2008年2月4日
電子自治体実現の目標として国は「世界一便利で効率的な電子行政」を挙げ、「IT新改革戦略」の重点政策の一つに「国・地方公共団体に対する申請・届出等オンライン利用率を2010年度までに50%以上とする」ことを掲げています。
都道府県および市町村は、利用率アップに向けた対策を日々講じています。一方、住民・企業情報を扱うシステムとして、情報漏えい等の事故が起こらないよう堅固なセキュリティ対策も強く求められています。
このような状況のもと、自治体に関する豊富なIT導入・運用実績を持つ富士通は、電子申請の「サービス品質の維持と徹底したコストダウン」を命題とし、自治体向けソリューション「SaaS(Software as a Service)(注1)型電子申請サービス」をご提供しています。
ここからは、多くの自治体が抱える電子申請に関する3つの主要課題と、富士通が提供する「SaaS型電子申請サービス」を使用したソリューションをご説明していきます。
電子申請サービスはもともと各都道府県および市町村による共同利用を総務省が推奨するかたちで始まっていますが、それでも高度なセキュリティを維持しなければならないなど県および県下市町村にとってはコスト的に大きな負担となっていました。
昨今の自治体を取り巻く財政事情を考慮すると、電子申請サービスの整備についても限られた経営資源のなかで対応しなければならず、導入・運用費用に関するさらなるコストダウンが必須となっています。
自治体ごとに電子申請サービスを自己導入する従来型のケースでは、導入費用や運用費用(各年)の要件として、以下のようなものが挙げられます。
導入費用 | 運用費用 | その他の負担費用 |
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一方「SaaS型電子申請サービス」では、全国自治体が接続されているLGWAN(総合行政ネットワーク)に加えて、IDC(インターネットデータセンター)を共通インフラとすることにより、大幅なコスト削減を実現します。
具体的には、電子申請システムをIDCに包括的に設置することで、都道府県(および市町村)ごとにシステム整備していた仕組みを、各都道府県(および市町村)で共有・利用する仕組みへと転換することができます。これにより、さまざまな面でコスト削減に配慮可能になるため、導入費用と運用費用(約5年)をあわせて、従来の自己導入型に比べて約半額程度に抑えられます。
なお、IDCにはコールセンター(住民向け)やヘルプデスク(職員向け)などのアウトソーシングサービスもオプションとして用意されており、これらも自治体が独自に整備する場合に比べて低コストに導入運用できます。
電子申請の利用率を伸ばすためには、利用者側の住民や企業にとってニーズの高い、多種多様な申請や届出をタイムリーに電子化することが必要であり、しかも、ユーザー側が利用しやすい仕組みで提供することが重要です。また、そもそも電子申請サービスの存在を多数の人に知ってもらうことも大事になってきます。
富士通の「SaaS型電子申請サービス」では、以下のような特長や機能を備えて、電子申請の利用率アップへと結びつけています。
利用者ニーズのある、多種多様な電子申請をすばやく揃えることができる
「自動車税の住所変更届」「講座申し込み」「児童手当現況届」「入札参加資格申請」など、多彩な電子申請をすみやかに取り揃えることで住民密着型サービスへとつながり、電子申請の利用率向上が望めます。
富士通の「SaaS型電子申請サービス」では申請様式の作成や手続きに2つの方法(注2)を用意しています。アンケートなどのシンプルなものから本人確認や代理申請、決裁への対応を必要とする複雑な様式のものまで、様式の要件レベルにあわせて迅速に職員が自ら作成できる方式を提供しており、住民ニーズに適する電子申請のラインナップを継続的に行うことが可能です。
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いつでもどこでも申請できる/携帯電話で申請できる
自治体のホームページにアクセスできれば、24時間365日どこからでも申請できる――これは、住民にとって高いメリットの1つであり、「講座申し込み」や「施設予約」といった手軽に電子申請できるものは、特に利用率が高いという調査結果も出ています。
また「簡易受付(注2)」については携帯電話からの電子申請ができるため、2次元コードを活用することでモバイル申請へ誘導、利用促進を図ることが可能です。これら2次元コードの多彩な展開により、利用率アップへの直結も期待できます。
電子申請・届出のセキュリティについては、住民の個人情報や企業の情報を扱うなど、機密データのやり取りが発生するため、情報漏えいなどの事故が絶対に許されない、高度かつ堅牢なセキュリティ対策が要求されます。
富士通の「SaaS型電子申請サービス」では、従来、自治体ごとに担うことの多かったセキュリティ対策への対応を、IDCにおいて一元的・包括的に実施します。IDCは施設自体が高いセキュリティレベルに維持されております。また、セキュリティパッチの更新を非常にスピーディーに実施するなど、堅固なセキュリティ状態を絶えず最新状態に維持することが可能となります。電子申請サービスでは、「SLA(サービスレベル定義書)」にそって常に最新情報に基づいたセキュリティ対策を講じるため、自治体は常時安心・安全な電子申請・届出サービスを住民に提供することができます。
LGWANとIDCの活用をベースとする富士通の「SaaS型電子申請ソリューション」は、従来の自己導入型と同レベル以上の多彩な電子申請サービスを提供し、また高度なセキュリティ対策も維持しながら、従来の約半額という導入・運用管理費でそれらを実現します。
加えて、電子申請の利用率促進においては、自治体内の業務システムとのシームレスな連携(たとえば、入札参加と資格申請と業者管理システムの連動)が必要不可欠であると考えます。富士通のSaaS型電子申請サービスは、コスト削減、住民・企業の利便性向上のみならず、自治体内における業務の効率化に注力しています。
『ながの電子申請サービス』では、SaaS型電子申請サービスによる多様な申請と、独自のユニークなアイデアで、電子申請率の向上に寄与しています。