
札幌学院大学キャンパス
札幌学院大学(北海道江別市)様は1946年(昭和21年)、札幌文科専門学校としてスタートし、1984年から現在の札幌学院大学に改称されました。現在は商学部(1・2部)、経済学部、法学部、人文学部、社会情報学部の6学部に、大学院として法学、臨床心理学、地域マネジメントの研究科を擁する総合大学です。
同大学では、情報教育にも積極的に取り組まれており、2002年4月には、電子計算機センターに設けられた8つの実習室と2つの学生オープン教室などを結ぶ教育ネットワークを構築、クライアントにアプリケーションを効率的かつ柔軟に提供する先進的なシステムを導入され、大きな成果を上げられています。
2001年4月、新教育システム構築のため、検討委員会が設置されました。委員会は専務理事をはじめ各学部代表の先生方や事務各部門の方々などの多彩なメンバーで構成。委員会では、学習環境の充実を図ることにより、さらに高度な授業を実現する教育システムを検討し、以下の3つのポイントを重点課題として挙げました。
これらの条件をもとに、各社が提案を競いました。

森田 彦氏
札幌学院大学
社会情報学部 教授
提出された提案について、委員会では評価項目を策定し徹底的に議論をつくされました。
検討委員会の委員長であり電子計算機センター長で社会情報学部の森田 彦(ひこ)教授は「最も重視したのはライセンス管理の仕組みです。どのパソコンでも同じアプリケーションが使用できなければ、教室運営に支障がでます。実際にこれまでは、教室は空いているのに授業に必要なアプリケーションがパソコンに入っていないため使えないこともありました。しかし、数百台にものぼるすべてのパソコンに同じアプリケーションを持たせるのではコスト高になります。そこで当初は、アプリケーションをサーバ側で動作させるシンクライアントも検討しました。メタフレームの環境もチェックしましたが、使えるソフトにかなりの制限があることや、動画などではサーバへの負荷が大きく、動きが極端に遅くなってしまうことが判明しました。一斉授業において最大5教室、250台のクライアントを同時に動作させるには機能的に無理がありました。そのため、コスト面も考慮に入れ、再提案をお願いしたのです」と、検討の経緯を話されました。

渡邊 慎哉氏
札幌学院大学
商学部 助教授
委員会では厳密な評価項目を作成し、再提出された各社からの提案のスペック、メンテナンス、アフタケア体制まで厳密な評価項目をもとに検討が加えられました。そのなかで、委員会の注目を集めたのが富士通から提案された「Z!Stream」によるアプリケーション配信の仕組みでした。「Z!Stream」は、Windowsのアプリケーションをサーバに登録しておき、ネットワークを通して複数のクライアントにオンデマンドで配信するシステムです。

「Z!Stream」関連のシステム構成
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電子ビジネス研究センター長で商学部の渡邊慎哉助教授も「当初から要求してきた先進的なシステムという構想に沿っており、"どこにいても使える"環境が実現できると判断してクライアントサーバシステムで行くことに決めました」と評価してくださいました。
こうして、同大学の電子計算機センターに8つの実習室、2つの学生オープン教室などを結ぶ教育ネットワークの構築が決まりました。そして、ライセンス数の範囲内であればどこからでも使えるといった当初の課題も「Z!Stream」によって解決され、2002年4月に稼働が開始されました。

中村 永友氏
札幌学院大学
経済学部助教授
「Z!Stream」によるこのシステムは、既にさまざまな授業に活用されています。委員会のメンバーで経済学部の中村永友(ながとも)助教授によると、「会計ソフトや統計ソフト、ビジネスシミュレーションなど、専門的で高額なアプリケーションには特に有効」とのこと。現在、11種類のアプリケーションが「Z!Stream」により配信され、利用されています。
「Z!Stream」によって学生個々のプロファイルが設定されるため、学生が場所を移動して別のパソコンを起動してもアプリケーションの個別の環境が維持されるといった特長的な仕組みも実現しました。
また、授業中、他からのアクセスによる影響がでないよう、スケジュール管理により授業の時間割に応じて優先予約を設定できるほか、学生が空き時間にオープン教室のパソコンを利用したり、自宅や外出先からでもアプリケーションを自由に活用できるのも大きなメリット。アプリケーションの有効活用はもとより、コストの節減にもつながりました。

先進的なインフラが整備された教室
新教育システムでは、たとえば1年生の全学生に向けた「コンピュータ基礎」の授業を、授業支援ソフトにより5教室、最大250名の学生に向けて一斉に行えるようにしています。この授業はメインの教室のカメラによって教官が各教室のスクリーンに映し出され、教室ごとに2名ずつ配置されたティーチングアシスタントのサポートによって授業が進められています。
また、アウトソーシングサービスを効果的に利用し、富士通IDCセンターによる24時間システム監視や、IDCセンターのアクセスポイントを利用することで自宅からの安全なアクセスを実現するなど、先進的な教育システムを実現しています。
今後の構想を森田教授にお尋ねすると、「eラーニング環境とweb教材を充実させて、『いつでもどこでも学習できる環境』の整備をさらに進めていきたいと考えています。たとえば、講義内容のストリーミング配信により、受講できなかった講義を自宅で視聴できるようにするなど、学習の中身を充実させるための仕組みとして強化していくつもりです」とのこと。また、学外に向けた公開講座のライブ配信なども構想に折り込み済みだそうです。
「教育におけるITのあるべき姿を追求していきたいですね。また、大学全体のシステムのネットワーク化だけでなく、外に向けてもインタラクティブな情報交流のネットワークの仕組みも強化したいと考えています」と森田教授が締めくくってくださいました。