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導入事例
エルピーダメモリ株式会社 様

環境に取り組む半導体メーカーが選んだ先進の含有化学物質管理システム

国内唯一のDRAM専業メーカーであるエルピーダメモリは、RoHS指令やREACH規則に対応すべく、2003年から含有化学物質の管理を行っている。当初は表計算ソフトのExcelベースの報告シートを担当部署に集めて取引先からの照会に回答する方法だったが、調査内容を統一するのが難しいという課題に直面。含有化学物質管理システムを導入してデータベース化することにした。製品選定にあたって同社が重視したのは、ベンダーのコンサルティング力と製品の使いやすさ。採用が決まった富士通の含有化学物質管理システム「PLEMIA/ECODUCE」は2009年に本稼働を開始し、データ統合、作業工数半減、回答迅速化などの効果を上げている。

導入事例キーワード
設計品: DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
PLEMIA

中野 顕吾 様

中野 顕吾 様
QA Office
クオリティマネジメント
&エコマネジメント グループ
プロフェッショナル

真壁 翔太郎 様

眞壁 翔太郎 様
QA Office
クオリティマネジメント
&エコマネジメント グループ

ほぼすべての電子機器に搭載されていることから「産業界のコメ」とも呼ばれる、半導体メモリ素子のDRAM。その国内唯一の専業メーカーが、エルピーダメモリである。設計と開発は国内外の7カ所、ウェーハプロセス(前工程)は広島工場や台湾の生産子会社など、パッケージプロセス(後工程)は秋田エルピーダや台湾の生産委託先などで行う体制。できあがった製品は世界の電機・電子メーカーに向けて出荷されている。

「当社が設立された1999 年頃から、環境対応が半導体業界においても重要なテーマとなりました」と語るのは、エルピーダメモリのQA Office クオリティマネジメント&エコマネジメント グループで環境管理を指揮する中野顕吾氏。エルピーダメモリは、製品の低消費電力化やエコファクトリ化などに企業を挙げて取り組んできた。2004年12月には、ISO 14001 の第三者認証を取得。ラインをリニューアルして、RoHS 指令*1やREACH 規則*2に対応すべく、化学物質管理を本格的に開始した。

もっとも、環境管理の当初のプロセスは事実上の手作業だった。設計者が含有物質を報告するためのシートは、Excelベース。これを電子メールや社内ネットワーク経由で中野氏の部署に集めて整理し、それに基づいて取引先などからの照会に回答していた。「化学物質名の表記は統一化されておらず、製品や設計者ごとに報告内容はばらばらでした」と中野氏は語る。



コンサルティング力と使い勝手で含有化学物質管理システムを選択

このような不整合状態を解消するには、管理対象化学物質についての登録・保管・照会・回答などの作業をシステム化するしかない——。このように判断した中野氏は、化学物質管理システムの選定を2006 年の暮れに開始した。

製品選定にあたって中野氏が心がけたのは、あれもこれもとシステム化するのではなく、目的を製品に含有する化学物質の管理に絞ること。「総合的な化学物質管理ができるとうたうソフトウエアもありますが、当社の業務プロセスに合っていなければかえって使いにくく、システム化する意味がなくなってしまいます」と中野氏は言う。

エルピーダメモリの提案依頼(RFP)に応じたのは、富士通を含む2 社。両社から寄せられた提案内容を検討する際に中野氏が重視したのは、細かな要件を提示しなくてもベストなシステム構成を提案してくれる「コンサルティング力」。さらに、エルピーダメモリの業務プロセスで容易に使える「使いやすさ」も求めた。

その結果として選ばれたのが、富士通のPLEMIAシリーズのECODUCE。「当社側はニーズをざっくりお話しするだけでよく、すべてが直感的に進みました。また、ECODUCE のベースになっているPLEMIA は相当に練られたシステムという感があり、基礎部分がこれだけ使いやすければ含有化学物質管理もうまくいくと確信しました」(中野氏)。

