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導入事例  特定医療法人康和会 札幌しらかば台病院様

電子ペーパーによる診察進行状況の可視化で、待ち時間の不安を軽減


  高齢化の進む札幌市豊平区において、地域住民に急性期から在宅を含めた慢性期までのトータルケアを提供すべく開院した札幌しらかば台病院。早くから院内IT化に取り組んできた同院では、2010年11月から電子ペーパーを搭載した電子カードホルダー「NAVIT」(携帯無線型端末)を利用した外来患者案内ソリューションを導入し、患者サービスの向上と、業務の効率化をめざしています。



急性期から慢性期まで一貫したトータルケアを提供

遠藤高夫院長
遠藤  高夫
院長

  一般病床112床、療養病床150床を有する札幌しらかば台病院は、高齢化率約20%の札幌市豊平区・月寒地域において、1988年に開院しました。地域における同院の役割について、遠藤院長は、「急性期における高度な最新医療から、多職種のチームによる慢性期のケアまで、一貫したトータルケアを提供しています」と述べています。

  院内のIT化にも早くから着手し、2005年にはHOPE/EGMAIN-FXを導入、ペーパーレス、フィルムレスでの運用を始め、多職種での情報共有に活かしています。患者サービスにも力を入れており、外来待合室はゆったりと十分な広さが確保され、明るい色のソファを曲線的に配置するなど、アメニティの充実にも力を入れています。

  今回、同院では、それらの患者サービス向上の一環として新しい外来患者案内ソリューションを導入、2010年11月から運用を開始しました。

電子ペーパーを搭載した電子カードホルダー「NAVIT」(携帯型無線端末)を活用

電子カードホルダー「NAVIT」約10センチ11センチ、厚さが8ミリのカード型の携帯無線端末で、表示部には富士通が開発したカラー電子ペーパーを搭載、無線通信には富士通独自のプロトコル(FBStar)を採用し、多数の端末を低消費電力で運用が可能

  札幌しらかば台病院では、患者さんの要望の多かった“待ち時間の可視化”を図り、患者アメニティの向上を目的として外来患者案内ソリューションを導入しました。同院に導入されたのは、電子ペーパーを搭載した電子カードホルダー「NAVIT」(携帯型無線端末)によって、診察の進行状況を患者さんが携帯したNAVITに送信して知らせるシステムです。

  これによって、従来、受診する診察室の近くで待機する必要があった患者さんが診察の順番を気にすることなく、自分の好きな場所で待ち時間を過ごすことができます。また、電子ペーパーを搭載したNAVITの消費電力は、従来の大型表示板に比べ1万分の1であり、節電対策にも有効です(地球環境負荷軽減として、CO2換算で年間約1トンの削減効果を見込んでいます)。遠藤院長は「病院のIT化には、スタッフの情報共有、業務の効率化などを目的に積極的に取り組んできました。外来患者案内ソリューションでは、外来での患者サービスの一環として、電子ペーパーという新しい技術を使ったシステムを導入しました。いままでにない新しいシステムの運用でもあり職員も試行錯誤でしたが、患者サービスの向上に一定の成果を上げています」と述べています。

  NAVIT採用の理由について、診療情報管理課の建嶋優紀課長は次のように言います。

建嶋優紀診療情報管理課長
建嶋  優紀
診療情報管理課長

  「以前から、患者さんから“どのぐらい待つのか知りたい”という要望が強くあり、それを実現するためのシステムを検討していました。当院では、高齢の患者さんが多いこともあって、患者さん自らが操作を行うなどの負担をかけてしまう再来受付機や精算機の導入を見送り、それにかわる人にやさしい、案内表示装置と連動する新しいソリューションを探していました。情報がリアルタイムに更新できる電子ペーパーを使ったNAVITによって、スタッフが患者さんをサポートしながら利便性を向上できるシステムの構築を期待して導入しました。運用にあたっては、新しいソリューションでもあり、患者さんに対しては“試験導入”として、システムへの評価のアンケートを行うなど、職員を含めて患者さんの反応を確かめながら運用を進めています」

診察室への呼び込み操作と連動して診察の進行状況を無線で配信

  受付から診察までの流れは次のようになります。

  外来で受付後、NAVITにICカードをセットし、滅菌したネックストラップつきの透明ケースに入れて患者さんに渡します。ここで、総合案内係が患者さん1人ひとりに対してNAVITの機能と呼び出しまでの流れを説明します(a)

  NAVITを受け取った患者さんは、診察の進行状況を手元で確認しながら無線通信が届く院内の好きな場所で診察までの時間を過ごします(b)

  病院側の操作では、画面上で患者さんをドラッグ・アンド・ドロップして、診察室を決定します。以後の診察待ち人数のカウントダウンは、医師が次の患者さんを診察室に呼び込む操作をすることで、自動的に行われます(c)。そして最後のアラーム音と振動、電子ペーパーの表示によって、患者さんは自分の順番がきたことを知り、診察室に入ります。NAVITは、診察後の会計時に回収します。

