方向を変えたり、移動したり、地球を回したりすることができます。 実際の地球儀と違うのは、ピンポイントで拡大できることです。ナビゲーションのスライダーのつまみを「+」方向にドラッグすることで、目的地にどんどん近づき、見たい国や街を上空から眺めることが可能です。例えば図2がパリ凱旋門。マウス操作でパリ上空を遊覧することもできます。 便利なのは検索機能です。ジャンプボックスに地名を入力すると、一発でその場所へ飛んでいきます。図3は「ニューヨークマンハッタン」で検索。近づくとエンパイアステートビルも確認でき、近づくと、ビルが3D表示され、その精密さには驚かされます。 こうした衛星写真や3D画像をもっと楽しみたい方には、フライトシミュレータ機能も装備されています。空からの景色を自分の操縦する飛行機で楽しむことができます(図4)。 過去の街並みや海底図ユニークなのは、提供されている地図情報が過去にさかのぼれること。最も古い映像は1940年代のアメリカ、カリフォルニア州の一部、日本を含む多くの地域は1995年前後からの映像を見ることができます。 海にも潜ることもできます。海上で高度をどんどん下げていくと、そのまま海に入り、海底の様子が確認できます(図7)。広大な海で詳しい地形データがあるのは全体の数%といわれていますが、タイタニックなどの難破船を 3D 映像など、ナショナルジオグラフィック、スタンフォード大学、BBC、日本水路協会海洋情報研究センターといった100以上の組織や個人から提供されたコンテンツを見ることができます。 さらに、火星や星座も表示できます。 リアルな映像を支える情報源Google Earthの精密な画像は、人工衛星GeoEye-1などから供給を受けた1ピクセル当たり50cmという高解像度の映像や、買収した衛星写真データベースKeyhole社の画像、各国地図ソフト会社から提供された街やビルの3D画像を組み合わせて表現されています。2005年巨大ハリケーン、カトリーナがアメリカを襲った際には、Google Earthで洪水の状況を表示するために、軍用に使われていた地図情報をまとめている政府機関からも一部の情報提供を受けたといわれます。
「Google Earth」を支えるベース技術地球上の陸地はもちろん海底まで、さらには火星の映像まで提供してくれる「Google Earth」。その映像は実になめらかに切り替わりますし、高精細です。膨大な量になると推測されるデータの描画処理とダウンロードを可能にしているベース技術が「ポリゴン」と「ディスク・キャッシュ」です。 3D画像を表現する「ポリゴン」ポリゴン(polygon)とは多角形という意味で、3Dグラフィックス分野ではすでに一般的な用語です。3Dグラフィックス、すなわち立体画像を表現する場合、コンピュータでは三角形や四角形などで構成します。その三角形ないし四角形がポリゴンです。 注:Silicon Graphics社 (SGI) が開発したOSやハードウェアに依存しない3Dグラフィックスのためのプログラムインターフェイス ダウンロードデータ量を抑える「ディスク・キャッシュ」いかに高速なポリゴン処理を可能にしているとはいえ、対象となるデータ量が膨大であれば、そのダウンロードが大きな課題となります。例えば、「Google Earth」では遠目で見た円形の地球を回転させたり、急激なズームなども極めてスムーズにできますが、ここに求められるデータダウンロード量とその処理はCPUの大きな負荷となります。 「ポリゴン」と「ディスク・キャッシュ」による高速な画像処理とGoogleならではのサーバ・ストレージ群。これらに加えて、Googleの最新で高度な技術が駆使されていると推測されますが、Googleはこれらの自社の技術をほとんど公表していません。
娯楽からビジネスまで、広がるGoogle Earthの用途Google Earthは、バーチャルな旅行体験や住所検索だけでなく、環境保護団体による森林伐採や汚染地域の監視、ホテルやレストランの案内、観光、交通、不動産、建設業などのさまざまなビジネスから教育、行政、犯罪捜査にいたるまでさまざまな用途で利用され、今後も用途は拡大し続けるでしょう。 参考URL
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