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三重県教育委員会事務局 研修分野 様(三重県) - 導入事例 -

教育課題を見据え、魅力あるeラーニングコンテンツを企画
~ブロードバンド環境を活用した教職員研修システム~
三重県教育委員会事務局 研修分野 様(三重県)

集合研修とeラーニング研修を効果的に組み合わせ、教職員が実際に参加しやすい研修スタイルを実現した三重県教育委員会。成功の理由は、豊富なコンテンツと、効率の良い制作スタイルにあります。教職員の研修参加率を引き上げ、最終的には子どもたちの学力向上につなげたい考えです。

完全週5日制を受けて

全国の公立学校で完全週5日制が導入されて以来、教育の現場では、授業時間の確保が大きな課題となっています。その影響は、教育委員会が行う教職員研修にも及んでいます。学期中は授業時間を削ることができないため、集合研修への参加が難しいという教員が多く、その結果、長期休業中に受講者が集中するという状況があります。

県立の小中高校700校の教職員およそ16,000名向けの研修を行う三重県教育委員会でも、こうした傾向が顕著になってきたといいます。夏季休業中に集合研修への参加を希望する教員が急増し、講座によっては定員オーバーになって受講を断らなければならない事態も起こりました。加えて、三重県の場合は、南北に長いという地理的な条件のために、集合研修への参加が難しい地区があるという独特の悩みがあります。例えば、県南部に位置する熊野地区から、津の県総合教育センターで行われる集合研修に参加する場合、宿泊しなければならないこともあるのです。


ITインフラを活かしeラーニングシステム導入

三重県教育委員会事務局 研修分野 主幹 勢力 稔氏

主幹 勢力 稔
三重県教育委員会事務局 研修分野

三重県では、かねてから各学校がCATV回線のブロードバンドに接続されており、県立高校では教員に1人1台のPCを配布するなど、ITインフラが充実していました。このインフラを有効活用することで、教職員研修への参加機会を増やし、研修にかかる時間とコストの無駄を削減することができるはず。こうした構想のもと、2003年4月、eラーニングシステムが導入されました。システムを効果的に活用するためには、eラーニング教材つまりコンテンツがカギを握ります。

「年間20本の新規コンテンツを追加していくというペースで、“ネットDE研修”と名づけたeラーニングシステムのコンテンツ作りに取り組んでいます。教育委員会の中でそれぞれ専門的に研修を企画・開発している基本研修グループ、専門研修グループ、IT研修グループから、代表者が参加してプロジェクトチームが組織されました。2カ月ごとに企画会議を開催し、アイデアを持ち寄って、社会環境や教育課題をふまえた企画を立てています」コンテンツの企画立案をリードする、三重県教育委員会事務局 研修分野 主幹 勢力稔氏はこのように語ります。

「従来の集合研修では、前年度に企画したものを展開するなど長期スパンで準備していましたが、ネットDE研修の場合は、短期間で展開できます。防災教育や危機管理といった緊急度の高い研修も迅速に行うことが可能。社会情勢に柔軟に対応できるのがeラーニングの特長です」(勢力氏)また、こうした柔軟性に加え、教育委員会は企画と運営に集中し、実際のコンテンツの作成は外部に委託する、というスタイルで、制作上の効率化も達成されています。


コンテンツは新しい発想で企画

このようにして作られてきた三重県教育委員会のeラーニングコンテンツは、「一般研修」と「指定研修」を幅広く網羅し、2005年2月現在、69コンテンツ(開講予定の17講座を含む)が開講されています。「一般研修」は、国語・数学・英語といった教科系、教育現場のさまざまな課題を解決するための教育課題系、そして情報教育系などで構成され、「指定研修」は初任者や新任の校長などに課せられるものです。

いくつか特長的なコンテンツを見ていきましょう。まず、これまでの学校教育の概念にとらわれず、新しい発想で企画されたものとして、「学校経営品質」というカテゴリーがあります。民間企業でいうところの顧客重視の考え方で学校教育を捉えなおそうという全国でも新しい試みです。コンサルティング会社の経営者が講師を務め、たいへん好評を博したコンテンツとなりました。他にも、「マネジメント」や「危機管理」といったテーマにも力をいれるなど、社会環境の変化に柔軟に対応しています。

