
当社はこのほど、香川県の善通寺市様と共同で「特定保健指導支援システム」の先行研究を実施し、携帯電話を使った効果的な特定保健指導の実現性について検証しました。今回の実験の成果を反映して、今後、地域住民の健康づくりの実現と特定健診の受診率、健診後の指導実施率の向上を目指し、商品化する予定です。
(注)「特定保健指導」とは
「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、平成20年4月から「特定健診」・「特定保健指導」が医療保険者に義務づけられました。40歳以上75歳未満の被保険者に行われる健康診断の結果により、特定保健指導が実施されることになります。

指導対象者は、携帯電話から日々のデータ(食事写真、体重・腹囲、歩数等の運動実績)をサーバに送信します。保健師・管理栄養士は、WEB経由でサーバにアクセスし、一元管理された対象者のデータをもとに、対象者個人ごとにきめ細かな指導を行うことができます。
さらに対象者は、アドバイスや記録を携帯電話からいつでも確認できます。
携帯電話を使うことで、忙しい壮年層に対する指導効果を高めます。 また指導頻度を上げることができるので、励ましの効果が持続します。
Webポータル活用で、担当する対象者を増やしても丁寧な指導が できます。また在宅の保健師・管理栄養士も健康指導に従事でき ます。
対象者の日々の情報や指導内容が電子データとして保存されるため、的確な分析に基づく指導や統計処理を効率的に行うことができます。

今回の先行研究では、平成21年2月2日~3月4日の約1ヶ月間、20名の住民の方(30歳代~80歳代) にご参加いただき、4名の保健師・管理栄養士の方から、実際にこのシステムを利用して指導をおこなっていただくことにより、特定保健指導への有効性の検証を行いました。
参加していただいた指導対象者の方20名の平均で、体重がマイナス1.35kg、腹囲がマイナス2.2cmと、1ヶ月間の実績として適正と思われる数値改善が実現できました。
対象者の皆様への事後アンケートでは、
といった声を挙げていただき、携帯電話を活用した指導が行動変容に結びついている様子をうかがうことができました。
また、システムの使い勝手の面でも色々なご意見をいただくことができましたので、商品化の際の参考にさせていただき、より使いやすいシステムのご提供を目指します。
今回の実験で指導に当たっていただいた保健師様、管理栄養士様のうち、善通寺市保健福祉部の内田保健師様と林保健師様から、コメントをいただきました。

- 今回の先行研究全般について -
「生活習慣改善の取り組みは、『一人で黙々と続ける』のは なかなか難しいものです。報告する相手がいる、一緒に頑張って いる仲間がいる、というなかで楽しみながら日々の取り組みを 習慣化していける方法は効果が高いと感じました。
指導する側にとっても、一人一人の結果をグラフ化して 見ることができるなど、保健指導の『見える化』に役立つものだと 感じました」
- 携帯電話の活用について -
「集団指導、個人への訪問指導に加えて、今回のような携帯電話を活用した指導など、対象者の事情に合わせた色々な指導方法が増えることはよいと思います。コミュニケーションツールの一つとして、非常に有効だと思います。
また『携帯電話で食事の写真を送信する』という方法は、特定健診だけでなく、糖尿食や離乳食のアドバイスなどでも使えるでしょう。家庭訪問がままならないようなケースでも、食事の写真から生活の背景が見えてくることもあります。 同様の仕組みを使って限りない活用の方法が考えられるのではないでしょうか」
- システムへの今後の期待 -
「これまで保健分野でのコンピュータ利用は、事業管理が主目的だったように思います。保健師としては、今回のシステムのように一人一人の市民とのコミュニケーションをサポートするようなシステム活用が広がることを望んでいます。
また、市民ニーズが多様化し、特定保健指導ひとつとっても業務が増大しているなかで、少しでも市民と向き合う時間を増やすためには、このような仕組みを使って、資格を持っていても育児や介護で働けない仲間たちの協力を得ることも重要です。今回も管理栄養士の方のお一人には県内の研究施設と自宅から指導を行っていただきました。今後は、このような仕組みを使ったテレワークの取り組みにも期待ができると思っています」
【善通寺市様 概要】
| 所在地 | 香川県善通寺市文京町二丁目1番1号 |
| 市長 | 市長 宮下 裕 |
| ホームページ | http://www.city.zentsuji.kagawa.jp/ |