ユーザーへの情報の見せ方、入力のしやすさは情報力を左右する大きなファクターの一つであるが、その点でメインフレームはまさにレガシーシステムと言える。そのため同業他社の多くはオープンシステムへの移行を選択した。しかし、現システムのすべてをオープンシステムへ乗り換えるためには30億円以上の投資が見込まれた。
そこで私は入力をオープンシステム、幹の処理を現状のままメインフレーム、出力をオープンシステムというサンドイッチを作り、ユーザーの利便上はあたかも全てがオープンシステムであるように感じられる「疑似オープン化」を実現し、必要な機能のみ順次これに移行していくことはできないか、と考えた。理論的には可能だが、同様の構築実績が見あたらないという状況でのスタートであり、失敗のリスクを抱えながらのシステム構築となった。
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