導入事例
株式会社IHI/
IHIメタルテック株式会社 様
3次元CADの活用で設計業務の構造改革に挑戦
フロントローディングと併せて業務量を30%削減へ
IHIの産業システム事業部門は、3次元CAD「ICAD/SX Mechanical PRO」の導入を契機に、「設計の構造改革」に取り組んだ。設計負荷の軽減と同時に他部門との連携を強め、フロントローディングを実現するという野心的な挑戦である。ワーキンググループによる最初のトライを経て、産業機械の複雑な配管設計の干渉チェックなどに威力を発揮するとともに、スタート時に目標として掲げた設計業務量の30%削減も見えてきた。約10種類のCADを比較検討してICAD/SX Mechanical PROを選定した決め手は、性能や操作が優れていただけでなく、機械装置設計本来の仕事を助けてくれるCADだったことである。
| 導入事例キーワード | |
|---|---|
| 業種: | エネルギー、貯蔵化学プラント、宇宙開発/ジェットエンジン、運搬機械物流システム、橋梁・鉄鋼/土木建設機械など |
| ソリューション: | PLMソリューション
|
| 製品: | ICAD/SX
|
わが国を代表する総合エンジニアリングメーカーのIHIグループ。造船や航空・エネルギー関連など、事業領域は多岐にわたる。圧延機や自動車用プレス機を製造する産業機械も重要な事業の柱の1つである。同社が製造する産業機械は巨大で複雑な機構を持つものが多く、それだけに設計図面の枚数は膨大となり、プレス機では4000~5000枚、圧延機に至っては1万枚以上に及ぶこともある。しかも、客先ごとに仕様が異なる「一品生産」であり、図面は毎回製図するに等しい状況にある。
構造改革とフロントローディングの同時実現を目指す

百々 泰 様
IHIメタルテック株式会社
エンジニアリング本部
機械設計部
部長代理

熊谷 正機 様
株式会社IHI
産業システム事業部
プレスプロジェクト部
機械設計・開発グループ
導入検討時、産業システム事業部内に圧延機とプレス機の設計者を中心とする最初のワーキンググループ(WG)が発足する(圧延機部門は、その後、IHIメタルテックとして分社独立)。直接のきっかけは、使用中の2次元CADの保守について、開発元から打ち切り通告があったことや、3次元データの提出を求める顧客への対応などだった。しかし、WGではこうした個々の問題を単独で解決するのではなく、以前からの課題であった「設計の構造改革」の実現を目指した。
具体的には「設計の負荷を減らしながらフロントローディングを同時に実現する方法を求めました」(WGメンバーの一人のIHIメタルテックエンジニアリング本部機械設計部 部長代理の百々泰氏)。
このためWGが最初に取り組んだのは、業務プロセス分析。それも「設計本来の業務とは何か」というところまで突き詰めた。そこから見えてきたのが製図の時間が意外と少なかったこと。「図面を描くことが設計の仕事のように思われがちですが、我々の分析結果では、製図は設計の一部分に過ぎず、設計本来の仕事は、情報収集した上でアイデアを練り、設計者自身の考えを伝えることなのです」(百々氏)。
装置設計の本来の仕事を助けてくれるICAD/SX

プレスの代表製品
設計の本来の仕事である設計者自身の考えを伝えることは、設計の早い段階で3次元CADによるモデルを活用して伝えるのがベスト。そこで選ばれたのが3次元CADのICAD/SX。選定にあたり、同社では約10種類のCADを検討した。ICAD/SXだけがノンフィーチャー・ベースのCADであり、残りはすべてフィーチャーCADだった。多くのCADベンダーは自由曲面が描けることばかりを強調した。だが、産業機械に自由曲面はさほど必要ではない。むしろ、部品やユニットを早くアセンブリし、設計者自身の考えを的確に伝える。そして、全体を見ながら3次元編集できることが重要であり、その時の表示性能がポイントになる。ICAD/SXは、10種類のCADの中でも高速表示性能が際立っていた。最終的に、あるフィーチャーCADとICAD/SXの2種類の製品に絞り、実データを使ったベンチマークテストを行ったところ、性能だけでなく操作性面でも、ICAD/SXの方が優れていた。
導入後、社内の製造部門や客先で、従来の2次元図面に代えてプロジェクターを使って3次元モデルで見せると、好評を博す。これにより、図面を起こす前にモデルで意見を集約し、完全に固まった段階で初めて2次元図面化するという新しい形ができあがった。これが同社の言う「設計主導のフロントローディング」である。
本年4月より設計者全員に開放
目標達成にも現実味
![[左]プレス装置の配置・配線レイアウト検証[右]プレスの構想レイアウト検証](/solutions/plm/imgv3/jplm/casestudies/icadsx/ihi01.gif)
左:プレス装置の配置・配線レイアウト検証
右:プレスの構想レイアウト検証
また、難しいといわれる配管設計でも成果が出ている。プレス機の設計を手掛けるIHI産業システム事業部プレスプロジェクト部機械設計・開発グループの熊谷正機氏は「2次元図面では見逃しがちだった干渉部分が、ICAD/SXを使うと即座に分かり、意見交換のツールとしても使えるようになりました」と語る。もっとも、産業機械の配管は機械に密着して縦横無尽に走るため極めて複雑。石油精製プラントなどで使用する配管のようにシンプルではない。このため同社は、ICAD/SXの開発元であるデジタルプロセスと共同研究に取り組み、必要機能を盛り込んだ。
ICAD/SXの活用は様々な成果を上げているが、構造改革という大きな目標から見て、いよいよ本番を迎える。というのも、WGではあえて3次元CADを設計者全員には開放してこなかった。「ルールが定まらないうちに、皆が使いだすと、運用面で統一がとれなくなり、かえって混乱を来たすことになりかねない」と判断したためだ。導入当初は、使用をWGのメンバーだけに限定した。その後も普及を急がなかったが、本年4月、いよいよ機は熟したと判断、圧延機とプレス機に関わる設計者全員に開放した。
当初、設計業務を分析した際、ICAD/SXの活用により、設計業務を30%削減できるとの見通しを得た。今回、設計者全員の使用が本格化したことで、その目標達成が見えてきた。
【会社概要】
株式会社IHI
- 本社:東京都江東区豊洲3-1-1豊洲IHIビル
- 設立:1889年(明治22年)1月17日(1853年創業)
- 資本金:957億円
- 従業員:6864人(連結2万3190人2007年3月末)
- 事業内容:わが国を代表する総合重機械メーカーの1つ。造船から出発して、現在ではエネルギー、貯蔵化学プラント、宇宙開発/ジェットエンジン、運搬機械物流システム、橋梁・鉄鋼/土木建設機械など広範に事業展開。2007年7月に石川島播磨重工業から社名変更した。
- URL:http://www.ihi.co.jp/
【製品】導入した製品
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