世界に先駆け、財務文書ディスクロージャーシステムにXBRLを導入
金融庁様 導入事例

金融庁EDINET※1においてXBRL※2技術を導入し、システム構築を行いました。
これにより投資家やアナリストにとって、開示された財務諸表データの加工や分析が容易になるほか、提出企業にとっても、XMLをベースとしたXBRL言語で、会計システムなどの自社既存システムとの連携が可能になります。
[2009年2月20日掲載]
| 導入事例概要 | |
|---|---|
| 業種 | 官公庁 |
| ソリューション | XBRLソリューション |
| ソフトウェア | XBRLミドルウェア Interstage XWand |
※1 EDINET: Electronic Disclosure for Investors' NETwork
『金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム』
※2 XBRL: eXtensible Business Reporting Language
企業の財務情報を迅速に把握し、再利用しやすくすることを目的に開発されたXML形式の言語であり、米国公認会計士協会を中心に開発され国際標準として普及が進んでいます。
導入の背景
財務報告システムの標準化、XBRLの導入にむけて
グローバル規模で財務報告制度のあり方についてさまざまな検討が行われており、財務データの国際間での完全互換を実現すべく、各国でXBRLの標準化組織である「XBRLコンソーシアム」を中心にXBRL導入に向けた活発な議論が行われてきました。中でも日本の各公的機関は世界に先駆けて積極的にXBRL対応に取り組んできました。
- 金融庁(2008年 有価証券報告書等の財務諸表をXBRL形式により提出することを義務化)
- 東京証券取引所(2003年 XBRLの試験採用を開始、2009年 決算短信などで本格導入)
- 国税庁(2004年 法人税の申告の際に添付する財務諸表にXBRLを採用)
- 日本銀行(2006年 金融機関からの月次財務報告用にXBRLを利用開始)
企業財務情報の開示に利用されるEDINETシステムは、『有価証券報告書等に関する業務の業務・システム最適化計画』に基づき、金融安定化を図る目的でXBRLを導入しました。
システムの概要
世界に先駆けたXBRLディスクロージャーシステム
EDINETは、財務文書のオンライン提出、またWeb上での閲覧を可能にしており(上場会社等約5000社、ファンド約3000本が開示の対象)、高可用、大容量プラットフォーム(UNIXサーバ、IAサーバ、ストレージなどにより実現)の導入や、ネットワークインフラ/サービスの採用により、高負荷時での安定処理性能(レスポンス)や24時間365日の安定稼動を実現し、利用拡張も可能なシステム環境となっております。
XBRLの導入により、財務データ自体に、詳細情報(会計上の定義など)がタグ付けされ、閲覧者は開示されているデータを利用、分析することが可能になり、データの利便性および、直接金融の信頼性が飛躍的に向上しました。また中核ソフトとして、当社のXBRLミドルウェア「Interstage
XWand※3」を採用しているため、XBRLの最新技術仕様「XBRL 2.1 Specification」に対応しているのはもちろん、提出されたXBRLによる財務諸表から、自動的に法令に準拠したHTML形式の財務諸表イメージを作成できるなど、EDNIETシステムは、世界でも先進的で優れた情報開示システムとして、全世界から注目を集めています。
※3 Interstage XWand: 富士通が提供するXBRLミドルウェア製品
なお、当社では、財務報告データ作成ソフトウェア「XWand Tool for EDINET」も併せて販売しており、提出者の方が「EDINET」新システムへ財務諸表を提出する際、高度な知識を必要とせず、容易にXBRL形式の財務諸表を作成できるよう支援しております。
導入の効果
財務データの加工、スピーディーな分析が可能に
XBRLの導入により、企業が提出する財務諸表の正確性が高まるとともに、提出された財務データを報道機関、アナリストおよび投資家が自由に加工・分析できるようになります。
財務情報に高度な加工・分析する手段が与えられることで、閲覧するための財務諸表から、利用できる財務諸表へシフトし、これにより幅の広い高水準な投資活動の促進、金融証券市場の透明化が期待されています。
有価証券報告書等のXBRL化を契機に、企業内では財務諸表作成の部門だけで無く日々の取引等のデータからXBRLで作成し、財務報告用のシステムと連携させるなど、財務管理などの社内マネジメントの効率化や適正化、内部統制管理の効率化を含めた、全社的なシステム改革が進むことが期待されます。企業内システム間のデータ連携をXBRLで実装できるだけでなく、経営戦略に係る財務情報を迅速に入手することが可能になります。
将来の展望
金融不安により高まる財務情報の透明化、世界に波及するXBRL
世界規模での金融危機により、企業財務情報の即時性と情報自体の透明化がますます求められてきています。そんな状況下において、米国証券取引委員会(SEC※4)も従来の財務情報開示システムを、XBRLを採用したIDEA※5へと移行すると発表したことより、(初年度は時価総額50億ドル以上の大会社500社程度、2年目以降は米国内外のUSGAAP※6(米国会計基準)を採用した報告書を作成する全企業が対象となる)、また将来的には欧州(国際会計基準)などを含めたグローバル規模での波及が予想されています。
今後は、各国ディスクロージャーシステムの技術的な整合性や、国際間での会計基準の差異などを埋め、相互運用性の確保を図るなかで、XBRL対象範囲の拡大や利用促進を目指す必要があります。そのために富士通もこれまでのXBRLにおける実績を活かすべく、最適なソリューションを提供し続けたいと考えております。
※4 SEC: Security and Exchange Committee
※5 IDEA: Interactive Data Electronic Applications
※6 USGAAP: Generally Accepted Accounting Principles in the United States