  同院では、近く診察券のICカード化を予定しており、それによってNAVITにICカード型診察券を挿入するだけで受付が完了し、一層スムーズな運用が可能になります。また、同院では、NAVITだけでなく大型LCDモニタをロビーに設置しており、ここにも診察室ごとの順番待ち表示をするようにしています。

ワーキンググループで検討しコミュニケーションを基本とした運用に

  NAVITの導入にあたっては、診療情報管理課を中心に運用に関係する外来看護師、医事課、地域医療連携室の各部門からなる計10名のワーキンググループが組織されました。メンバーは各部門内で意見を調整し、とりまとめてワーキンググループに提示します。当初は月に1回、導入直前には週に1回の頻度で会合が持たれ、2010年11月からの新システム導入に向けて、話し合いが行われました。

  外来の患者案内業務について、関係するそれぞれの部署の役割分担を明確にしました。外来看護師は診察順番管理と診察室への呼び込み業務、医事課は受付とNAVITの発行、そして地域医療連携室はNAVITの説明などを分担しました。特に患者さんにNAVITの使い方を理解してもらうために、外来の流れとNAVITの実際の画面を印刷したパンフレットを用意して、スタッフによって説明が異ならないように統一しました。


電子カードホルダー導入ワーキンググループのメンバー
前列左から、外来看護師の増井佳織係長、若月由美看護師、齊藤奈穂子看護師
後列左から、医事課の宮島慶一郎係長、渕上可奈子外来係、地域医療連携 室の坂田麻衣子係長、診療情報管理室の佐藤恵子情報システム係、建嶋優 紀課長、地域医療連携室の和田美恵総合受付係

診察の進行状況を可視化することで患者、スタッフ双方のストレスを解消

  遠藤院長は、NAVITによる運用の効果を次のように評価します。

  「これまでは、順番がくると看護師が患者さんを呼び入れていましたが、NAVITでは進行状況がわかりますし、自分の番がきたことを音と振動で伝えてくれます。NAVITのサインだけで自分から診察室に入ってくる患者さんもいます。自ら入室しない患者さんは看護師が呼び入れますが、NAVITのアラーム音や振動で立ち上がっている場合もあり、患者さんを見つけやすくなったと外来看護師は評価しています。いつ呼ばれるかわからないという不安感は解消できたのではないかと考えています」

  さらに、高齢者では名前で呼びかけても正確な本人確認ができない場合がありますが、NAVITに表示されている番号を確認することで、患者さんの誤認がなくなったとのことです。

  同院では、無線アクセスポイントを1階のフロア全域と、2階リハビリ室、3階の食堂に設置していますが、実際には患者さんは診察室の近くで待機していることが多いようです。建嶋課長によれば、「高齢の患者さんや介助が必要な方が多いのであまり移動されないようですが、余裕があれば待ち時間に食堂や喫茶室を利用できるように環境を整備しています」とのことです。

  患者さんからは、「自分の順番が表示されることで、待ち時間の見当がつくようになった」、「待っている間のイライラがなくなった」、「時間を有効に使えるようになった」、との肯定的な意見が聞かれます。特に高齢の患者さんにとっては、いまトイレに行っても よいかどうかの判断ができることが有用なようです。また、要介護の患者さんを複数連れてこられる施設の介護者にとっては、非常に便利になったと評価されています。

検査や会計待ちの情報配信など、患者サービスのさらなる向上をめざす

  現状では仮のICカードを用いているため、受付時に患者情報を登録していますが、予定されている診察券のIC化が行われれば、医事課での受付業務の軽減につながることが期待されます。遠藤院長は、「今後は、診察待ちだけでなく、検査やリハビリ、会計業務まで広げて運用していければ、院内IT化による患者アメニティの向上として一層利便性が高まります」とNAVITの可能性に期待しています。

  さらに、無線アクセスポイントを利用した位置情報を把握できる機能が追加されれば、認知症の患者さんの見守りなどへの応用も期待でき高齢者の多い施設にとってもメリットがあるとのことです。

  電子ペーパーと無線を使った新しい外来患者案内ソリューションは、これまでの案内業務のフローを大きく変える可能性を秘めています。また、電子カルテやICカード型診察券などと連動することで、運用に必要な用紙や表示モニタ、受付機などのハードウェアを削減して、省エネやCO2削減の効果も期待されます。第1号導入病院である札幌しらかば台病院での成果が製品にフィードバックされることで、さらなる進化が期待されます。

施設概要

特定医療法人康和会 札幌しらかば台病院

  • 所在地: 〒062-0052  北海道札幌市豊平区月寒東二条18丁目7-26
  • Tel: 011-852-8866
  • Fax: 011-852-8194
  • URL: http://www.kouwakai.or.jp

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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