蓄積したデータの分析によって経営を可視化するBI(Business Intelligence)への注目度が増している。富士通のSaaS型BIサービス「SAP BusinessObjects BI OnDemand」は、低コストで短期間のBI導入を実現。多彩な機能が容易に利用できる操作性の良さも備えており、従来のBIと比べ、より気軽な活用を可能とする。多次元自由分析が行えるなど、上位サービスの「Advanced Edition」も登場し、顧客のBI活用による戦略的経営を支援する。
[ 2010年10月1日掲載 ]

富士通株式会社
ERP事業本部
BIソリューション部
部長
堀之内 裕二
依然として厳しいビジネス状況が続くなか、企業はさらなる競争力強化に努めなければならない。その手段のひとつとして有力視されている仕組みがBI(Business Intelligence)だ。蓄積した企業内のデータを様々な角度から分析・加工し、意志決定や戦略立案などに生かす。
富士通の堀之内裕二は「不景気などの理由でIT投資全般が抑制される傾向にあるなか、BIは経営強化に直結するツールとして多くの企業が優先して投資し、利活用しようという機運が高まっています」と指摘する。
しかし、一般的にBIシステムは大規模な投資と長期の構築期間を要してしまい、運用管理のコストと負担も少なくない。そのうえ、導入しても使いこなすことが難しく、エキスパートと呼ばれる一部の社員にのみしか利活用されない状況に陥りがちだ。
そのような障壁を取り除いたBIソリューションが、2010年5月から提供開始した富士通のSaaS型BIサービス「SAP BusinessObjects BI OnDemand」(以下、BI OnDemand)である。独SAP社とのパートナーシップのもと、北米で高いシェアを誇る同サービスの日本語版を富士通のクラウド環境にて提供するものだ。
「BI OnDemandはSaaS/クラウド型ゆえに、少ない投資によって手軽に、短期間ですぐに利用できます。しかも、ユーザーの声を受けて機能追加・強化を四半期ごとに行うなど、日々成長するBIツールである点も、大きな利点です。例えば、現在アップロードするデータは2万行、3MBとサイズ制限がありますが、もっと大きいサイズのデータを分析したいとの要望を受け、年内に10万行まで拡張される予定です」(堀之内)。
加えて、高い品質も同サービスの強みだ。富士通の杉山勲は、次のように語る。「サービス基盤の整備にあたり、可用性やセキュリティをはじめ、日本市場の要求に合わせた高品質を実現しました。今後も、日本のお客様向けに独自機能や仕様を追加していきます」。
同サービスには、「Essential Edition」と「Advanced Edition」の2メニューが用意されている。Essential Editionは1ユーザーライセンスあたり月額3000円といった低価格ながら、本格的なBI機能が利用できる。
データソースはCSVやExcel形式のファイルのアップロードとともに、世界中で多くのユーザーに利用されているCRMソリューション「セールスフォース」など、ほかのSaaSサービスから直接取り込むことも可能。また、複数ソースのデータの結合も自在に行える。
取り込んだデータはダッシュボード機能によって視覚化や簡易シミュレーションを行ったり、様々な切り口で自由分析したりできる。「例えば項目名を表へドラッグ&ドロップするだけで分析の切り口の切り替えができるなど、直感的な操作体系によって誰でも容易に行えます」(杉山)。このようにエキスパート以外の多くの社員がBIを手軽に活用可能とすることで、社員一人ひとりの意志決定や戦略立案などを迅速にし、企業全体の力を底上げできる。
データを分析した結果をもとに、適切なグラフを自動生成する。どのコストを下げるべきかなど、経営分析の簡易シミュレーションも行える。さらには、アクセス権限を適切に設定しつつ、分析結果の情報を複数ユーザー間で参照・共有できる点も特長だ。「せっかく収集・分析したデータも、組織で共有して活用しなければ、ビジネスアイデアやビジネスチャンスの創出につながりません。BI OnDemandはデータの分析のみにとどまらず、共有・活用の基盤としても充実した機能を備えています」(堀之内)。


富士通株式会社
ERP事業本部
BIソリューション部
杉山 勲
Advanced Editionは2010年8月にリリースされた上位サービスである。データソースとなるファイルを基幹システムと連携できることに加え、富士通のクラウド基盤上に分析データベースを保持できる。その結果、より大きなデータに対する分析が可能になる。
なおかつ、ドリルダウン/アップ、スライス、絞り込みなどの多次元自由分析機能が使用可能となるため、簡単に高度なレポートが作成できる。「より大規模なデータに対して、より高度な分析がスピーディーに実施できるようになります」(堀之内)。主要分析シーンに対応したテンプレートも無償提供されており、随時追加される予定だ。
同エディションでは、細かな部分まで“わかりやすさ”へのこだわりを見せる。例えば、IT部門が用意したデータベースのカラム名は、具体的に何のデータを表すのか、ユーザー部門の社員にはわかりにくいケースがよくあるもの。BI OnDemandでは、データベースのカラム名をビジネスで一般的に用いられる分かりやすい名称に変換し、ユニバースとして定義しておくことで、ITエキスパートでないユーザーにも、容易にデータ抽出ができるようになる。「IT部門とユーザー部門のギャップを埋め、操作を容易化することで活用を促進します」(杉山)。
さらに、米アップル社のスマートフォン「iPhone」との連携も可能。富士通が整備した強固なセキュリティを持ち合わせるモバイルアクセス環境のもと、外出先でも手軽に分析結果閲覧や分析操作が行える。
今後はサービスのさらなる拡充を図っていく。現在はAdvanced Editionの上位となるエディションのリリースを目指し、検討を重ねている最中だ。「お客様のプライベートクラウド上に分析データベースを保持し、お客様自身の手でより自由にカスタマイズ可能なBIツールを考えています。お客様のプライベートクラウド構築をはじめ、富士通がトータルでサービスを提供します」(堀之内)。
富士通のBI OnDemandの登場によって、BIはより効率的な投資で競争力強化を果たせるソリューションとして、ますます多くの企業で活用が広まるだろう。
なお、富士通ではBI OnDemandの無料トライアルを実施中だ。サポートサービスも受けられるなど、正規ユーザーと同等のサービスが一定期間無償で利用できる。実際に操作し、効果を実感してから導入を決めるのもよいだろう。

日経BP社の許可により「ITpro Special(2010年9月1日~9月30日実施)」から抜粋したものです。
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