地理的に分散した資源を共有するシステムとして、GRIDが使われるようになった。しかしながら、GRIDの研究開発が各研究機関で独立に行われたため、数々のGRIDを構成するソフトウェア(GRIDミドルウェア)が互換性を持たずに開発されてきた。このような現状を打破すべく、日本原子力研究開発機構では異なる二つGRIDシステムを改変することなしに接続する技術を開発し、ドイツ・シュツットガルト・ハイパフォーマンスコンピューティングセンターにて運用されているUNICOREとの接続に成功した。開発した相互接続システムでは、計算機資源共有に必要な機能である、ファイル管理、資源情報探査、ジョブ実行を両システムからシームレスに(互いの資源の所属を意識することなく)実行できる。本稿においては、ファイル管理機能に特に重点を置き、ファイルの転送性能の測定を行い、増加分が転送時間と同程度であることが確認できた。
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