近年のビジネス環境の激変に伴いシステムのリリース後における仕様変更は頻発し、避けられなくなっている。これに迅速かつ低コストで対応するには、開発プロセスの改善だけでなく、システムに今後の仕様変更に対応できるだけの保守性を持たせる必要がある。
当分科会では、仕様変更を事前に想定するために必要な「拡張性」と、事前に想定できない仕様変更に対応するために必要な「柔軟性」が、今後の仕様変更における保守性の低下を防ぐ鍵になると考えた。事例分析や議論を重ねた末、拡張性を満たす手段として原理・原則に基づく設計手法、柔軟性を満たす手段としてグレーゾーンを最小化する影響調査手法を確立した。過去事例による検証では、開発コストや影響調査時間の大幅な削減効果を確認し、開発量の削減に有用であることを実証した。
研究期間終了後の現在は、研究成果をメンバー各社へ展開中である。そこで見つかった課題と考察についても取り上げる。
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