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導入事例 広島銀行様 2

手のひら静脈認証を採用した「生活密着型カード」

手のひら静脈認証導入の経緯

―――最初、この手のひら静脈を導入して頂いたと言う事で、お客さまが被害とかに遭われたのかなと思っていたのですが、そういう経緯ではないのですね?
永澤氏:経緯は違いますね。
木村氏:言葉で言えば「先見の明が有った」という事ですけど、セキュリティニーズというものが、これから銀行取引をして頂く中でも、相当、ウエイトが高くなる。お客さまが取引行を選択する比較の一つになるとは考えました。

―――例えば、生体認証を使わなかった場合のセキュリティとしては、別の手段を考えていらしたのですか?
木村氏:補償、保険ですね。
永澤氏:未然にという事にはならないのですけど。
木村氏:今、預金の補償の問題といったら、いろいろなメディアで賑わって、もう、補償しなくてはいけないというかたちになっていますよね。そうなってくると、この、手のひら認証が必要だったのか、そうでなかったのかというのも、一つの議論かもしれません。ただ、私どもは、お客さまに安心感を持って頂くための一つのサービスとして良かったのではないかと思っています。
永澤氏:補償、保険の場合は、ご本人さまが気づかれない場合は逆に、被害に遭われたままというのもありますし、やはり、私どものスタンスとして、どういうかたちで被害を未然に防ぐ事ができるのか、ということを考えることが重要と考えています。まあ、保険があるじゃないかっていうと、それはもうどちらかというと割り切りの話だと思います。
木村氏:経営者からも、この安全性を高める部分のところは、思い切ってやろうという話があり、心強く思いました。

手のひら静脈認証装置が付いたATM

―――本店営業部のATMコーナーを拝見させて頂いたら、沢山手のひら静脈認証の付いているATMが並んでいて、感動でした。
木村氏:そうですね。私どもは、営業店のATMコーナーでは、半分以上は手のひら静脈認証を付けています。ですから5台あるところは3台とかですね。主要なターミナルの所にはつけておりますので、設置台数の率からいうと、かなり良いのではないですか。

―――短期間の間でこれだけの台数を設置していただけたというのは、びっくりしました。
木村氏:実質、2005年3月の1ヶ月で全店展開しました。

―――最初から複数台設置という方針で計画をされていたのですか?
木村氏:そうですね。どうせやるなら、店に1台あるだけでは、意味が無いかなと思いまして。やはり何台もあるから、お客さまにご利用いただけるのであって・・・。それでやって良かったのではないかと思っています。まだまだ、これからですが、お客さまにさらに訴求していくための検討を続けていかないといけないのですけど。

―――窓口での本人確認ではお使い頂いているのですか?
木村氏:それは今後の話になると思います。いろいろな運用ができると思いますね。貸金庫の鍵であるとか、店頭で手のひら認証を使ってお取引頂くとかですね。いろいろと拡がると思うので、新商品の機能向上に検討できる製品だと思います。費用についても、初期投資以上にかかることはないと思いますしね。
永澤氏:手のひら認証サービスを、今回はバリューワンに使ったという認識でおります。違う使い方もあるのだろうと思います。

豊富なカードの種類

―――バリューワンのカードは4色用意されておりますが、この理由というのは?
木村氏:生活密着型のカードとして、ずっと持って頂きたく考えておりますので、1色だけのカードを当行が用意しただけでは、ご満足頂けないお客さまもいるのではないかと思いまして、4種類ご用意させて頂きました。好きなものなら、お持ち頂けるのではないかと。

―――特に20代、30代の方って、カードのイメージで持ちたいとか持ちたくない、というのもあり得ると思いますね。
木村氏:お持ちいただき、お使いいただきたいという思いでおりますから・・・。

―――カードを持つ時に、多分、自分が気に入っているカードでないと、沢山あるカードの中からは、選ばれないと思いますね。
木村氏:その通りだと思います。でも、そのために事務が少しだけ面倒になっているところもあります。色を間違えてお渡ししたらいけませんから。ただ、お客様のニーズの点から考えると、やって良かったなと思っています。
永澤氏:お客さまが選ばれる色は、面白いくらいに分散していますね。まあ、青をPRで使っているので、青が一番多いですけど。
木村氏:次に赤。グリーン、シルバーが同じくらいですかね。

―――性別によっても違いますか?
木村氏:女性は赤を選ばれる方が多いですけど、男性でも赤を選ばれる方も沢山いらっしゃいます。

―――選べる事によって、カードに対する親密度が変わってくると思いますよね。
木村氏:そう思いますね。お客さまが選ばれる色ですので・・。色の種類としては、もっと軽い感じのピンク系とかオレンジ系、黄色系なんかがあっても良かったかなと思っています。

手のひら静脈の認証を行なっている様子

―――どうやってこの4色を決められたのですか?
木村氏:いろいろな色を出して、行員だけになりましたが、どの色がどう人気があるのかを調査しました。
永澤氏:基本はコーポレートカラーの青だけの予定でした。何社か、デザインの提案をして頂いて、色を増やすというのは、後から出て来たのです。このデザインで決まりましたので、どうしても軽い感じのカードにはならないですよね。
木村氏:ちょうど、黒っぽい色のカードが流行りだした時期でもあり、高級感があるということで、行員にアンケートを取って決めたという次第です。

