Fujitsu The Possibilities are Infinite

導入事例
株式会社テー・シー・アイ 様

3次元設計で開発納期を約3割短縮
低コストかつ高品質設計で受注競争力を向上

自動検査装置・制御装置の設計・製造を手がけるテー・シー・アイ(以下、TCI)は、10年ほど前から富士通の3次元CAD「SolidMX」による設計に取り組んでいる。2007年からは同じく富士通の構造解析システム「KSWAD+FEM5」を導入。現在では、設計の約7割を3次元化し、営業・製造などの社内各部門、客先、協力会社などとのコミュニケーションを図っている。また、3次元CAD、構造解析システム導入による手戻りやロスの少ない、低コストで高品質な設計が行えるようになったことで、競争を勝ち抜いていける企業体質が形成されつつある。

導入事例キーワード
設計品: 基板自動検査機、メモリ・VLSIの特性試験用テストボードなど
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
SolidMX

竹下 学 様
株式会社テー・シー・アイ
代表取締役

宮﨑 祥一 様
株式会社テー・シー・アイ
生産本部
機構設計部
主任

菅野 考隆 様
株式会社テー・シー・アイ
生産本部
機構設計部

創業38年のTCIは、自動検査装置をはじめ、電子部品の製造・検査工程を支援する各種装置を設計・製造してきた。1999年ごろからは、高速引っ張り・挿入装置などのFA装置開発という領域へビジネスを拡大している。そこで必要になったのが、3次元CADである。

「TCIには電気系の技術は高度に蓄積されていますが、機構設計のノウハウがありませんでした。新しいビジネス領域で戦っていくには、効率よい機構設計を支援してくれるツールが必要だったのです。また、検査装置は、置かれたものを静的に計測すればよかったわけですが、FA装置は、立体的に動くものを制御しなければなりません。3次元データを駆使して、精度の高い検証をしていこうと考えました」と、代表取締役の竹下学様は語る。

3次元CADとしてSolidMXを選択したのは、従来用いていたMicroCADAMとの互換性が高く、2次元設計から3次元への移行が容易にできる製品であったからだ。

SolidMXは、2次元連携の部分がわかりやすくて、操作ミスの心配がない。2次元設計手法を生かしたままで3次元化できて、それも、自然な操作の流れの中で発想を変革していくことのできる製品であった。

「今では最新バージョンのSolidMX Version3.0を使っていますが、ダイレクトに3次元を扱えるため、動きのある構造の設計が一段とやりやすくなりました」と生産本部 機構設計部 主任 宮﨑祥一様は評価する。TCIのビジネスニーズの変化に対応して、SolidMXも着実に進化を続けてきた。



ビジネス領域拡大のために構造解析システムを導入

ハードディスクの自動試験を行う「オートハンドラ」の3次元設計。3次元モデルにより、客先との打ち合わせをスムーズに進められる

現在、2次元専用3台と2/3次元用5台、合計8台のSolidMXを使っている。

TCIは、受注による一品一様設計が基本的なスタイルであり、設計者1人で1つのプロジェクトを一貫して担当する。若手スタッフは完全に3次元CADを使いこなしており、設計全体で見ると、7割程度の3次元化が完了した。

次に導入したのが、解析ツールである。ここでも、導入の目的は新しいビジネス領域の開拓であった。

「大型のサーバの免震装置の開発という初めての領域にチャレンジすることになって、ぶつかったのが、『試作レスで品質を上げる』という課題でした」と竹下様。

この免震装置は、数メートル四方で大きく、何トンもの重量を持つものであり、設置先ごとに個別設計する。ただし、高価なサーバを借りてきて載せたり揺らしたりして試すことは難しく、試作ゼロで品質の良いものを作り上げなければならない。

そこで2007年、SolidMXのデータを使って効率よく有限要素法解析ができるツールとして、KSWAD+FEM5の導入に踏み切った。すでに、伸びきったときのアームの荷重など、部分的な解析では高い精度を得られるようになった。さらに、免震装置プロジェクトのみならず、従来製品の検査装置やFA装置の設計でも解析を活用するシーンが増えてきたのである。

「解析は、設定が難しい。複雑な形状についての解析は、より精度の高い結果が得られるように利用と経験を積み重ねているところです」と、生産本部 機構設計部の菅野考隆様。

しかし、事前に解析をしておくことで、納品後に製品がたわむといった問題が生じなくなった。製品の信頼性が上がったことで、客先からの評価は確実に向上しており、ビジネスへのインパクトは確実に現れている。



コミュニケーション改革で客先からの信頼を獲得

(左)軸を中心として物体を回転させる回転台の一種である特許出願中の「オリジナルジンバル」。光ファイバー自動調芯貼り付け機に使用
(右)「オリジナルジンバル」を「SolidMX」で3次元設計し、「KSWAD+FEM5」で構造解析

SolidMX導入による3次元設計は、大きなコミュニケーション改革ももたらした。

客先には、見積や構想段階で、検査装置の機能や動きを3次元モデルで示すようになり、「この部分が大きい」とか「こういう配置のほうがいい」といった意見も早い段階で聞けるようになった。認識のズレが生じないため、納品後の作り直しも発生しない。

社内のデザインレビュー(DR)では、営業部門が、「予算がこれだけなので、機能を絞ってほしい」「あと1つ機能を付加してほしい」など、お客様視点の要求をどんどん出せるようになった。あるいは、「この仕様はこの予算ではできない」ということを早い段階で把握して、受注の判定を的確に行えるようになった。製造部門からも、「ここは組み立てにくいのでユニット化してほしい」といった要望が早い段階で出てくる。

さらに製造部門には、組み図の2次元図面とともに、3次元ビューワーを提供する。複雑な部分は3次元でイメージをつかんでおけば、組みの作業も早くできると好評である。

部品製造会社にも部品の2次元図面とともにアイソメ図を渡すようになり、複雑な形状のときでも伝達ミスがなくなった。

その他の3次元設計の効果は、設計効率化、期間短縮、コスト削減などである。

干渉チェックによってケアレスミスがなくなった。重量や重心を簡単に計算できるのも便利なところだ。

「納品した後に無駄な部材が残ることがなくなっており、部材コストも削減できているはず。受注から納品までの全体期間は、約3割短縮できました」と竹下様はいう。

TCIは今後、3次元データを稼働シミュレーションに利用して、装置の動きをきめ細かくチェックしたいと考えている。ロスがなく、利益性が高い仕事を短納期でできるようにするために、つまり、世界と戦っていける企業体質を作るために、これからも高機能なツールを積極的に活用していく方針である。


【会社概要】

株式会社テー・シー・アイ

  • 本社:東京都大田区本羽田2丁目16番23号
  • 設立:1971年5月13日
  • 代表取締役社長:竹下学
  • 資本金:3,000万円
  • 従業員数:20名
  • 事業内容:
    基板自動検査機、メモリ・VLSIの特性試験用テストボードなど、検査機、FA装置を幅広く開発・製作。半自動光ファイバー付け装置、オリジナルジンバル機構(特許出願中)など、独自性の高い技術力を誇る。TCIは、Technical Communication Industry(熟達した技術でコミュニケートされた企業)の意。
  • URL:http://www.tci-net.co.jp/

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