Fujitsu The Possibilities are Infinite

導入事例
萩原工業株式会社 様

カスタマイズが多い装置を3次元CADで設計
不具合件数の削減で設計期間短縮に成功

萩原工業のエンジニアリング事業部は、スリッターやワインダーの開発・製造・販売を担う。2006年夏、同事業部はリードタイムの短縮によるコストダウンを目指して、3次元CADの導入を決断。4つの製品を比較検討した結果、スリッター1台を高速に表示でき、カスタマイズのための設計変更を拘束レスに行える富士通の「ICAD/SX Mechanical PRO」を採用した。約1年にわたる入念な準備の結果、2008年4月からはすべての製品・型番で3次元設計を実現。不具合件数を約58%減らすことによって、不具合対応時間も約43%削減することができた。

導入事例キーワード
業種: ポリエステル/ポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維製品(ブルーシートなど)およびスリッター/ワインダー/再生ペレット製造装置などの産業機械の開発・製造・販売
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
ICAD/SX

森岡 敏正 様

森岡 敏正 様
萩原工業株式会社
常務取締役
エンジニアリング事業部
ジェネラルマネージャー

植村 隆二 様

植村 隆二 様
萩原工業株式会社
エンジニアリング事業部
製造部門 設計部 機械設計グループ グループリーダー
兼 PMチーム チームリーダー

多賀 洋之 様

多賀 洋之 様
萩原工業株式会社
エンジニアリング事業部
製造部門 設計部 機械設計グループ
CMP チーム
タスクスタッフ

岡山県倉敷市に本社を置く萩原工業は、建築や土木の現場でおなじみのターピーシート(ブルーシート)のトップメーカーとして知られる。設立2年目の1964年には、このシートの素材となる合成樹脂繊維「フラットヤーン」の開発に成功。現在では、合成樹脂事業部とエンジニアリング事業部の2つの事業部を合わせて、年間に230億円(2007年10月)の売上高を計上している。

このうち、エンジニアリング事業部が担当しているのは、幅広の紙やフィルムをスリットして巻き取るスリッター、ワインダー(巻き取り装置)、再生ペレット製造装置の開発・製造・販売。同事業部で常務取締役 ジェネラルマネージャーを務める森岡敏正様は、「当社のエンジニアリング事業部は、自社工場内で繊維やシートを作る製造装置をメンテナンスしていた部門を基に誕生しました」と語る。この事業部に2次元CADが導入されたのは約17年前。機械設計グループ グループリーダーの植村隆二様は、「最初はUNIXベースのものを導入し、最新の製品・バージョンにアップグレードしながら設計に活用してきました」と話す。


高速化が進む3次元CADの導入でリードタイムの短縮を目指す

上下2 軸センタードライブスリッター HDF-605-1300

各種プラスチックフィルムをカットする「上下2 軸センタードライブスリッター HDF-605-1300」

このような状況にあった萩原工業のエンジニアリング事業部が3次元CADを意識しはじめたのは、2006年夏のことだった。

まず、経営の観点から望まれたのは、設計の3次元化によるコスト削減と人材確保。その意味を森岡様は「ものづくりの世界では、資材を安く仕入れるだけでなく、作り込みのフェーズに最新の技術を取り入れなければ本当の意味でのコストダウンはできません。また、当社の中期経営計画に記された成長率を確保するには、優秀な人材を集めることが不可欠です。3次元CADを導入することにより、そうした人材を採用しやすくなると考えました」と語る。

一方、技術側では、3次元CAD製品の性能が実用的レベルに達しつつあるという感触を得ていた。「何年か前に3次元CADを試用したことがあるのですが、当時は処理速度が遅くて、部品点数200レベルのユニット1台を表示するのも困難でした」と述懐するのは、同事業部における3次元CAD推進のキーマンとなった多賀洋之様。しかし、2006年頃には3次元CADの性能が目覚ましく向上し、「新製品のデモンストレーションを見る限り、干渉チェックなどをフロントローディングするのにも使えるのではないかと思いました」と植村様は語る。


高速処理と設計変更の自由さで富士通の「ICAD/SX」を選択

片面検査巻返機 RSS-108I

印刷フィルムを巻き取る「片面検査巻返機 RSS-108I」

3次元CADへの移行に向けて、多賀様がプロジェクトリーダーとなり、要件出しの調査、選定、導入準備、フォローが進められた。製品の選定にあたっては、メジャーな4製品について、ベンダーとユーザー企業の両方から情報を収集。「標準的な装置1台を5分以下で表示でき、3次元モデル作成後も容易に設計変更ができること」(多賀様)を基本要件として比較検討を行った。

設計変更の容易さを基本要件としたのは、萩原工業がベースモデルからのカスタマイズ性をビジネス差別化のポイントとしているためだ。「機種にもよりますが、受注案件の60%から70%でカスタマイズのご要望があります」と、植村様は説明する。

導入する製品として最終的に選ばれたのは、「装置1台分のデータを迅速に処理できる」「操作性に優れる」「設計変更に対する寸法拘束がない」などの項目に優れていた富士通の「ICAD/SX Mechanical PRO」。図面データを高速に呼び出すための自社独自のデータ管理機能については、カスタムアプリケーションで対処することにした。


不具合件数を約58%減らし対応時間を約43%削減

ウォーターリング式ホットカッ トペレタイザーG300

可塑性樹脂の合理化ペレタイズ装置「ウォーターリング式ホットカッ トペレタイザーG300」

採用決定後も、引き続き多賀様がプロジェクトリーダーとなり、約1年かけて全面移行への準備が進められた。技術者教育、共通ライブラリーと作図規定の作成、実際の受注案件を使った最終検証を経て、2008年4月には本稼働が順調にスタート。エンジニアリング事業部では、現在、すべての製品・型番を3次元CADで設計している。

ICAD/SXの導入効果について、森岡様は「技術者のレベルが高まったほか、設計期間が短縮され、顧客向けプレゼンテーションの質も向上しています」と絶賛する。

設計期間を短縮できたのは、部品間の干渉や止め付け穴のミス(位置やピッチの違い)などの不具合を減らすことができたため。植村様は、「不具合の件数が対前年比で約58%減り、それに対応するための時間も約43%削減できました」と胸を張る。

このような成果を背景に、萩原工業のエンジニアリング事業部は新しいテーマへの取り組みも開始した。経営面では「迅速な商品化、さらなるコストダウン、技術者レベルの平均化」(森岡様)、技術面では「ハーネスやエアー配管の取り回し設計と強度解析」(多賀様)など。短期間で3次元CADへの移行を成功させた萩原工業は、これらのテーマに向けてつき進んでいく。

【会社概要】

萩原工業株式会社

  • 本社:岡山県倉敷市水島中通1-4
  • 設立:1962年11月29日
  • 資本金:10億800万円
  • 従業員:411名(2009年2月現在)
  • 事業内容:ポリエステル/ポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維製品(ブルーシートなど)およびスリッター/ワインダー/再生ペレット製造装置などの産業機械の開発・製造・販売を行う。
  • URL:http://www.hagihara.co.jp/

【製品】導入した製品

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