[2005年 掲載]
| 導入事例キーワード | |
|---|---|
| 業種: | 一般電子機器、通信用電子機器、測定機器、産業用メ力トロニクス製品、アミューズメント製品等の各種設計開発業務、及び、生産、販売等 |
| ソリューション: | PLMソリューション
|
| 製品: | ICAD/SX
|
工場のライン、各種測定器、大型コンピュータの筐体、自動車内装品のモールド金型、アミューズメントマシン、プリント基板、ソフトウェア。大洋工業設計では、驚くほど幅広い分野の多様な製品を設計開発しています。
社内組織は、機械技術部、開発部、電気技術部の3つの部門で構成されています。機械技術部では、交換機や光関係の測定器など、通信機器の流れを汲む製品の開発設計のほか、食品関係の産業機械、コンピュータの筐体、大型電光掲示板のフレームなど、幅広い機械設計を行っています。開発部は、工場のライン設計や工業用ロボットの開発設計が中心です。「メカトロニクス分野で、動きのあるものの開発は何でも手掛けます」と、大洋工業設計(株)機械技術部CAD&ネットワーク管理者柴山信彦氏は補足してくれました。電気技術部では、通信機器、測定器、その他の電子機器の開発や設計を行っています。また、プリント基板の設計やLSIの設計、ソフトウェアの開発も行っています。
99年4月に、設計者のCAD環境が、「一人1台」をほぼ達成しました。「一人1台になると、CAD端末の位置づけも変わりました。以前は、ドラフターの代わりに使う製図の機械という感覚でしたが、いまでは、表計算やメールを含めて、オフィスに不可欠な文房具という感覚。あらゆる仕事になくてはならない道具になっています」(柴山氏)。
35台のCADシステムのうち、ほぼ半数の17台を占めているのがICAD/SXです。機械技術部と開発部の2つの部門で使われているICAD/SXは、3つの段階を経て導入されました。「まず、機械技術部で、得意先のCADに合わせる形で、ワ一クステーション版を5台導入したのが、1996年8月のことです」(柴山氏)。次に、開発部でもCADを使いたいという要望が強くなり、98年2月に、PC版のICAD/SXを5台導入しました。さらに99年3月、機械技術部と開発部で、合計7台のICAD/SXを導入。設計者の「一人1台環境」がほぼ完成しました。
ICAD/SXを選んだ理由は、3点挙げられます。
第1に、幅広い製品をさまざまな部署で設計するときに、誰でも使いやすい機械系の汎用CADだったということです。「豊富な機能がバランスよく提供されていますし、操作がきびきびしていてレスポンスもいい。他のCADシステムを使っていた人や、初めての人が使っても、すぐに操作に慣れることのできるCADシステムです」と、柴山氏は評価します。新入社員が、わずか1週間で使いこなせるようになったというほど、ICAD/SXは使いやすいCADシステムなのです。
第2のポイントは、データ互換性に優れているということです。
「MicroCADAMでもHiCADでも、DXFファイルを介して、互換性があることになっています。ところが、実際にはいろいろなクセがあって、100%互換というのはあり得ないのです」と柴山氏は説明します。さまざまな取引先と多種多様なCADデータをやりとりしなければならない同社では、DXFデータ変換時の各CADシステムの「クセ」を詳細にチェックし、「データ互換時の注意点」として設計者間で共有しています。「あるCADシステムは、DXFにすると尺度情報が変わってしまうとか、あるCADシステムは、寸法線が認識されないとか、いろいろな特徴があります。一番クセがなくて、取り扱いやすい素直なDXFデータができるのが、ICAD/SXです」と、柴山氏は長年の検証結果に自信を持って語ります。ICAD/SXは他のCADシステムに対するDXFコンバーターとしても使えるくらい、優れた互換性を持っているのです。
第3のポイントは、富士通のサポート力です。「営業担当者が、要望をしっかり理解して的確な提案をしてくれたおかげで、当社の環境に合ったCADシステムの使いかたができたのです。3段階にわたって機器を増設していったわけですが、そのたびに、かゆいところに手の届くようなきめ細かいセッティングをしてくれました」と柴田氏は対応の良さを評価します。「見積書の『導入時の費用』という項目だけで、富士通の担当以外のところまでめんどうを見てくれました。これからも信頼していけるメーカーだと感じています」と柴山氏は言います。
実際にICAD/SXを使っている設計者のみなさんにお話をうかがってみました。
機械技術部では、仕様を少し改良したり、ある製品と別の製品を部分的に統合して、新しい製品を作るといった仕事がたくさん発生します。そこで、威力を発揮するのが、CADデータの送受信。客先とは、専用回線でICAD/SXの図面データをそのままやりとりすることが多いとのこと。ほかに、DXFデータやCADデータをそのまま、あるいはDWF形式にして電子メールに添付し、インターネットで送ることもあります。いずれも、紙に出図したり、届けに行ったりする時間を大幅に節約する効果をあげています。もうひとつ成果をあげているのがチームワークを活かした設計です。「1人が大まかな設計をした後、数人で詳細設計をして組み合わせると、設計時間を大きく短縮できます。設計データは常にその図面庫に格納するというルールで、緩やかなチーム設計していますが、業務の流れがスムーズにでき、客先にもスピーディーな対応ができます」と、大洋工業設計(株)機械技術部主任川口茂氏は説明します。
一方、ゼロからの設計が多い開発部では、ICAD/SXの使い勝手の良さを高く評価。設計効率も大きく向上しました。「同じことをやるときに、他のCADシステムに比べて、ステップが1つか2つは確実に少なくて済みます。クリック1回で済むのと、メニューを選んでまたサブメニューを選んでと何度も操作するのとは大違い。新しいことを工夫しようと考えているときに、思考を途切れさせないため、設計効率が大きく向上します」と、大洋工業設計(株)開発部主任三橋栄一氏は言います。また開発部では、さまざまなメーカーが提供している部品カタログも頻繁に利用します。安定したDXFデータの読み取りができるICAD/SXは、こうした多彩な情報を組み合わせて、効率よく設計を進めるうえでも役立っています。
本年中には、ICAD/SXMechanicalPROを導入して、3次元化に取り組む計画もあります。「3次元化は、直接には、取引先の3次元化に合わせるためのものですが、干渉チェックが早い段階でできるなど、当社としても導入効果が出るものと期待しています。当社は若い設計者が多いので、3次元設計にもすぐ慣れるだろうと楽観しています」と柴山氏は期待を込めて語ります。
「CADシステムは、トップダウンで導入するものではありません。使う人が一番いいものを選び、その選定に責任を持っていく。そういう方針で導入すれば、ホコリをかぶったり、無駄になったりする心配がないのです」(大森社長)。大洋工業設計は、社訓の「前進、自信、思心」に示されているとおり、自信と、相手を思いやる心を持って、たゆまなく前進していくことを目指しています。CADシステムの使いこなしについても、客先の状況と自社独自の検証のバランスをとりながら、積極的に前進ししていくことでしょう。