導入事例
株式会社キッツ 様
設計を起点とした業務改善に大きな効果
3次元化で品質向上と迅速な製品化に挑戦
バルブを中心とした流体制御機器・装置の総合メーカーであるキッツはここ数年来、顧客へ提供する納入品図面の作成・管理の効率化および品質向上に果敢に取り組み、大きな効果を生み出している。それを支えるITの仕組みとして、富士通の3次元CAD「SolidMX」を採用。さらにSolidMXと連携した編集・管理システムを活用することによって、図面を作成する設計部門にとどまらず、製造部門や営業部門との連携における業務の大幅な効率アップを実現している。キッツの取り組みは、設計を起点とした顧客満足度向上のための業務改善の典型例といえる。
| 導入事例キーワード | |
|---|---|
| 設計品: | 各種バルブを中心とした流体制御機器・装置の製造販売 |
| ソリューション: | PLMソリューション
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| 製品: | SolidMX
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設計の前後の工程に関わる業務効率の改善が課題に

伊藤 一彦 様
株式会社キッツ
バルブ事業部
技術本部 技術部
技術第一グループ
副技師
キッツは、材質や形状・口径の異なる40,000種類のバルブを、標準生産品としてラインアップしている。そのほか、基本製品に顧客からの仕様に応じて生産する“一品一様”の特注生産品も幅広く対応。それらの製品の仕様を顧客に確認・承認してもらうために納入品図面を提出している。膨大な量の納入品図面を、ユーザーニーズや公的機関の規格およびその変更などに対応しながら、いかに迅速かつ的確に顧客へ提供し満足度向上を図っていけるか。これが、同社の設計部門が抱えていた従来の大きな課題だった。
この大きな課題に12年来取り組んできたという同社の伊藤一彦氏は、その発端についてこう語る。
「従来、設計部門が抱えていた課題を解消するためには、設計業務を効率化するとともに、図面管理をはじめとして設計の前後の工程に関わる業務効率を抜本的に改善する必要があると考え、そうした業務を支えるITの仕組みの見直しを図りました。とりわけ設計業務の中枢であるCADシステムは、当時すべてMICRO CADAMを使用していましたが、MICRO CADAMとデータ互換性があり、カスタマイズやほかのシステムとの連携が容易で、3次元設計への展開が行えるSolidMX(当時ICAD/MX)を順次導入することにしました。その時点から、当社の設計を起点とした顧客満足度向上のための業務改善が本格的に始まりました」
SolidMXと連携した編集・管理システムを有効活用
こうしてキッツと富士通の関係は、SolidMXが一部導入された1995年頃から始まったが、SolidMXが本格導入されるまでの間に、キッツにとって大きな業務改善につながったシステムを富士通が提供したことも、その後のSolidMXの有効活用に拍車をかけた。そのシステムとは、ペーパーレスで常に最新の図面を閲覧できるようにした「Web版Viewer」である。
かつてCADで作成された図面は紙で管理され、全国の営業所へはそのコピーが配布されていた。営業所ではそれを分類して保管し、特に標準納入品図面については顧客から要望があれば即座に提供できる態勢をとっていた。しかし、図面は更新などによって毎月200枚以上の差し替えが発生するため、人員の少ない営業所ではその作業が追い付かないのが実態だったという。そこでCADデータをWeb上で運用し、図面の承認や更新、営業所での差し替え作業などを大幅に削減するために導入されたのがWeb版Viewerである。当初はMICRO CADAM仕様だったが、SolidMXへの移行にともなって順次仕様を変更。その際、全文検索や複数図面印刷、PDF出力などの機能強化も図られ、2005年にはSolidMX仕様のWeb版Viewerが完全に整備された。それからおよそ2年。伊藤氏によると、これによって「図面運用に関わるかつての業務の90%を削減することができました」という。
さらにキッツの業務改善への取り組みは、これだけにとどまらない。標準納入品図面の作業の中で77%は変更作業が生じる。その変更作業の中で25%が文字情報の編集作業であることを突き止め、これを一括して変更できるようにした「文字置換システム」を導入。これにより、「例えば、かつては100枚の図面を変更するのに25時間かかっていたのが、10分で済むようになりました」(伊藤氏)という。
一方、特注納入品において最も煩雑な作業となるのは、“一品一様”の作図そのものである。しかしこれも精査してみると、単純な繰り返し作業が多いことから、文字情報だけでなく図形も入力パラメータによって自動的に作図できるシステムを導入。しかも基幹システムにある受注データと連携させることにより、受注から作図、その運用までの処理をシームレスに行える仕組みを実現した。これにより、「以前は月間で2,000枚だった図面処理能力が3,800枚に向上しました」(伊藤氏)という。
キッツはこうしたSolidMXと連携した編集・管理システムを活用することによって、業務の大幅な効率アップを実現してきた。「連携システムの開発に際しては、富士通に多大な協力をいただきました」と伊藤氏は語る。これも重要なSolidMXソリューションである。

導入システム概要
SolidMXによる3次元化でビジネスにも新たな波及効果を
さてキッツが今後、最も注力しようとしているのが、SolidMXによる3次元モデルの活用である。同社は2007年度から、新製品の設計は原則として3次元化する方針を下した。製品の品質向上を大命題として、3次元化による設計段階での精度向上によって、開発から製品出荷までのリードタイムの短縮を図ろうとしているのだ。また、統合設計情報管理システムのPLEMIAを活用しての、設計・製造に関わる3次元モデルの一元管理化も目指している。
そうした中で伊藤氏は、「SolidMXは3次元モデルも2次元図面も作成できる統合機能を装備しており、2次元で構想設計してから3次元モデル化する設計プロセスにも最適なツールなので、当社の3次元化への取り組みにも大いに役立ってくれると確信しています」と、SolidMXに大きな期待を寄せている。さらに「3次元モデルが定着すれば、業務改善だけでなく、ビジネスそのものにも様々な波及効果が生まれてくるはず。ぜひそこにチャレンジしたい」と新たな意欲を燃やしている。

(左)高レンジアビリティバタフライバルブ「スロットロール」
(中)SolidMXによるバルブの2次元図面
(右)3次元CAD画像
【会社概要】
株式会社キッツ
- 本社:千葉市美浜区中瀬1-10-1
- 設立:1951年1月26日
- 代表取締役社長:小林公雄
- 資本金:212億708万円(2007年3月31日現在)
- 従業員:3,354名(連結、2007年3月31日現在)
- 事業内容:
青銅・黄銅・鉛レス銅合金・ステンレス鋼・アルミ合金・鋳鉄・ダクタイル鉄・鋳鋼、高耐圧樹脂PVCを素材とする各種バルブを中心とした流体制御機器・装置の製造販売。 - URL:http://www.kitz.co.jp/



