当社は1990年から首都圏内の自社ビル内のデータセンターで基幹システムを集中運用していたが、2011年の東日本大震災は、首都圏の震災リスクを見直すきっかけとなった。
なぜなら、この震災により津波こそが大地震そのものよりも大きなリスクであると認識し、津波による洪水の発生によって下記のリスクが明らかになったからである。
1、システムの動脈であるネットワークが一週間程度停止する可能性がある
2、洪水が発生した場合、電源を喪失する可能性がある
システムにとって、ネットワークと電力は不可欠である。
よってこれらリスクを回避するために、2013年に重要システムを首都圏地震の影響を受けない地域にあるデータセンターへの移設を決定し、2014年に実施した。また移設に併せて下記運用業務の改革も実施した。
1、データバックアップ運用業務と外部倉庫保管
2、HOSTコンピュータの帳票印刷配送業務
本稿では、BCP全体の計画から完了までの過程の振り返りと運用業務改革について論じる。
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