電子入札化100%により、リスクと事務負担を大幅に軽減

京都市様 電子入札導入事例
京都市様では、平成17年11月に電子入札導入と合わせて来庁型入札システムを導入した結果、平成19年度には調度課で執行するすべての入札案件(工事、測量・設計、物品)の電子化を実現し、職員事務工数の削減に成功されました。
調度課の長村様にお話をうかがいました。
[ 2008年7月8日掲載 ]
| 概要 | |
|---|---|
| 業種: | 地方自治体 |
| ソリューション: | 公共事業ソリューション |
入札業務の100%電子化により事務負担を大幅に軽減
京都市様では、電子入札と紙入札の並行運用を撤廃すべく、来庁型電子入札端末システムを導入されました。
多くの自治体が電子入札参加が難しい業者の為に紙入札運用を残している中、市役所に設置してある端末で入札処理を可能にすることで、業者の環境設置費用やパソコンスキル不足の問題を解決しました。これにより、紙入札との並行運用は行わず、職員の事務負担軽減に成功しました。
| 課題と効果 | ||
|---|---|---|
| 1.入札の透明性や公平性の確保 | 1.応札業者同士、職員との接触の削減による不正防止と、公告のWeb公開による公平性の確保 | |
| 2.入札参加業者の費用負担の軽減 | 2.庁舎内に電子入札端末を設置することで、業者の負担を無くし、電子入札参加への壁を撤廃 | |
| 3.入札業務の効率化 | 3.紙入札との並行運用を完全排除し、職員の事務負担および精神的負担を大幅に軽減 | |
セキュリティレベルを保ちつつ電子入札の普及を実現

-来庁型電子入札端末システム設置の一番の目的は何ですか?
電子入札導入の最大の目的は入札の透明性や公平性を確保することにありますが、入札業務の効率化もその目的のひとつです。それには、紙入札を無くすことが必要です。
紙入札が存続する限り、結果の入力などの事務が発生し、事務の効率化につながりません。
紙入札から電子入札への移行においては、インターネット環境やICカードの導入にともなう費用負担や、パソコンの操作に不慣れな業者にいかにして電子入札に参加してもらうかが大きな課題になります。
京都市では、磁気カードを使って簡単な操作で電子入札が行えるパソコン端末を市庁舎内に設置することで、その課題を克服しています。
電子入札コアシステム(1)においても、少額物品においてはID/パスワード方式の簡易認証を提供していますが、普及促進のためにセキュリティレベルを下げるのは本末転倒です。
京都市では、磁気カード発行の際、カード発行申請書に実印を押印してもらい、業者登録時に提出されている印鑑証明書の印影と照合しています。
入札時には、磁気カードとパスワードで、銀行のキャッシュカードと同じレベルのセキュリティを保っています。
有形の磁気カードと無形のパスワードの組み合わせですから、ID/パスワード方式と比べて高いセキュリティと言えますし、入札端末自体も職員の目の届くところに設置してあり、防犯用の監視カメラも 設置してあるので、不正な利用が行われたとしてもすぐに気づくことができます。

紙入札の混在による職員代理入力を完全に排除

-来庁型電子入札端末システムの利用状況、導入効果はいかがですか?
物品入札では、7~8割の業者が入札端末機を利用されています。
工事では電子入札が比較的普及していますが、それでも5割弱の業者はこの端末機を利用しています。
来庁型電子入札端末システムの導入によって、WTO案件(2)の一部を除くすべての入札案件が電子で処理できるようになったため、職員負荷の軽減につながっています。
京都市では物品入札だけでも1日に数十件あり、紙入札時は職員が2,3人かかりきりで入札対応した後、その結果を財務会計システムに入力しなければなりませんでした。
それが対象案件の100%電子化を実現したことで、職員は開札処理をクリックするだけで、入札結果が電子データとして財務会計システムにも連携されるので、非常に助かっています。
今年度(平成20年度)も、4月現在で入札済の件数は1,000件を超えています。
紙入札が混在すると、結局その結果を入力する作業が残るので、特に案件数の多い物品調達まで電子化できたのは大きな成果です。
誰でも扱える簡単な操作

