Fujitsu The Possibilities are Infinite

導入事例 NX
山形カシオ株式会社様

市場ニーズに応えるため3次元デジタルデータを中核とした設計・製造工程について

商品ライフサイクルの短命化により、製造業各社はより短い期間で高品質な製品を低コストで製品を市場に投入することが求められている。G-Shockを始めとする時計や携帯等の設計・製造を行なっている山形カシオ株式会社様は、このような市場ニーズに応えるため「NX」で設計した3Dデジタルデータを中核とした設計・製造工程を構築した。

[2005年 掲載]

導入事例キーワード
業種: 製造業
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
Unigraphics

市場ニーズと工程の再構築

「NXを中核とした独自のモールドエンジニアリングシステムを構築し、プラスチック成形品の受注から量産までのリードタイムを従来の二分の一に短縮することを可能にしました。」と語るのは部品事業部課長 高谷氏。山形カシオの事業はカシオ計算機(株)様向けの「カシオ事業」と「独自事業(外販)」から構成されているが、近年は独自事業(外販)の占める割合が年々増加している。セットメーカーからのニーズは「開発リードイタムの短縮」 と「短期集中生産」。これらニーズに対応するため、山形カシオではいち早く取り組みを開始し、'94から新工程の中核となるUnigraphicsを順次導入して従来の2次元・紙ベースの設計・製造工程から3次元デジタルデータを中核と した工程へと変革していった。新工程構築時の目標であった「2nd Try=Last Try&Mass Production」と「成形品安定供給」は、3次元デジタルデータを活用した独自のエンジニアリング工程を構築することで達成された。ここでのキーワードは「コンカレントエンジニアリング」と「デジタルエンジニアリング」。部品事業部の金型設計/製造工程を例にとって詳細を見ていこう。

コンカレントエンジニアリング

図:コンカレントエンジニアリング

コンカレントエンジニアリングでは「可能な限り早い段階からセットメーカーであるお客様先で製品開発に参入」するということが重要となってくる。例えば一つの工程が終わってから次工程に進む従来の設計・製造工程と異なり、コンカレントエンジニアリングでは製品設計段階から金型・成形・加飾・組立等の生産技術者が開発に参画し、生産用件を3次元CADモデルに盛込むことが必要となる。これにより、後戻りの少ない開発推進が可能となる。また、各工程においては、開発の状況に応じた生産準備を平行して行えるため、より短期間での開発が実現できることになる。3次元デジタルデータを準備したもののうまく活用ができていない、2次元図面が無くせない、といった声を耳するがその理由は3次元デジタルデータが単なる形状伝達の役割しか果たせず、設計者の”意図”を伝えきれていないという現状が考えられる。形状、寸法、許容値、はめあい、変更履歴等、設計者が伝達すべき技術情報はたくさんあるが、2次元の世界ではそれらを紙図面、部品図、指示書の組み合わせで補間しあっていた。デジタルエンジニアリングを実現するために必要なことは、3次元データに必要な情報を持たせると同時に、設計側と製造側が協調し、正確な情報伝達を行なうということだ。工程担当者間の打ち合わせを密に行うことで、製造側に設計意図や要求スペックを伝達、製造側はその情報により加工精度を把握し量産バラツキを縮小することがでる。

図:デジタルエンジニアリング

今後の展望

3次元データを各工程でスムースに使用するためのポイントは、一言で言うと、お客様の情報を収集、整理し展開できる「技術者」言い換えると「総合プロデューサー」が必要だということだろう。またその他にも、社内部署間や会社間における技術情報伝達のルール作りや部品リスト、加工指示書などの情報出力の自動化・省力化、下流工程で活用できるビューワも考慮すべき点として挙げられる。

今後山形カシオでは次のステップとして

  • 3Dデータの利用範囲の拡大
  • 外注先のデジタル化の実現
  • 完全図面レス
  • 技術情報伝達の仕組み構築

に取り組んでいる。

高谷氏は将来のビジョンを「山形カシオの今後の方向性として、大きく2つの目標を設定しています。一つはCADCAM連携・CADCAE連携だけでなく、CAECAM連携(MOLDEST:3D-CAD/CAEと成形機を融合した統合射出成形支援システム)の実用化を図り、個々の技術者のレベル差を保管して更なる安定生産を実現すること。そしてもう一つはIT技術を駆使してデジタルネットワークシステムを更に進化させ、国内製造の優位性を確保し続け国内製造業の空洞化阻止していくことです。」と語った。

【会社概要】

山形カシオ株式会社

  • 所在地: 山形県東根市
  • 設立: 1979年(昭和54年10月)
  • 資本金: 15億円(カシオ計算機株式会社100%出資)
  • 従業員数: 720名
  • 事業内容: 製造業
  • ホームページ: http://www.yamagata-casio.co.jp/

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