ソフトウェア開発の高度化などシステムを取り巻く環境が日々変化している中で、システム障害は経営リスクにつながることから品質確保が必要で、不良分析手法の改善が重要な課題となっている。現状、ソフトウェア開発にて発生した不良原因分析を行う際、①経験者への依存度が高い、②リスクミニマイズを達成するには、膨大な労力と時間が必要といった問題がある。そこで、工場などの生産ラインのリスク予測分析に活用されている自然言語処理やスケルトンマップといったテキストマイニング技術に着目した。この技術は、既知の障害事象からの類似事例検索や客観的な不良原因分析を容易に可能とする特徴をもっている。今回は、ソフトウェア開発における不良原因分析に当該技術を導入し、有効性を検証した。
検証結果としては、提案した手法によって、不良原因分析者のノウハウの有無に関係なく、容易に経験者が積み上げた経験と同レベルの分析評価結果を得られ、かつ分析時間の短縮を実現した。
本論文では、ソフトウェア開発工程へのテキストマイニング技術導入プロセスおよび実証結果、有効性について述べる。
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