また、人気が高いコンテンツとしては、「人権同和」をテーマにした『新ちゃんのお笑い人権高座』が挙げられます。落語家を起用し、面白いながらも、人権問題の入門として内容の濃いコンテンツとなった成功例で、のべ500名の教員がすでに研修を終えました。これらのコンテンツはすべて、富士通のeラーニングシステムInternet Navigware(インターネットナビウェア)を活用して制作されています。

eラーニングコンテンツの一例(コンテンツ一覧から抜粋

項目 講座名
教育課題 学校経営品質 学校組織開発のための学校評価へ -なぜ、学校評価なのか-
マネジメント 管理職のリーダーシップ
人権同和 新ちゃんのお笑い人権高座
特別支援 障害児学級等担当の心構え
メンタルヘルス 教職員のメンタルヘルス 予防編 -ストレスとうまく付き合っていくために-
問題解決 問題解決に挑むための新しい思考-ブレイクスルー思考-
生徒指導 生徒指導 -児童の理解と「不登校」への対応について-
防災 学校における地震防災について
教科 国語 新しい時代の国語科を創る
数学 生活との結びつきを重視した算数科の授業
理科 簡単にできる岩石プレパラート作り
英語 高学年向きおもしろ英語活動
保健体育 小学校体育 おもしろ体力づくりのアイデア
領域 特別支援 今後の特別支援教育の在り方~LD・ADHD・高機能自閉症への対応~
情報教育 報モラルの考え方
健康 食と健康を考える

今後公開予定の講座 (一部抜粋)

項目 講座名(仮題) 講師
教育課題 --- 金メダリストはこうして育った アテネオリンピック金メダリスト 吉田 沙保里
教科 社会 有田式!子どもに力をつける社会科授業のコツ 教材・授業開発研究所 有田 和正
算数 折り紙を使って算数を学ぼう 東京学芸大学附属竹早中学校 山中 和人
領域 --- 外国人児童生徒への日本語指導 中国帰国者定着促進センター 池上 摩希子


成功するeラーニングコンテンツのポイント

eラーニングコンテンツの企画、制作について、三重県教育委員会には、これまでにたくさんのノウハウが積みあげられてきました。コンテンツを実際に活用することで明らかになった経験則もあります。そのひとつとして、教育委員会のコンテンツ企画においても大きな比重を占めているのが、「eラーニング専用のコンテンツとして企画、制作を行うほうが、実際に活用しやすい」というもの。一般の研修講座をそのまま録画して、eラーニングシステムにのせるといった手法も当初は試みていましたが、eラーニングにおいては、専用コンテンツには及ばないといいます。また、講師の人選も重要な要素となってきます。野口芳宏氏(国語科)、秋山仁氏(数学科)といった学者や有識者、そして県の教職員も含めた講師陣で、魅力的な講座作りに力を入れています。


教職員の満足度は95%

三重県教育委員会事務局 研修分野 研修主事 大立目 佳久氏

大立目 佳久
三重県教育委員会事務局 研修分野 研修主事

「eラーニングシステムは、県内の教職員に高く評価されており、満足度は95%にも達しているという調査結果が出ています」研修主事 大立目佳久氏は、この事実に大きな手ごたえを感じています。eラーニングシステムが評価される理由としては、まず、受講者は自分のペースで研修を受けることができるという点が挙げられます。初任者研修などの指定研修については、勤務時間内に学校内で受けることが前提となっていますが、一般研修については、24時間いつでもどこからでも、IDとパスワードでログインすれば受講が可能です。研修の履歴を残せるので、進捗も受講者本人が把握できます。さらに、集合研修と組み合わせたeラーニングも、実質的なメリットが大きいようです。概論やまとめはeラーニング研修を受け、演習などは集合研修に出向くといった用途があります。

三重県教育委員会事務局

三重県教育委員会事務局



Internet Navigware(インターネットナビウェア)で作られた三重県教育委員会のコンテンツはいずれも、最後に記述式のアンケートをつけることができ、研修内容の評価などを集計することが可能です。教育委員会では、こうして得られた情報を、新しいコンテンツの企画に役立てています。企画から実際の開講までの展開をスピーディーに行えるeラーニングは、迅速にすべての教職員に届けたい場合にも力を発揮します。「今後も、社会情勢に柔軟に対応したコンテンツを作成し、将来的には他県とのコンテンツの共有も視野に入れ、ますますの充実を図っていく予定です」(主幹 勢力稔氏)




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