
東海大学 湘南キャンパス
東海大学殿は1946年に創設され、現在は湘南、代々木、清水、沼津、伊勢原の5つのキャンパスに約30,000名の学生を擁する総合大学です。人文・社会・自然科学のあらゆる学問領域にわたる13学部68学科・専攻・課程(大学)、12研究科(大学院)を有し、「セメスター制度」「副専攻」など、より良い学びの環境づくりを積極的に進められています。
さらに、2002年春学期からはWebによる履修登録システムの全面的な導入により、学生が快適な環境下で最適な科目を選択・履修できるようになりました。
東海大学殿では、かねてから学生向けポータルサイト「東海大学Campus Lifeエンジン」を運営し、シラバス(授業内容・計画)をはじめ、休講・補講情報、定期試験日程・時間割、図書館情報、授業評価アンケート、企業求人情報、教員研究業績など、学生のキャンパスライフに役立つさまざまな情報サービスを提供してこられました。そこに新しい学生向けサービスとして加わったのが、Web履修登録システムです。
同大学では、教務事務管理を学部ごとに分散させず、教学部が一極集中型で管理し、業務対応は学部グループ毎に窓口(分室)を設け分散処理する体制を執っています。また、半年単位で授業を修了する「セメスター制度」、学生が他学部他学科の科目を体系的に修得できる「副専攻」などの仕組みがあるため、履修登録の処理は複雑かつ膨大です。とりわけ、大半の学部・研究科を擁する湘南キャンパスでは、履修登録のシーズンになると教学課(分室)の窓口にOCRの登録票を持った学生たちの長蛇の列ができていました。履修登録は学生の将来に関わる重要なイベントです。このため、学生にとってより快適で満足度の高い履修登録環境をめざし、Web環境を活かした履修登録システムの導入が検討されたのです。

システム構成図
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新システムの検討にあたっては、シラバス、時間割編成、履修登録などの各担当者、大学のシステム課の方々で学内プロジェクトを編成。その学内プロジェクトで検討した概要設計をもとにシステム構築を行ったのは、これまで約30年にわたり同大学の事務系システム開発を支援してきた富士通でした。
従来から運用されていた学生情報システムやデータベースなどの既存資産を活かしながら、Web履修登録システムを導入したいとのご意向から、インターネット上での窓口となるWebサーバ、科目検索や基本チェックを実行するDBサーバ、そして履修情報や履修登録プログラムなどの既存資産を活かしたホスト(グローバル・サーバ)を中心に全体のシステムを構成。お話をいただいてから、約半年後の2001年春には、まず電子情報学部での運用が始まり、翌2002年秋期までには、医学部を除く全学部の履修登録がWebからの登録に切り替えられました。
今回、導入された新システムは、時間割の形をした履修登録表が基本画面となっており、履修登録した科目が該当するコマに表示されていく仕組みです。曜日・時限、科目名など、さまざまな条件で履修希望の科目を検索でき、シラバスや教員の授業評価などの情報を参照しながらじっくり検討が可能。選択登録した科目については時限重複、既履修科目など、20数項目のチェックが行われ、エラーがある場合はその場で修正できるため、履修登録が一度で完結します。登録を受け付けている時間内であれば、自由な場所から履修登録が行え、何度でも内容の変更が可能です。
また、卒業資格や教職、司書などの資格、副専攻などの要件を満たしているかも簡単に確認でき、履修指導的な機能も備えています。既存システムと連携しているので、登録期間の終了後にも時間割表を起点に各科目の休講・補講情報の参照や参考図書の蔵書検索などが手軽に行えます。
2002年度秋期には、このシステムの対象となる約27,000人の学生(全学生の約97%)がWebから履修登録を済ませました。
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Web履修システム |
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島貫 憲夫氏
東海大学
教学部 湘南教学課
課長
Web履修登録システムは、学生はもちろん、さまざまな大学関係者にメリットをもたらしました。教学部・湘南教学課の島貫憲夫課長からも「インターネットに接続できる環境があれば、いつでもどこでも履修登録が行えるので、自宅や留学中の海外、さらに療養中の病院などからも登録できるようになりました。学生がゼミなどの研究室で担当教授や指導教員と椅子を並べて学習の成果や将来進路の相談をしながら履修登録ができる。これは最高の結果だと思います。また、近頃、国内の大学に導入され始めたGPA制度の元では、履修を取りやめたい科目をきちんとキャンセルできる仕組みがないと学生のGPA数値に影響が出ます。このシステムなら学生自身が修正期間中に手続きして対応できます。教員にとっても、リアルタイムで変更される履修者名簿を見ながら必要な数だけ教材を準備できるなどのメリットがあります。私たち教学部では、履修登録シーズンの職員の残業時間が各学期あたり約2,500時間以上削減でき、きめ細かな学生サービスが行えるようになりました。また、OCR用紙や履修確認表、履修者名簿の印刷・配布などの後処理が解消され、これに伴ってペーパーレス化が急速に進みました。事務の効率化・業務改善・経費節減という大きな目標が達成され、本学で初めて事務システム開発費の対投資効果を測定できました」と高い評価をいただきました。
また、島貫課長に、今後について伺うと、「モニター機能やログ機能を追加していきたいですね。学生がいつどんな使い方をしているかを知ることで、学生の新しいニーズを発掘できますし、万が一、学生が登録ミスをした場合でも職員が柔軟な対応をしていけます。また、せっかくのオンラインシステムですから、状況が整えば、24時間で稼動させてみたいですね。このシステムの基本となる時間割情報をより効率的に正確に構築でき、学内情報を有機的に結びつけた総合時間割情報システムの再構築が急務です」とのこと。
現在、同大学ではISO14001取得をめざしています。ISO計画の1項目として、学内のペーパーレス化を大きく推進したWeb履修登録システムを挙げていく意向だそうです。学生へのサービス向上を目標に導入されたシステムの効果は、今、大学全体に広がり始めています。