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ほっ!とコーヒー 第28回

路面電車のある風景


「チンチ〜ン」と鐘の音を響かせながら通り過ぎた路面電車。そう、昨年来話題になった映画の中でも東京タワーをバックに昭和の街並みを都電が駆け抜けていましたよね。その役割は、車の普及や交通網の整備とともに、バスや電車に取って代わられ、すっかり影が薄くなってしまいました。

地方の街を訪れたとき、昔ながらの路面電車が走っている姿を目にすると、なぜか「懐かしいなぁと」思うこと、ありませんか?自分が暮らしてきた街で走っていたわけでもないのに・・・。

よく「チンチン電車」と呼んでいますが、あの呼び名は、車掌と運転士のコミュニケーションのための鐘の音に因んだものなんだそうです。走行中に1回鳴らせば「降客があるため停車せよ」、2回ならば「降客がないので通過せよ」という合図。あ・うんの呼吸で運行されていた様子が愛称の由来だったとは面白いですね。

路面電車のルーツをたどると、明治28年(1895年)に京都の「京都電機鉄道」が開通したのが日本での始まりで、現在は約20都市で活躍中。現代の活気ある街にちょっとレトロな路面電車が一生懸命走っている風景、なんだかフォト・ジェニックな瞬間に出会えそうですよね。

でも、最近では流線型の近代的でオシャレなデザインの車両も増えていて、実はちょっとした復活の兆しもあるんです。というのも、近年の環境問題や交通渋滞緩和バリアフリーといった背景から、日本はもとより世界でも見直されているのだとか。ちなみに来年春には都電荒川線でも新しい車両がお目見えするようですよ。


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