2014 年以降ベネッセホールディングスは経営戦略の変更に伴い、グループ経営の重要性が高まりまたスピードが求められるようになった。戦略の変更を受けてベネッセホールディングスでは今までなかったIT 部門が設立された。ベネッセホールディングスのIT 部門では、グループ各社のシステムの状況を把握した上でIT 戦略の実行やガバナンスが求められた。
筆者はグループ各社の現状を把握する上で、グループ各社の情報を共有するためのシステムの必要性を感じていた。ただし、今回筆者に与えられたミッションは、システム導入が主業務ではなかったため、費用もかけられない中でスピード感のある対応が求められた。そこでSaaS の利用を前提として新しい導入アプローチの実証実験を行うととした。具体的には、システム開発の順番を入れ替え、最初に利用、その後開発し、最後に利用者の拡大を行う新しいアプローチの適用を模索した。試行錯誤の末、新しいアプローチでは安価にシステムの利用ができ、利用者もメリットを認めて徐々に増えるという一定の成果が得られた。今回実証実験で試行した新しいアプローチについて考察し、将来の可能性や得られる効果について考察を行う。
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