
地域の新しいランドマーク
若木タワー
國學院大學は、明治15(1882)年に設立された皇典講究所を母体に明治23年に創設され、平成14年には創立120周年を迎えました。
國學院大學は現在、創立120周年の記念事業として、時代の変化に対応するための一大改革を推進。その組織やカリキュラムを大きく変革させつつあります。地域の新しいランドマークとなった18階建ての若木タワーに象徴される渋谷キャンパス再開発計画も、その取り組みのひとつです。教学の面では、神道文化学部の設置を含む教育カリキュラムの抜本的見直し、昼夜開講制の導入、IT時代に対応できる教育体制の整備などを行っています。
社会全体でITの活用が進み、情報セキュリティの重要性が高まる中で、國學院大學は教育機関として初めて、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)が発行する情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度、ならびに英国の認定機関であるUKASが発行する「ISO/IEC27001:2005」を、平成18年1月30日付けで同時に認証取得しています。

後藤 幸雄氏
國學院大學
総合情報センター
事務部
情報システム課
「平成16年から個人情報保護法対策に取り組んできましたが、情報漏洩事件が頻発する昨今の状況を見て危機感を抱き、個人情報だけでなく、すべての情報資産を包括的に保護する必要性を痛感。ISO 27001の取得を目指すことになりました」と語るのは、総合情報センター事務部情報システム課の後藤幸雄氏。現時点で認証されているのは、渋谷教務課、就職課、情報システム課、入学課の4部門ですが、ここ数年のうちには事務局全体へ広げていく予定になっています。
学内の個人情報や機密情報を集約管理するサーバルームの入退室管理に、富士通の「非接触型 手のひら静脈認証 入退室管理システム」を導入したのも、情報資産を包括的に保護するためのセキュリティ対策の一環です。
國學院大學では、情報資産を様々な脅威から守るセキュリティ対策に早期から力を注いでおり、平成9〜10年に全学を結ぶネットワーク環境を構築する際にもセキュアなネットワークを導入。その後も、「仕事をしていく中で情報が漏れない仕組みを構築する」べく、ネットワークからパソコン、各種ツール、人的運用に至るまで、時代の変化に合わせて総合的な対策を施してきました。
平成15年には、情報資産を守るための各種認証を強化するために、指紋認証サーバを購入して検討も行っていました。しかし、後藤氏によれば、「指紋の偽装が可能など、十分なセキュリティレベルを確保することが難しかった」とか。よりセキュリティレベルの高い静脈認証についても検討していますが、当時は、まだ高価で導入することはできませんでした。
サーバルームの入退室管理に静脈認証を導入することになったのは、大学の情報戦略計画としてまとめられた中で、渋谷キャンパス再開発計画に伴う物理的側面からの情報セキュリティ強化策の一環として計画されました。
静脈認証システムの導入に際しては、金融機関などで普及が進んでいる「手のひら静脈認証」と「指静脈認証」の2方式を比較検討していました。その結果、導入が決まったのは、富士通の「非接触型 手のひら静脈認証 入退室システム」でした。その理由を後藤氏は、「認証のスペックなどを詳細に比較してみたところ、指よりも手のひらのほうが認証に使用する部分が広く、他人受入率の低さ、怪我などの影響を受けにくいなどの点を評価した」と語っています。
その他に、接触型の指静脈認証に対し、手のひら静脈認証は非接触のため、清潔感があるという側面もあります。
サーバルームの入退室管理に導入された「手のひら静脈認証 入退室システム」は、利用者が限定され、サーバのメンテナンス時などにも、必ず課員が立ち会うことになっています。なお、入退室者のログ管理もしているそうです。

導入効果としては、「従来は移動中に鍵を落としたり、誰かに複製されることがないよう管理には非常に気をつかいました。現在では、入退室認証が鍵から個人に変わったことでそうした心配もなくなり、セキュリティが向上した安心感があります」と後藤氏。よりセキュアになって利便性も向上したことから、他分野への活用も考えているそうです。
静脈認証システムの今後の展開については、まず、平成20年に完成予定の学術メディアセンター棟に移設されるサーバルームへの活用が検討されています。そして、「将来的には、入退室管理だけでなく、サーバのログイン認証等にも活用していきたい」と将来展望を描く後藤氏。

今後の情報システム運用における課題としては、教育系システムのセキュリティレベルをどのように向上させていくかが大きな問題となっています。知的財産や個人情報保護の社会的要請が高まる中、これまで使い易さとセキュリティ強化のバランスが難しい教育のIT利用環境についても、高度なセキュリティ対策を施す必要性が高まってきました。安全性と使い易さ、この従来は両立することが難しかった2つのニーズを同時に満たすソリューションとして、「非接触型 手のひら静脈認証 入退室システム」の活用範囲は、今後ますます広がっていきそうです。
(2006年9月取材)
