
横浜市の港北ニュータウン内に武蔵工業大学の横浜キャンパスが設けられたのは1997年のこと。21世紀のキーワードである「環境」と「情報」を柱に、文理横断型の色彩をもった環境情報学部環境情報学科が新設されました。さらに2002年4月には第2学科として情報メディア学科が誕生。このキャンパスの教育環境づくりに向けた画期的なインフラ装備についてお話をうかがいました。

山田 豊通教授
情報メディアセンター 所長
(環境情報学部教授)
情報メディア学科には、初年度200名の募集定員に約2000名、10倍の応募があったそうです。その人気の秘密は、21世紀の環境と情報という理系・文系を超えた学際的なカリキュラムに加え、大学ではわが国初のISO14001を取得するなど、ユニークな教育を実践するエコロジカルキャンパスという点にあるのでしょうか。情報インフラ整備にも、そのユニークさが発揮されています。キャンパスを建設するに当たって、学内の情報環境はいかにあるべきかを討議するため、教職員に加え協力会社のスタッフもメンバーに加わった"情報システム委員会"が設けられたのもそのひとつ。
情報メディアセンター所長の山田豊通教授(環境情報学部教授)は「いままでの情報教育はどちらかというとツールとして操作方法を習得することを中心とした教育でした。情報メディア学科でわれわれがめざす理念は、人間や社会と共存できる情報システムによる豊かな情報社会の実現です。ですからITを使う側の視点に立った情報環境づくり、コンピュータやインターネットに限らずあらゆるメディアを駆使し、問題発見・問題解決に気軽に活用できるシステムづくりを目指しています。その意味からも、情報環境の整備には最大の利用者である学生にも積極的に参画してもらっています」と語られます。富士通もその中でネットワークやコンピュータシステムづくりなど、さまざまなお手伝いをしてきました。
横浜キャンパスのインフラの特色は、秒進分歩のコンピュータ機器・システムの進化を見越し、情報教育設備では各学で採用され一般的といわれていたUNIXのシステムではなく、WindowsNTとDOS/V機をいち早く採用していることです。それについて山田教授は「機種選定を迫られていた96年当時は、実績豊富なUNIXか新バージョン出荷間際のWIndowsNT系かでずいぶん悩んだようですが、結果的には、文理横断型の当キャンパスでは、特に操作性の点で絶妙のタイミングでの最良の選択だったと思います。その結果、これらの情報インフラの運用や活用にあたって、専門家であるネットワークコアセンターの技術員のみでなく、幅広い教員、職員そして学生の三位一体の協力体制が無理なく確立できました。UNIXではこうはいかなかったと思います」と語られました。

横井 利彰助教授
情報メディア学科
横浜キャンパスの誕生から5年目の2001年10月、さらには情報メディア学科の開設に合わせた2002年3月に、情報インフラのリプレースが行われました。
これについて、開学当初から情報インフラの企画、設計に携わってこられた情報メディア学科の横井利彰助教授は「ネットワーク環境は5年前に比べ格段に性能が良くなり、今後のトラフィック増を見越しギガビット・イーサネットによるネットワークも構築しました。無線LANも設置されているので、学生はどこにいてもメールが送れ、インターネットにアクセスできます。また、コンピュータに限らず、オーディオビジュアルの装置や機器を最適に配置し、遠隔会議や遠隔講義などを目指したシステムもさらに充実させることができました。(わが国初のCATVネットワークも開学当初から活用しています。)情報環境を快適かつ有効に活用できる設備と、それを評価する設備も着々と整備しています。まずPCありきではなく、今後も、人間の情報活動の流れを中心に環境を構築していきたい」と、抱負を語ってくださいました。
いま、横浜キャンパスの学生1人当たりに準備されているファイル容量は1ギガバイト。今回のリプレース以前は200メガバイトでしたが、学生のコミュニケーションやプレゼンテーションにおける表現手法として動画や音声といったメディアが駆使されることが多くなり、大幅な容量アップを実現したそうです。このキャンパスで学生に割り当てられたファイル容量は、何と1テラバイト以上にのぼります。これからの時代、動画や音声を交えた他大学との情報連携や国際交流も視野に入れた施策といえます。
快適環境を実証する設備のいくつかをご紹介しましょう。
安定性と信頼性を重視し、初期に整備したATM(E-7550AS)をマルチメディア系で活用し、更にはギガビット(Catalyst6509)を導入し、教室や研究所などキャンパス内に動画や静止画、音声などが扱える高度情報教育・研究の発展に不可欠な情報通信ネットワーク環境が整えられました。さらに、学生の学習利便性に向けて独自に開発したLANリールを学内のあらゆる場所に設置、また、無線LANのアクセスポイントが学舎の内外20数か所に設置されているので、手軽にノートパソコンやモバイル端末が接続でき、ユビキタスネットワークを実現します。
CATV網を整備、海外番組をはじめCS放送から地上波までさまざま放送を、教室や研究室はもとより食堂や学生部室など学内どこにいても受信できます。また、専用スタジオを設置した本格的な自主放送システムも完備。さらに工学部と姉妹校の東横学園女子短大との双方向遠隔授業など、開かれた大学としてのインフラが着々と整備されています。
操作している人間の生態的な心理状態を計測するための評価を行う演習室です。生態系の医療分野で使われるサーモグラフィー、ポリグラフィーなどの計測器なども導入。コンピュータ、ビデオカメラなどを駆使して理想の情報環境を追求し、そのデータを次の計画に反映させます。

従来1対nだったプレゼンテーションラボをさらに発展。発言の順序や時間が決まっていない会議で、パソコンやオーディオ・ビデオなどのマルチメディアを駆使し、動画や静止画、音声など必要な情報を参加者に同じ条件で提示しつつ前向きに活発な議論ができます。

グループ単位での円滑なコラボレーションに配慮し、机を囲みながらネットワーク構築、サーバシステム構築、マルチメディア作品制作などの学習が行える設備です。Windowsノート型パソコンを中心にサーバ構築用コンピュータ、ネットワーク実験用のルータなどを用意。自由にレイアウトができる移動デスクには電源コンセントとLANリールが内蔵されています。

パソコン70台が設置され、インターネットが利用できるほか、ネットワークスキャナ、デジタルカメラの画像取り込み環境なども整い、高度なマルチメディア処理が行えます。

システム構成図
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