-利用者の反応はいかがですか?
いい反応をいただいているようです。
現在入札端末が9台、入札公告閲覧用に1台、チュートリアル(電子入札練習用)を1台設置しており、利用状況をみて稼働台数を調整しています。
混んでいてすべての端末がふさがることもありますが、行列になるようなことはありません。
使い方についての質問もほとんどあがってきません。それだけシンプルな仕組みなのです。
通常のキーボードを無くし、「カードリーダー」「金額入力用テンキーボード」「選択用マウス」という最小限の入力機のみを接続し、できるだけ簡単な操作環境としています。
また不正利用防止のため、職員の目が行き届くところに設置することにしているため、現在は本庁舎の調度課だけに設置しています。
談合の防止と職員負担の軽減
-電子入札のメリットとして「応札業者が顔を合わせないので談合につながりにくい」と言われますが、来庁型入札端末システムでは談合の心配はありませんか?
電子入札の場合、一定の応札期間を設けておりますので、実際には業者が一堂に会するような機会は生じにくいと考えています。
京都市では、すでに工事の指名競争入札は廃止しており、物品の公募系の入札においても、どの業者が入札に参加しているのかは開札するまで職員でも分からない仕組みにしています。
入札案件の公告はすべてWEBで公開しており、パソコンからだけでなく、携帯電話からも閲覧できるようにしています。 以前は、入札案件について対象ランクの業者に職員が直接電話で通知していましたが、WEB公開に切り替えたことにより職員と業者の接触が削減されました。これらは入札の公正な手続きを保証するものですが、職員を談合にからむトラブルから守ることにもつながります。
また、紙入札にともなう職員の代理入力はミスが許されない業務ですが、事業者自らが入力した金額がそのまま結果として反映されるので、職員の精神的負担も軽減されています。
さらに、平成19年度末から工事について事後審査型の一般競争入札を導入しました。
これは開札後に入札参加資格審査を行うもので、審査にかかる職員の事務負担を大幅に軽減できます。
来庁型入札システムを利用する場合には、添付書類は別に設ける専用のポストに投函してもらう運用を行っています。
開札時までは職員にも応札業者が分からないような形式をとっていますので、より透明性の高い入札手続きを実現しています。
今後の予定と課題
-来庁型電子入札端末システムも含めた今後の電子調達システムの拡充予定や今後の課題についてお聞かせください。
来庁型入札システムについては、ICカードを利用した本来の電子入札が普及するまでの経過的な措置と考えています。
その過渡期がどれだけ続くのかは分かりませんが、来庁型入札システムを廃して、非効率な紙入札との混在運用を始めることはできないので、ICカードの普及が進むまで,しばらくは来庁型入札システムを継続運用することになるでしょう。
現在は本庁のみに設置していますが、平成20年度中には、同様に契約部署を持つ上下水道局および交通局にも設置を予定しています。
課題としては、すべて電子化できたことによってシステムの処理量が増え、コアシステム部分の処理能力が限界に近づいてきたことです。
これについては、今後のコアシステムの改良に期待します。
- 1 電子入札コアシステム:
- 公共発注期間において適用可能な、汎用性の高い電子入札システムのコア(核)となる標準システム。JACIC(財団法人日本建設情報総合センター)・SCOPE(財団法人空港建設技術サービスセンター)が共同で設置したコンソーシアムで開発。
- 2 WTO案件:
- 政府調達協定(WTO)の案件であり、郵送での入札受付窓口の設置が義務付けされている。
【京都市様 概要】
| 所在地 | 京都府京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地 |
| 代表者 | 京都市長 門川大作 |
| ホームページ | http://www.city.kyoto.lg.jp/ |

