Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

導入事例 カブドットコム証券株式会社様

証券取引電子化を支援する先進証券業務システム
「MetaOffice(R)/Securities」
価格競争には距離、意欲的なサービスで勝負

カブドットコム証券株式会社
執行役員
齋藤正勝

オンライン証券の利用者が急増。顧客獲得競争が起きている。顧客満足度調査で常に上位を記録するカブドットコム証券株式会社に、利用者本位のきめ細かいサービスを実現してきた秘訣を聞いた。

顧客満足度を重視

日本初、オンライン証券同士の合併

証券取引における手数料が完全に自由化され、インターネットを使った証券取引サービス、いわゆる「オンライン証券」が急激に契約口座数を伸ばしている。近い将来、証券取引全体の4割程度をオンライン取引が占めるという声もある。

さらに、年金制度が改革され、日本版401kプランが導入されれば、国民の多くが株式投資をより身近なものとして意識するようになる。今後、株式投資を初めて経験する人々が急増したとき、24時間いつでも家に居ながらにして取引ができ、手数料も格安なオンライン証券の人気は、さらに増大することは間違いないところだ。

オンライン証券躍進の一翼を担っているのが、カブドットコム証券である。2001年4月1日、イー・ウイング証券と日本オンライン証券の合併によって誕生した。イー・ウイング証券は、三和銀行グループの金融分野における総合力と、つばさ証券の投資信託をはじめとする商品力に強みを発揮してきた。一方、日本オンライン証券は、伊藤忠商事の幅広いチャネルビジネスをバックに、非金融業界から参入したベンチャー企業ならではの機敏な決断力で、新規ビジネスの世界を切り開いてきた。

「日本のオンライン証券が合併するのは初めてのこと。通常の証券会社の合併なら、1~2年かけて、店舗を統合していかなければならない。われわれは、合併が決定してから4カ月という異例のスピードで、合併会社としてのサービスを開始できました」と、カブドットコム証券株式会社 執行役員齋藤正勝氏は語る。

カブドットコム証券は、金融業界のブランド力や総合力に頼らないベンチャー企業でもある。むしろ、店舗、社員、顧客といった資産を持たない「ゼロ」からスタートしたことに誇りを持ち、未知の市場制覇に意欲を燃やしてきた。

「カブドットコム証券のシステムは、既存の店頭システムをWeb化したものではなく、インターネットビジネスのためにゼロから開発したもの。だからこそ、合併にあたっても、両社のデータを統合し、インターネット上の画面を変更するだけで、サービス統合ができました」と齋藤氏はベンチャーマインドを強調する。

リアルタイム処理システムが人気呼ぶ



富士通株式会社
第一システム事業部
第二ソリューション開発部
プロジェクト課長
菊池公男

カブドットコム証券の成功を支えているのが、富士通のキャピタルマーケットソリューションである。

金融業界のシステムと言えば、メインフレームをベースに、長い期間をかけて開発するものというイメージが強い。これとは対極のインターネット証券取引システムというニーズに応えたのが、富士通のキャピタルマーケットソリューションであり、証券バックオフィス業務パッケージ「MetaOffice(R) /Securities(「メタオフィス」)であった。

「キャピタルマーケットソリューションは、有価証券の発行・流通市場の分野、いわゆる直接金融の分野を対象にしたソリューション。市場参加者個々の業務をサポートするのはもちろん、それぞれの業務システムを電子的に接続し市場全体の合理化を図ります」と、富士通株式会社 第一システム事業部第二ソリューション開発部 プロジェクト課長 菊池公男は説明する。

キャピタルマーケットソリューションには、グローバルな証券電子取引プロトコルであるFIXプロトコルに対応した富士通FIXソリューションをはじめとした証券コネクティビティソリューションなどさまざまなサービス・商品がラインアップされている。なかでも「メタオフィス」は、証券会社のバックオフィス業務をサポートする業務ソフトウェアパッケージとして完成度が高い。

カブドットコム証券が「メタオフィス」を採用したのは、日本オンライン証券が設立された1998年にさかのぼる。

選定のポイントは三点挙げられる。

第一に、オープンシステム上で堅牢な証券バックシステムを構築できるのは、「メタオフィス」だけだった。「他のソリューションは、既存の営業店システムにインターネット接続する機能しか提供していなかった。われわれが欲しいのは、最終的にメインフレームで完結するシステムではなく、変化の激しいネットビジネスのニーズを柔軟に取り込める素材だった」と齋藤氏。

インターネットビジネスは、他システムとシームレスに接続しながら、サービス領域を拡大していくところに醍醐味がある。「ネットワーク・プロトコルが、メインフレーム固有のものでなく、TCP/IPベースであることが絶対条件でした」と齋藤氏は言う。

第二に、データベースとしてRDBMSのOracleを採用している。「金融業界は、データベースがすべて。データベースがしっかりしていれば、CRMやワン・トゥ・ワンを展開するといったサービス拡大の可能性があります」と齋藤氏。他社のソリューションは、メインフレームメーカー固有のデータベースを採用しているものが多かった。「“メタオフィス”は、TCP/IPの上に、整理されたデータベースが載っているため、サービスをどんどん拡張していくことができる」と齋藤氏は語る。

