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戦略経営管理ソリューション「SMS」

金融ビジネスのベストプラクティスを実現する
戦略経営管理ソリューション「SMS」

規制緩和が早くから進んだ欧米の銀行では、ROEからEconomic Profit、EVAへと経営指標が変化しつつあります。こうした流れは今後日本の銀行にも波及すると考えられており、新しい経営環境を早期に築き上げることが急務となっています。

こうした課題に応えるのが、富士通の戦略経営管理ソリューション「SMS(Strategic Management Solution)」です。経営管理を収益管理・リスク管理・コスト管理の三つの観点から総合的に行うことで、戦略的な経営が実現します。

最新の経営管理手法を駆使し収益力の向上を図る「SMS」

ソリューション事業本部
ファイナンシャルソリューション部
保坂 晴久

一般企業と同じく、銀行においても戦略的な経営の実現は最優先の課題です。特に金融機関においては、それぞれ自分の強みを活かせる業務分野とマーケットに対し、「選択と集中」による経営が求められるようになっています。

「これからの日本の銀行は、収益力向上にいかにして取り組むかが課題です。それには新しい時代に対応できる経営管理システムを駆使した新しい経営が、求められているのです。具体的には、リスク計量手法の高度化、ABCによるコスト把握の精緻化による収益管理の強化及びそれを実現するオープンシステム環境によるシステムインフラです。」(システム本部 第一システム事業部 第三ソリューション開発部 部長の保坂晴久)

富士通の戦略経営管理ソリューション「SMS(Strategic Management Solution)」は、こうした経営管理に関わる様々な課題を、最新の管理手法や最先端の金融工学を用いて解決するソリューションです。SMSを導入することで、銀行はコストやリスクを正確に定量化し、収益力の高い経営環境を確立することが可能になります。

もっともコストやリスクを定量化するためには、取引の内容を正しく把握することが必要です。そこでSMSは勘定系システムや業務系システムなどの基幹システムから生データを取得し、リスク管理・コスト管理・収益管理の三つの観点から管理いたします。これは経営戦略の策定や業績評価、情報開示など、経営管理業務の効率化に絶大な効果を発揮するものです。

シミュレーションによる確実なリスク管理を実現

金融営業本部
金融ソリューションビジネス推進部
菅井 正

SMSではリスク管理ソリューションとして、マーケットリスク管理システム「Risk Director」、信用リスク管理システム「Credit Map」、それに新しいALM(Asset Liability Management)システムである「ALM Director」の三つを用意しています。

リスクを予測する元となるデータは、フロントオフィスシステムとバックオフィスシステムの両方から取得する取引データ、そしてロイターやテレレートなどの相場情報です。Risk Directorはこうした要素を収集してシミュレーションを実行、VaR(Value at Risk)を算出します。これによりマーケット変動に対する正確なリスク管理が実現し、さらに適切な自己資本額も把握できるようになります。

信用リスクの管理は「Credit Map」が担当します。融資先の倒産に伴う貸し倒れなどは、金融業務を行う上では避けがたい面もあります。しかしシミュレーションを行うことで、将来どれくらいの損失が発生するの可能性があるのか予測することが可能です。

信用リスクには、期待損失額と最大損失額の二種類が定義できます。期待損失額は、長期的な視野で見た場合に平均的に生じるであろう損失額です。これに対しては貸倒引当金を用意してカバーする必要があります。

これに対して最大損失額は、統計数学的に考えて最悪の状況が発生した場合の損失額です。いわば不況が長期化して、倒産する企業が続出したような場合に蒙る損害額です。債務超過に陥らないためには、これをカバーできる自己資本を用意しておくことが必要です。

信用リスクを算出するために、Credit Mapは企業の格付推移確率や業種間・企業間の相関関係データなどを取得しておきます。その上で企業の格付の上下推移を集計すると、格付ごとの全体的な傾向が把握できます。これは不動産と建設といったように、関係性の強い業種・企業に関しても同様です。

「こうした条件を元にシミュレーションを行うと、取引先の倒産などで将来貸し倒れを招くリスクがどれくらいあるのかが把握できます。もちろん、個別の企業の将来を予測することはできませんが、特定の業種において何%くらいの損失が発生し得るといった結果は得られます。それをもとに金利の設定などを行えば、信用リスクを適切に管理することが可能になるのです。」(金融営業本部 ソリューションビジネス推進部 営業課長代理 菅井 正)

