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品川区教育委員会様(東京都) - 導入事例 -

校務を効率化して、事務負担を軽減
~より効率的でスリムなシステムへの飛躍~
品川区教育委員会様(東京都)

公立小中学校の事務は多岐にわたり、量的にも相当なものが発生します。従来、大半の事務作業は紙ベースの手作業が中心で、しかも個々の台帳はそれぞれ別個に管理しなければならず、作業は大変煩雑でした。品川区は、いち早くこの問題の解決に取り組み、学校における事務処理を大幅に効率化する「品川区学校事務システム(以下、学事システム)」を構築。平成12年度から稼動させ、大きな効果をあげています。さらに平成16年度末には、さらに進化したスリムな新システムをWeb方式により構築しました。


膨大な事務作業を効率化

品川区では、この学事システムが稼動する前、区内の小中学校に多くの事務職員を配置していました。この人的資源をシステムに置き換え、省力化して効率を上げるとともに、現場の教職員の負担も軽くしたいというのが、システム化のきっかけです。

しかし当時、品川区の学校事務を的確にシステム化するパッケージ製品は見当たりませんでした。そこで、膨大な学校事務の中から、学籍、学校保健、学校給食、私費会計(学納金管理)、就学援助という5つの業務に絞り込み、富士通との共同開発によって学事システムを構築しました。


システム間連携は不可欠

品川区教育委員会事務局 学務課学事係主査 早船 智章氏

早船 智章
品川区教育委員会事務局 学務課学事係主査

システム化のポイントについて、品川区教育委員会事務局 学務課学事係主査の早船智章氏は、「単に校務事務の手作業をそれぞれサブシステムに置き換えたのではなく、他システムやサブシステム間を連携させることによって、学事システムにより確かな効率性と一貫性をもたせているところです」と言います。

例えば、児童生徒の新入学や転入などは、住民基本台帳や外国人登録システムと連携しています。また、就学援助事務は、税や生活保護等の情報が認定に際して不可欠です。

一方、サブシステム間の連携では、全てのサブシステムにおいて学籍がベースとなり、連携や連動が図られることになります。具体的には、児童生徒の転入情報の入力が完了すれば、学校保健サブシステムでも検索できます。また、私費会計サブシステムでは、学納金の台帳が連携し、給食費会計等の出納管理が可能となります。さらに、学校給食サブシステムでは、学納金出納情報と連携し、給食物資の支払情報が作られ、記帳されます。


学校と教育委員会事務局との協動で新学システム

平成16年度、さらなる事務の見直しにより従来の機能や操作性を改善し、クライアントサーバ方式からWeb方式に移行した新システムを再構築しました。これには、平成18年度から開校する小中一貫校への対応があります。旧学事システムに小中一貫校対応版の機能を追加するには、システムの基礎設計から見直すことになり、広範囲でかつ深い部分への仕様変更が必要になります。また、システム機器の更新時期が平成16年度末に迫っていたことも、良いタイミングでした。

品川区学校事務システムの概要

品川区学校事務システムの概要
IP-VPNを用いて通信情報を暗号化しているほか、情報へのアクセス権限を5パターンに分けてきめ細かく管理するなど、セキュリティ面でも配慮しています。



新システムへの移行と同時に、光通信回線を整備し、サーバ機器を一括集中管理にしたため、各校に設置していた58台のサーバを全廃。大きなコスト削減も実現しています。

システム再構築を通して、より優れた機能性と高い効率化を具現化できた最大の要因について、「現場の教職員が積極的に参画してくれたこと、つまり学校と教育委員会事務局の協働作業があったからこそ、レベルの高いシステムを作ることに成功したのです」と早船氏は強調します。

小中一貫校対応版の追加機能としては、まず、業務によって小学校と中学校とで双方個別に管理しなければならないもの、双方を一体として管理しなければならないものとがあります。前者は、新入学、卒業と進学および健康診断結果の管理など。また後者は、学校給食事務や私費会計事務などです。一方、ログイン管理については、小中学校のどちらからも入れるよう、ログイン後に小学校業務と中学校業務との相互に乗り入れができるよう工夫しています。


将来のへの一歩として

品川区は、平成15年に構造改革特区の小中一貫教育特区に認定され、平成18年4月からは、全国初の小中一貫校が開校します。今後、品川区の教育現場は大きく変貌する時期となり、より質の高い指導が求められることとなります。そのため、教務や校務をサポートする“教育情報システム”の構築を具体化していかなければなりません。

例えば、子どもたちは義務教育期間中の9年間に大きく成長し、著しく変化していきます。この9年間に担任する教員は何人にも及びます。過去の出欠席状況や成績の推移など、それぞれを個別の紙台帳で管理していたら、記録情報の抽出作業や統計上の数値化を行う場合、とてつもない時間と労力を必要とします。これを解決するには、児童生徒に関する情報をデータベース化して必要とする教員同士が共有化し管理することが、もっとも効率的な手段です。それには、学籍情報の管理(入学、転入出、卒業、進学等)が必須要件になりますが、この学事システムがすべてのベースとなるのです。

学事システムの構築は、学校と教育委員会事務局が一体となってなし得たものです。それをさらに機能化、効率化し磨きをかけたものが、今回再構築したWeb方式による学事システムです。今後は、これをベースシステムとして、それぞれが連携する「教育情報システム」へと、時代の流れとともに発展していくことでしょう。

最後に早船氏は、「システム開発の担当者として感じることは、使う側の利便性とシステム的な制限との高度でかつ微妙なバランス感覚が必要であり、現場とのコミュニケーションを図ることが非常に重要です。たとえ意見が対立したとしてもきちんと話し合って決めたことであれば、稼動後の問題解決のために全面的に協力してもらえます。“システムは感情を持った人間が使うもの”ということをよく意識して進めることが重要なことと考えます」と語り、締めくくった。

学籍・就学システムと就学援助システムの画面例  学籍・就学システムと就学援助システムの画面例

学籍・就学システムと就学援助システムの画面例




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