第三に評価したのが先進性だ。「“メタオフィス”は、3年経った現在でも、ライバルがまだ出て来ないぐらい、当時として最新のテクノロジーを備えていた」と齋藤氏。菊池氏はさらに、「Java/CORBAベースで構築されているため、フロントシステムはプラットホームを意識することなく接続できます」と付け加える。

最小限の機能からスタートして、ビジネスの進度に応じて拡張して行けるという発想も、「メタオフィス」ならではのものだ。「アクセス数の急激な増加にも、 CPUやメモリを追加していくだけで対応できる。スケーラビリティの高いバックオフィスシステムを実現しました」(菊池)。

また、「“メタオフィス”も、発売当初は荒削りな面があったが、富士通と当社とのアライアンスによって磨きをかけてきた。開発者がすぐそばにいる、国産ソフトならではの良さです」と齋藤氏は付け加える。

業界の寵児に急成長

証券業務を支える優れたパッケージ



「メタオフィス」はさらに、日本オンライン証券のビジネスの成功と、今回の合併による競争力強化においても重要な立役者と言うことができる。

日本オンライン証券は、1998年のビジネス立ち上げ以降、他のオンライン証券からもシステム貸与など提携の申し込みが相次いでいた。金融業界の豊富なノウハウを持つイー・ウイング証券が、非金融業界から参入した日本オンライン証券との合併を望んだということは、「システムインフラに魅力を感じたからにほかならない」と齋藤氏は喜ぶ。

カブドットコム証券の「他社には真似のできないきめ細かいサービス」(齋藤氏)を実現してきたのは「メタオフィス」によるところが大きい。

「メタオフィス」は、リアルタイム処理を基本にした、きめ細かいサービスを実現。電話を使ってリアルタイムな株価を音声で確認したり、リアルタイムな資産合計を表示できるなど、Webサービスに対する機敏な情報提供を行っている。カブドットコム証券は現在、国内で唯一、「指定の株価まで下落したら売り」「指定の株価まで上昇したら買い」とする逆指値注文に対応している。夜のうちに条件を設定しておけば、昼間仕事をしている間でも相場変動に敏感に反応して自動的に取引をしてくれるのである。これも「メタオフィス」なくしては実現できなかった。キャッチフレーズではなく、本当に24時間サービスを提供できているのも、完成度の高い「メタオフィス」ならではの効果である。

「2001年の元旦、注文を受け付けていたのは、カブドットコム証券だけでした」と齋藤氏は自信を込めて語る。

こうした「メタオフィス」のリアルタイム・サービスの支えによって、オンライン証券の利用者を対象とするさまざまな顧客満足度調査で、「機能と使いやすさでは、カブドットコム証券が常にトップ」(齋藤氏)という評価を得てきたのである。

富士通の支援でスピード合併実現

富士通の確実なサポートも評価される。ことにスピード合併については、富士通の強力なサポート力が発揮された。「3月30日の夜8時まで営業し、31日の土曜日だけサービスをストップしてデータ移管を行った。4月1日に営業を開始できたのは、従来の金融システムでは考えられないスピード」と齋藤氏は胸を張る。富士通は、事前に何度もデータ移管のリハーサルを行い、本番時に備えたが、移管処理の中間データをRDB化することで、コード変換・結果検証を容易にこなすことができた。

富士通のサポートによって、システム統合がいかにスムーズにできたかという証左として、合併後、カブドットコム証券が急激に業績を伸ばしていることが指摘できる。4月1日時点では、顧客口座数6万4884口座、預かり総資産約1400億円であったが、約50日後には、7万2000口座強、約1600億円へと急増。一日に約60~70億円の取引が動く、オンライン業界の寵児に成長した。

今後、カブドットコム証券は、オープンなバックオフィスシステムの利点を活かしながら、サービスを拡張していく。「三日後の決済を一日後に前倒しして決済するT+1、小口取引など、オンライン証券ならではのサービスにチャレンジしていきたいですね。画期的なリスク管理機能やポートフォリオ診断サービスも開始します」と齋藤氏は意欲的だ。

ポートフォリオ診断サービスとは、値動きや財務状況を総合的に点数化して、「あなたの持株診断」を毎日、表示するサービスである。こうしたサービス拡大を行っても、システムは機能追加するだけで、作り直す必要がないのが、「メタオフィス」なのである。

カブドットコム証券は、すでに黒字経営に転じる見込みで、2002年を目標に、株式上場の準備も進めている。また、オンライン証券業界では、顧客獲得のために手数料の値下げ競争が起きているが、カブドットコム証券は、独自システム、独自サービスを武器に、価格競争から距離を置きサービスそのもので勝負していく方針だ。

多様なサービス提供を実現する富士通のキャピタル・マーケット・ソリューションと、「メタオフィス」の先進性は、今後もカブドットコム証券の発展を支えていく。

【会社概要】

カブドットコム証券株式会社

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