エルピーダメモリの半導体メモリ素子

エルピーダメモリの半導体メモリ素子。左からモバイル機器向けの「DDR2 Mobile RAM」、グラフィックス向けの「GDDR5」、ノートPC 向けの「DDR3SO-DIMM」



チェック&補正後にデータを登録、感覚的には工数が半分になった

社内手続きが完了してPLEMIA/ECODUCE がエルピーダメモリに導入されたのは2008 年。周辺システムや作業体制を整備するなどの準備を済ませた上で、2009 年に本稼働が始まった。

完成したシステムは、神奈川県相模原市の開発センターにPLEMIA/ECODUCE 用のサーバを置き、開発センターおよび秋田の担当者4 名(兼任者を含む)がネットワーク経由で利用するという構成。

エルピーダメモリにおける含有化学物質の登録プロセスは、「設計者が含有化学物質報告シートを作成」→「QA Officeクオリティマネジメント&エコマネジメントグループに送付」→「専任担当者がPLEMIA/ECODUCEに登録」という流れ。登録前に入念なチェックと補正を行うことでデータの精度を高めることができる。

QA Office クオリティマネジメント&エコマネジメント グループの眞壁翔太郎氏は、「感覚的には、工数が半分になりました。取引先からの照会要求がアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)のArticle Information Sheet(AIS)のような標準フォーマットであれば、すぐに回答を返すことができます」とPLEMIA/ECODUCE 導入の効果を語る。

一方、中野氏は「自己流ではなく、きちんとした形で化学物質のデータを整理することができました」と評価。化学物質名の表記がある程度ルール化されたことにより、新たな規制が始まったようなときにも、その化学物質を含有している製品を素早く検索して照会に回答できると見ている。

PLEMIA/ECODUCE を核とするエルピーダメモリの含有化学物質管理システム

PLEMIA/ECODUCE を核とするエルピーダメモリの含有化学物質管理システム



化学物質情報の社外提供も検討中、JAMPとの連携にも期待

PLEMIA/ECODUCEを利用した含有化学物質の管理が軌道に乗ったことを受けて、エルピーダメモリは化学物質データベースのさらなる活用策を検討中だ。

その候補の一つに挙がっているのが、社内に蓄積された化学物質のデータを取引先や顧客向けにも提供すること。「お客様からの要求も次第に統一されてきており、また同時にスピード感をもったデータ提供が益々求められていますので、データベースが利用できる可能性が広がっています」と中野氏は話す。

また、エルピーダメモリはJAMP の動向にも大きな期待を寄せている。台湾に子会社やビジネスパートナーを持つ同社にとって、現在は国内標準にとどまるJAMP がアジアでも通用するようになれば、化学物質情報の連携をもっと効率的に行えるようになるからだ。「その時に向けて、JAMP の情報を収集しつつ、PLEMIA/ECODUCEとの連携方法を研究しておきたいと思います」と中野氏。環境に配慮した半導体の開発と製造を推進するエルピーダメモリを、富士通のPLEMIA/ECODUCEはこれからも力強く支えていく。


*1 RoHS指令:欧州連合による電気電子機器に含まれる特定有害物質(6 物質群)の使用制限に関する指令。2006 年7 月施行。
*2 REACH規則:欧州連合による化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則。2007 年6 月施行。


【会社概要】

エルピーダメモリ株式会社

  • 創立年月:1999年12月
  • 従業員:3,180名(単独、2010年9月30日現在)、 6,216名(連結、2010年9月30日現在)
  • 2010年度 連結売上高:2075億円
  • 事業内容:設計、開発、製造(前工程・後工程)、販売のすべてを行っている国内唯一のD R A M 専業メーカー。2 0 1 1 年1月にDRAM製造において最先端となる30nmプロセスDDR3 SDRAMの量産を開始。また、貫通電極を使用し複数の半導体チップを積
  • URL:http://www.elpida.com/ja/新しいウィンドウで表示

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