Fujitsu The Possibilities are Infinite

導入事例
富士通株式会社 フォトニクス事業部

3次元形状とDMUを駆使したDRにより光伝送装置の高密度設計で試作回数を大幅削減

富士通のフォトニクス事業本部では、光伝送装置の高密度設計を完全3次元化して、試作回数とリードタイムの短縮に大きな成果を上げている。試作回数の大幅削減を実現できた理由は、富士通PLMソリューションが提供する3次元CAD、SolidMXとVPSシリーズの活用で、効果的なデザインレビューを行い、フロントローディングができたからだ。また、SolidMXと板金CAMを連携させ、設計から板金加工までの自動化に成功したことも、リードタイム短縮につながっている。

導入事例キーワード
設計品: WDM(波長分割多重装置)・ADM(多重伝送装置)など
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
SolidMX

山崎 直哉

山崎 直哉
富士通株式会社
フォトニクス事業本部
技術開発センター
実装設計部
プロジェクト部長

荒木 日出夫

荒木 日出夫
富士通株式会社
フォトニクス事業本部
技術開発センター
実装設計部
技術主任

WDM(波長分割多重装置)やADM(多重伝送装置)など、ユビキタス社会のネットワークインフラに不可欠な光伝送機器を製造しているのが、富士通のフォトニクス事業本部である。

「富士通の光伝送装置は、サイズがコンパクトで、操作性に優れているのが大きな特長。しかも信頼性が高いため、特に北米の基幹ネットワークでは高いシェアを獲得しています」と、フォトニクス事業本部技術開発センター実装設計部プロジェクト部長山崎直哉は語る。

国際通信などを支える基幹ネットワークは、万一にでもトラブルが生じると、その社会的・経済的ダメージは計り知れない。それだけに、それを構成する伝送機器には、ノーメンテナンスでしかも極めて高い信頼性が求められる。

SolidMXとVPSで効果的なデザインレビュー

フォトニクス事業本部における、SolidMXの実施経緯と今後の拡張計画チャート

フォトニクス事業本部における、SolidMXの実施経緯と今後の拡張計画チャート

フォトニクス事業本部が、製品すべての設計をSolidMXで3次元化したのは2004年のことだ。

「10年前は開発に1年かけられましたが、現在では数カ月でやらなければなりません。リードタイムを短縮するには、試作の回数を減らすのが最も効果的。デザインレビュー(DR)のレベルを上げて、試作回数の大幅削減を実現するために、全面的な3次元化に踏み切りました」と山崎は語る。

「コンパクトな筐体」は、高密度設計に支えられている。しかし、収容する部品は大量にあり、2次元の図面ではチェック漏れが発生して、試作を繰り返す要因となっていた。設計データの完成度を高めるには、3次元化が不可避だったのである。

設計工程は、ハイレベルデザインとインプリメンテーションの2つのプロセスに分かれている。

ハイレベルデザインでは、機械系・電気系・ソフト系の開発者が一堂に会し、DRとDFM(Design for Manufacturing)を繰り返して、仕様を具体化する。

「大量の部品をどのように収容するかを2次元で検討し、これを3次元化して干渉などをチェックします。また2次元に戻って個々の部品の大きさを再検討するといった作業になりますが、SolidMXは、2次元と3次元をとてもスムーズに行き来できるため、仕様検討が柔軟に行えます」と、同事業本部技術開発センター実装設計部技術主任の荒木日出夫は説明する。

製造部門も参加して何度も行うDRとDFMでは、DMU(Digital Mock-Up)ソリューションのVPS(Virtual Product Simulator)が役立っている。特に、可動部分の検証や組立性の検討に、VPSは欠かせない。フォトニクス事業本部では、現地製造・現地販売を進めているため、北米にもSolidMXとVPSを導入し、電話とビデオ会議システムによる「遠隔DR」も行っている。

CAD/CAM連携で板金の切断・穴あけなどを自動化

インプリメンテーションは、詳細設計を行い、製造用図面を作り上げるプロセスである。

詳細設計では、3次元データを解析ソフトに取り込み、強度、温度上昇、耐震性など、入念な解析チェックをする。その後、再度DRとDFMを行った上で、CAMデータ生成と出図を行う。

「板金の領域でCAD/CAM連携を実現しているのが、我々の大きな特徴です」と山崎は語る。SolidMXのデータからCAMデータを自動生成し、人が介在することなく、切断、外形抜き、穴あけなどを実行しているのだ。

「曲げ、折り、溶接にも挑戦しているところです。ベンディングマシンも機能が複合化しており、板金作業を一貫して自動化する道も開けてきました」と山崎は意欲的だ。すべての製造情報が一元化されている3次元だからこそ、板を曲げたときの伸び率まで考慮して展開図を作るといったことができ、高度なCAM連携ができるのである。

目標は試作ゼロ!生産の垂直立ち上げも実現

「FLASHWAVE 7500 WDMシステム」(左)と、SolidMXによる2次元図面と3次元モデルの同時検証画面(右)

「FLASHWAVE 7500 WDMシステム」(左)と、SolidMXによる2次元図面と3次元モデルの同時検証画面(右)

SolidMXを使った3次元設計とVPS連携により、設計・CAD/CAM連携・組立などすべての工程が事前検証できるようになり、設計データの完成度は大きく向上した。試作が製品と同レベルで作れるようになり、試作回数の大幅削減を達成したのである。開発のリードタイムは大幅に短縮され、生産の垂直立ち上げもできるようになった。

CAD/CAM連携は、製造の下準備の時間短縮にも役立っている。例えば、シートメタルへの部品配置を計画する板取り作業が自動化され、短時間で最適配置できるようになるなど、下準備工数は30~40%削減された。

さらに山崎は、「板金による製造率を高め、ダイキャスト(鋳造)を脱却できたのも、3次元効果の1つ」と指摘する。

ダイキャストを代替するような複雑な板金を、人間の頭で考えるのは至難の技だ。3次元データを活用したCAD/CAM連携が実現できたからこそ、小さなスペースに多数のコネクタがついているといった複雑な形状でも、薄板を複数積層して板金で作り上げることが可能になったのである。

コンパクトで操作性と信頼性に優れる富士通の光伝送装置。それを、短いリードタイムで開発するのに大きな力となっているのが、SolidMXによる3次元設計なのだ。

【会社概要】

富士通株式会社 フォトニクス事業本部

  • 事業内容:電子技術(electronics)と対比して、光子を扱う技術がフォトニクス(photonics)。超高速フォトニック・ネットワークは、通信量が格段に増えるユビキタス社会においても、IP通信や専用線などの通信サービスを収容できる次世代ネットワーク基盤となる。富士通フォトニクス事業本部では、WDMやADMなど、フォトニック・ネットワーク構築に不可欠な光伝送機器を製造しており、国内はもちろん、北米でも高いシェアを獲得している。

【製品】導入した製品


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