―――私が選ぶなら、間違いなく赤ですね。多分、シルバーなんかだと、他でもありそうだし・・・赤ってちょっと素敵かな・・・って。
木村氏:ゴールドカードはいかがでしょう?(笑)

―――ETCカードと兼用とありますが・・・
木村氏:ETCは別のカードになります。ETCの専用カードを、お客さまのご希望があれば、お渡ししています。

―――そこまでが、このバリューワンという商品のサービスの1つとなっている訳ですね。
木村氏:ETCカードは、車の中で使いますので、バリューワンのカードと分けておいた方が、お客さまの利便性とセキュリティを確保できるかなと考えまして、別のカードとさせて頂いています。

手のひら静脈認証を使用したニュービジネス

―――新たな商品体系のなかで、多機能カード、そしてそのセキュリティ面で手のひら静脈をご採用頂いたと思うのですが、今後、手のひら認証を使ったものの企画はありますか?
木村氏:これからですね。まずICキャッシュカードを発行して、それに手のひら静脈認証をつけて、ローンやクレジットは不要、というお客さまのニーズにお答えするのが第一かなと考えています。そこから、どういったサービスのバリエーションを拡げていくかが課題です。
永澤氏:あとは、今度のクレジットカード会社さんのインフラのお話になるかと思いますが、クレジットでも手のひら静脈認証が使えるようになれば面白いな、と思っています。私どもは、まさにキャッシュカードとクレジットカードの一体型カードを取り扱わせて頂いていますので、そういうのができるようになったら理想だなと。
木村氏:これは実現できるか解りませんが、ニュービジネスとして、バリューワンのカードをマンションの入退出なんかにも使って頂ける様な事も斬新かな、と思っています。まだまだアイデアの段階ですが・・・。

―――私どもの手のひら静脈を選ばれたご理由を伺えましたら・・。
永澤氏:やはり、既に導入済の金融機関様がいらっしゃるということ。それと、私どもはこの4月に発表したかったもので、その4月に稼働出来るのが、富士通だったという点でしょう。他の生体認証方式の場合、手のひら静脈認証に比べ、抵抗感をお客さまに与えてしまうなどがありました。その他、認識についても、手のひら静脈認証のほうが優れていることがポイントでした。手のひらだとあまりケガをすることもないですし。
あと、希望ですが、私ども銀行界では、早く互換性や統一の規格が出来ないかな、と思っております。

今後の課題

―――実際にお使いいただいているお客さまからは、ご評判等はありますでしょうか。
木村氏:まずは、安心して使えるな、ということと、奥さんに渡せなくなったな・・というご意見を耳にいたします。それと、行員からの意見では、このカードを持っていると、ある意味ステータスを感じるというのがありました。
永澤氏:いかにも高額の預金があるように見えるからでしょう。(笑)

―――そういうイメージはありますね。
永澤氏:今後の課題としては、やはり登録時、お客さまに店頭に来ていただかなくてはならないという点を改善出来ればと考えております。
情報管理も課題にはありますが、オフラインで登録出来るのが良いのでは、と思っております。今後本当にアピールしていくのであれば、登録機も営業店毎に増やさなければならないですし。今もカード郵送の際、『登録の際はご来店願います』というチラシを入れておりますが、そこがさらなるカード普及への鍵だと思っております。簡単に登録…が必要だと。しかしながら、簡単すぎると本人確認の問題もあり、そこが難しいところなのです。現在の本人確認は念には念を、となっており、まずはカードがないといけない。印鑑、本人確認の資料がないといけない。暗証番号までないといけない。そのような細かい点まで確認が必要です。しかしながら、これからもますますスピードアップして、新たな取り組みにチャレンジしたいと考えております。
木村氏:これからさらにマンパワーをかけて、カード普及率を高めていくようにいたします。

―――みなさん、たくさんのクレジットカードをお持ちですからね。
永澤氏:このカードは多機能カードですので、店舗網という一つのチャネルを利用して、お客さまに、行員からご説明してご加入いただくのがベストだと考えています。単なるクレジットカードではなく、ATM時間外手数料が無料になるのも魅力の一つなので、その点をご理解いただければ、さらに普及していけると思っております。他にはキャッシングの利率が通常よりお安くなるのもアピールポイントになりますね。今後は、手のひら認証を使った安心なセキュリティサービスを中心に、魅力溢れるカードにしていけるよう努力し続けて参ります。

[取材日 2005年9月22日]

COMPANY DATA

社名:広島銀行
本店:〒730-8588 広島市中区紙屋町一丁目3番8号
創業:明治11年11月
資本金:545億73百万円
代表者:取締役頭取 高橋 正
従業員数:3,114名(平成17年9月30日現在)
ホームページ:http://www.hirogin.co.jp/