ALM Directorは、預貸金,資金・証券,デリバティブ等の資産・負債や収益の状況をさまざまな切り口で把握するのに役立ちます。金利シナリオ・残高シナリオ・付利シナリオ、顧客行動シナリオなど様々な条件をシナリオとして作成。これを元にモンテカルロ・シミュレーションを行うことで、現在の収益構造やその要因、VaRや経営指標などを算出することが可能になります。金利の変動によってどれくらい銀行の収益が増減するのか、期間収益はどれくらいになるかといったことが、支店別・顧客別・商品別などで分かるのです。次項で触れるABC/ABM手法を合わせればさらに精度の高い収益・リスク管理が可能です。

最近は資産や負債の状況、リスク管理について、国や監督省庁が指導を強化する動きも出ています。これは国際的に見ても同様です。今後はこうした高度な経営管理ソリューションの必要性がますます高まることになるでしょう。

ABC/ABMに基づいた高度なコスト管理/収益管理を実現

SMSのコスト管理ソリューションの特長は、ABC(Activity Based Costing)の手法を取り入れた点にあります。ABCは活動基準原価計算と訳される通り、業務や商品の原価を求める際に「活動」という概念を用います。人件費や固定費などの経営資源、それにテラーが店頭で取引をする、渉外担当者が顧客のところに訪問するといった活動を集計し、これを顧客や商品、チャネルなどの原価計算対象が消費するというのがABCの基本的な考え方です。これにより、間接費のコスト構造を正確に分析し、製品や部門に対して適切に配賦することができます。さらに現在の業務プロセスが抱える課題や、商品の採算上の問題も明らかにすることが可能です。

さらにこのソリューションは、適切な商品戦略やチャネル戦略を実現する上でも有効です。コストが掛かりすぎている商品やチャネルは減らし、収益率の高いものは伸ばすといった判断が適切に行えます。従来は部門ごとに集計されていたコストを業務プロセスの観点から分析できるようになるので、これを元にして BPRを行うことも可能です。つまりABM(Activity Based Management)の実践が可能になるのです。

「特定の業務をアウトソーシングしようと考えた場合なども、従来はどれくらいの費用が妥当なのか判断する術がありませんでした。そもそも、その業務のコストが把握できなければ、アウトソーシング費用を適切に見積もることはできません。これに対して、ABCによって正確なコストが算出できれば、アウトソーシング費用はこの金額以下でないと意味がないといった判断が行えるようになるのです。」(菅井氏)

このコスト管理ソリューションは米国Armstrong Laing(アームストロング・レイング)社の製品をベースとしており、富士通が日本語化してリリースいたします。オリジナルの製品は米国で既に600社以上の導入実績を積んでおり、特に金融機関では第一のシェアを誇っています。その中にはBank of AmericaやCitibankのようなメガ・バンクから中小規模の銀行まで幅広い金融機関が含まれています。これは多面的な分析をきめ細かく行える点が評価されたことによるものだが、こうしたメリットは日本の金融機関においても大いに有効です。

収益力向上と健全性の確保を総合的にサポートする

SMSには経営管理に関わるソリューションがすべて含まれています。これはリスクやコスト、収益をトータルに管理しなければ、真に戦略的な経営は実現しないからです。リスク管理やコスト管理のソリューションを単体で利用するだけでは、金融機関が抱える実際の課題はなかなか明確にはなりません。

しかしSMSを導入すれば、コストやリスクに対する収益を定量的なデータに基づいて把握することが可能になります。さらに高度なシミュレーション機能によりさまざまな状況を予測・分析出来ます。もちろん、人間の勘や経験に頼らない金融工学の手法によるモンテカルロシミュレーションも可能です。その結果、業務の大幅なBPRを行う、利益の大きな商品を重点的に販売するといった施策が、定量化した形で明確に経営者に示す事が出来るようになるのです。さらにはマーケティングなどのソリューションと密接に連携していくことも可能です。SMSが「戦略経営管理」を名乗る理由は、ここにあるのです。

もちろん経営に深く関わる部分だけに、単に製品を提供すれば済むというものではない。そこで富士通では、戦略経営を実現するためのコンサルティングも含めて提供いたします。SMSは、これからの時代を勝ち抜く金融機関の経営を支える基盤ソリューションとして機能するのです。