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熊本市教育委員会 様(熊本県)- 導入事例 -

システム「共同の精神」の両論で、生きた図書を、一人でも多くの生徒たちに。
~学校図書館と地域図書館の役割を結んで広げる地域共有型図書システム「LB@SCHOOL」~
熊本市教育委員会 様(熊本県)

地域の中心となる市立図書館と各約2.5万冊の蔵書を持つ15の公民館図書室、そして100校を超える学校を結ぶネットワーク型図書館システム。これだけの大規模な図書館システムは国内有数のもの。熊本市教育委員会指導主事 青木透氏はこの状況を「この規模になると運営は大変ですが、確実に成果が上がってきている実感があります」と語ります。現場で生きる検索機能、新しい貸し出しスタイルの『物語定期便』、地域の公立図書館との連携など、そこには先進成功事例としてのキーワードが散りばめられていました。

冊数ではなく実数で評価。そのためのシステム導入

熊本市教育委員会 指導主事 青木透氏(取材当時)

青木 透
熊本市教育委員会
指導主事
(取材当時)

熊本市地域共有型図書システム全体構想図

熊本市地域共有型図書システム全体構想図

熊本市が、教育現場での図書の充実を施策として推進し始めたのは平成11年。5ヵ年計画で、図書の冊数を大幅に充実させるというのが骨子でした。この取り組みにより冊数は増加したものの、各校で同じ本を買ったり、自校で買えなかった本が隣の学校にはある、といった現状が浮かび上がりました。青木氏はこう振り返ります。



「揃えた図書が子どもたちのニーズにあっているのか、きちんと評価しなければならない。その上で、確実に子どもにとって必要な図書が効率的に手元に届く対策をする。そのためにはシステムを導入することが必要だと考えました」 そこで導入されたのが、富士通の図書活用支援ソリューション「LB@SCHOOL」でした。


『物語定期便』に見る成果

きちんと届くこと、評価できること。これがソリューション導入のシンプルな目的。そのために検討した機能を要約すると、(1)的確な蔵書検索とリクエスト、(2)生きた図書であったかの評価分析、(3)独自の取り組みである『物語定期便』、の3点。

「LB@SCHOOL」はこれらの機能を実現する先進の学校間相互貸借機能、公共図書館連携機能を搭載しています。

「物語定期便は、子どもたちの読書活動を推進するために発案されたものです。各校選奨の計120冊が、コンテナに入った状態で、各校、月に1回運ばれてきます。この本も学校の図書と同じにそのままバーコードで貸し借りができます。今度は何が来るのか、子どもたちがワクワクして待っている様子。これは私自身もそのデリバリーを体験してとてもうれしいものでした。熊本弁で『次は何ね?』と言いながら子どもたちが近寄ってくるのです」(青木氏) 現場の先生方もこうした様子を見てやりがいを感じられています。 しかし、システムの実現は難しいものでした。図書がまた貸し状態のまま、所属が明らかにならない状態で、100校あまりを4、5年間巡回する。これは従来の貸し手、借り手だけの仕組みを想定した図書館システムでの管理は不可能でした。これを「LB@SCHOOL」により実現出来たことは画期的でした。


現場できちんと通用する検索機能を

LB@SCHOOL先生用メニュー画面

LB@SCHOOL先生用メニュー画面

現在、熊本市では学校から自校のみではなく他校の図書検索、市立図書館の図書検索が行え、さらに、特長的なしくみの『テーマリクエスト』機能で地域全体での図書活用を行なっています。従来は書名や著者で検索することが一般的でしたがより子どもたちの必要感(要求)に沿わなければならないと青木氏は指摘します。 「子供たちの要求は大抵『先生、環境について調べたい』という漠然としたものなんです」 そのために、テーマリクエストでは教科、学年、「~について知りたい」という条件を付加。例えば、中学1年生が社会ではなく、理科の授業で環境問題について調べたい。こうした問いかけに、学校間で会話するように応える。従来のシステムでは難しかったリクエスト機能も、現場でのニーズから実現しました。さらに検索制度の向上を図るためには、図書評価の蓄積やそのための省力化も必要。ここにも、青木氏が考える「LB@SCHOOL」に対する評価と期待があります。 「専任の人間が評価を更新していくのは、限界があります。返却時に自動的に図書評価が蓄積されるしくみが必要。この点はセンター集中での蔵書管理のしくみをもつシステムでなければ実現が難しい」

規模とスピードの両立を実現

さらに現場で必要とされていることがあります。スピードです。 「先生方が授業で使う図書資料を他校等から借りる場合に、教材研究のための時間を考慮されて、できるだけ早く手に入れたいと思われるんです。それは理解していたのですが、物流システムの導入当初は、先生がリクエストして、図書資料が学校へ配送されるまで、中6日かかっていました。これでは利用していただけません」(青木氏)

物語性のある図書に強い学校図書館と、専門性の高い蔵書を持つ公共図書館がシームレスにつながれば、リクエストから配送までが円滑に進みます。しかし、それぞれに図書館業務の運用上の流れがあり、統一は難しい面がありました。昨年、「LB@SCHOOL」をレベルアップし、市立図書館、学校間でのリアルタイムなリクエストのやりとり、本の物流を管理する配送管理機能を追加。業務で使う用語の統一から実際に配本・返本する物流の改善、そして公共図書館側の人的なサポートなどにより、利用は驚くほど増加。図書物流では、なんと中1日という劇的なスピードアップを実現しました。「システムの改善と、学校、地域の協働の精神でのサポート。その両輪でここまできたのだと思います」(青木氏)

実際の授業で活かされること。それがゴール。

現在、冒頭に記した「確実に子どもにとって必要な本が手元に届くこと」が実現し、授業でも成果が出始めています。青木氏は、熊本市で行われている『しらべ学習フェスタ』でそれを実感したと語ります。この取り組みは、子どもたちの調べ学習の成果物を披露するというものですが、教科書などの既存の授業教材ではなく、図書を活用している作品が数多く出品されているのです。ここに、地域共有型のシステム化により、子どもたちの創造力が高まったという様子を見て取ることができます。

「システムやアプリケーションが進化した。ここに満足してはいけない。実際に子どもたちにたくさん本が行き渡るようになったこと。それが本当の進化なのだと思います」(青木氏)

これからも、さらなる情報のオープン化、シームレスな連携や省力化など、熊本市教育委員会の「LB@SCHOOL」を活用した取り組みは続きます。





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