IT技術の進展・ビジネスへのIT技術利活用の推進などによりビジネスのシステムへの依存度は高まり、システムリスクが即ビジネスリスクに直結する事態を惹起するような時代を迎えている。
そのような環境下にあって、当社では、勘定系システム再構築プロジェクトにおいて、完成度の高さを求めるあまり、長い時間と大きなコストを費やす状態が続いた。長期間の開発を進めるうちに、ビジネス目的が薄れシステム再構築そのものが合目的化される事態に陥っていった。このような状態が続く中、金融機関として求められるITガバナンスと大きくかけ離れていった。
2009年に至って、当社のITガバナンス態勢の危機的状況を組織として認識し、早急に改善を図るべき最重要課題として経営とIT部門一体となってITガバナンス態勢の構築・整備の取り組みを開始した。
本論文は2009年より弊社の取組んだ「ITガバナンス態勢構築」について紹介する。
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