教育現場では、生徒一人ひとり最適化された教材を選び出し、効率的に学習を進めていくことが求められている。本稿は推論AIを活用し、これまでの蓄積された教材と制作ノウハウから目的にあった教材を作成することの実現性を考察した。
最初のステップとして、概念実証(PoC)により以下の観点で実現性を検証した。①少量の設問データを用い、推論AIエンジンの中核理論を実装し、「教材作成者の意図した設問情報を抽出できるか」の可否を評価する。②設問に属性(出題意図)を追加することで目的の達成精度を高めることができるかを検証する。
PoCによる検証の結果、蓄積された設問情報に属性追加を行えば、推論AIによる教材作成支援は可能であると判断した。次のステップとして、不足している属性を導出するため、教材作成者からのヒアリングを通じて設問文書から出題意図の機械的導出・付与の実現性を実証し、機械的導出が可能な範囲を導き出した。 |