さいたま市立大宮西高等学校は、2005年3月から、先生方の「パソコン一人1台環境」を実現、ペーパーレス化や先生方の事務作業の負荷軽減に成果をあげています。情報共有システムとして、富士通の校務支援ソリューションパッケージの「SA@SCHOOL」を導入、掲示板や施設予約の機能を利用するうちに自然にパソコン操作に慣れていったことが、パソコン利用の定着につながりました。最近では、授業の下調べにインターネットを活用する先生も増え、パソコン活用は校務の効率化から教務の支援へと幅が広がっています。

田沢 和久先生
さいたま市立大宮西高等学校 校長
さいたま市立大宮西高等学校(以下、大宮西高校)では、先生方の「パソコン一人一台環境」を実現してから、1年がたちました。「先生方のITリテラシーは大きく向上しました。書類作成などの事務作業も短時間でできるようになり、効率的な学校運営に役立っています」と同校の田沢和久校長は言います。田沢校長自身、フローチャート入りのプレゼン資料を作るほか、先生方へのアンケート配布に共有フォルダを使用するなど、率先してITを活用しています。
「IT環境の整備はまず校内LANを整備しました。次に無線LANを敷設。その次には、ノートPCを教員の人数分揃えるというように徐々に環境を整えて来たのです」と、IT部主任の筒井賢司先生は語ります。
いち早く一人1台環境を構築した理由としては、「パソコンの管理を楽にするため」という意外な答えが返ってきました。従来は、教科準備室をはじめ、校内のあちこちで何十台ものパソコンが利用されていたため、メンテナンスが大変でセキュリティ面でも不安がありました。
「一人1台で管理者を明確にして、アクセス権限もネットワークで管理することで、セキュリティが向上し、運用管理のコスト節約にもなるのです」と筒井先生は説明します。

筒井 賢司先生
さいたま市立大宮西高等学校 IT部主任
一人1台の実現と同時に、富士通の校務支援ソリューションパッケージ「SA@ SCHOOL」も導入しました。SA@SCHOOLは、電子メール、掲示板、施設予約など、先生方の必要な機能を凝縮したグループウェアです。
「パソコンの台数を揃えただけでは、先生方全員に使ってもらうことはできません。ノートパソコン、無線LAN、コミュニケーションツールの3つは、ワンセットの必需品です」と筒井先生は言います。

職員室に置かれている施設利用予約用端末
SA@SCHOOLは、すべての先生がパソコンを使うようになるためのきっかけ作りの役目を担っています。まず、会議室、視聴覚室などの施設や、プロジェクターをはじめとする共有機材の利用予約をSA@SCHOOLで受付。従来の手書き台帳をなくしました。IT関係の連絡事項は電子掲示板に掲載して、「くわしくはパソコンで確認してください」とアナウンスします。
職員会議のペーパーレス化も試行中です。資料はライブラリ(共有フォルダ)に保存しておき、紙の資料を配らずに、みんなでパソコンの画面を見ながらの会議を実施したそうです。
「評判は上々でした。相当量の紙を節約できますし、情報漏洩リスクの低下、会議準備の省力化、会議内容の徹底などが大いに期待できます。2006年度からは、職員会議のペーパーレス化が本格的に始まる予定です」と、筒井先生は意欲的に語ります。

高橋 秀夫先生
さいたま市立大宮西高等学校 IT担当教諭

使用されているサーバ

セキュリティ対策のための指紋認証装置
セキュリティ対策には細心の配慮をしています。
まず、富士通のノートパソコン「FMV-LIFEBOOK」のセキュリティボタンを活用して、特別なキー操作の組み合わせをしないと起動できないように設定しています。さらにIDを入力、パスワードとして指紋認証も行っています。
FMV-LIFEBOOKはセキュリティチップを搭載しているので、ハードディスクだけを抜いて盗んだ場合でも、データは暗号化されているので解読できません。さらに、富士通の情報漏洩防止ソフト「UT@SECURITY」を使って、利用者が勝手にシステムを変更できないように機能制限をしています。
「ウイルスはサーバに搭載したウイルス対策ソフトで常時チェックしていますから、ウイルスが広がったり、知らないうちに情報が送信されたりといった心配もありません」と、IT担当の高橋秀夫先生は付け加えます。

桑名 裕美子先生
さいたま市立大宮西高等学校 IT担当教諭
大宮西高校では、今やほとんどの先生がWORDやEXCELをあたりまえのツールとして利用しています。クラブ活動の顧問など、校外の方とのコミュニケーションにも電子メールを使います。校内でも、電子メールに資料のファイルを添付して送ることで人数分を紙に出力したり綴じたりする手間が省けるという認識が定着しました。
授業の質を高めるために、パソコンを活用する先生も増えてきました。
「授業でインターネットを利用する先生は多いですね。私も、教えている教科が英語ですから、インターネット接続しているパソコンの画面をプロジェクターに映し出して、ロンドンの今の風景を見せたり、英語の情報を見せたりして授業をしたら、生徒たちが喜ぶのではないかと考えているところです」と、IT担当の桑名裕美子先生は語ります。
「進路指導で、生徒の希望に合った大学を調べるときなども、インターネットはとても便利です。将来は先生同士が成績や進路の情報を共有して、生徒一人一人に合った指導へ活用できるようになればいいなと思っています」と高橋先生は話します。
「実は、これだけ利用が定着したのは、IT部の活躍のおかげなのです」と、田沢校長は言います。2005年4月にIT部が設けられ、筒井先生に桑名先生、高橋先生が加わって3人体制となりました。2006年度からはさらに1名が加わります。個人の先生の努力に頼るのではなく、組織化したからこそ後戻りすることのないIT活用体制ができたと、IT部の活躍を大変評価されているようです。
■さいたま市立大宮西高等学校 URL:http://www.ohmiyanishi-h.city-saitama.ed.jp/