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岐阜大学様 - 導入事例 -

キャンパスカード・システムを再構築、非接触型ICカードで一本化
~「攻め」も「守り」も視野に入れた情報戦略の第一歩~
岐阜大学様

岐阜大学キャンパス

岐阜大学キャンパス

2004年4月に国立大学法人として生まれ変わった岐阜大学は教育学部と地域科学部、医学部、工学部、応用生物科学部の5学部と、教育学研究科と地域科学研究科、医学研究科、工学研究科、農学研究科の5研究科、さらに連合獣医学研究科と連合農学研究科という2つの独立研究科を擁する総合大学です。教育と研究、社会貢献のバランスをとりながら、岐阜大学は特色ある大学像を追求してきました。

教育面では、文部科学省の「特色ある大学教育等支援プログラム(GP)」に、4件の取り組みが2003年から2004年にかけて採択されています。GPとはユニークな大学教育の取り組みに対する政府の支援制度。採択されたテーマには、「能動・思考促進型を柱とする全人的医学教育」、「地域・大学共生型教師教育システム」などがあります。

研究の分野ではこれまで、文部科学省の「21世紀COEプログラム」に、「野生動物の生態と病理からみた環境評価」と「衛星生態学創生拠点」という2件のテーマが採択されています。世界的な研究教育拠点の育成を目的とするCOEに採択されると、政府による重点的な支援を受けられます。

さらに、企業との共同研究件数は全国立大学中10位、教員1人当たりの件数では同3位と、社会貢献にも注力しています。文部科学省の「岐阜・大学地区知的クラスタ創成事業」であるロボティック先端医療クラスタの中核として、岐阜大学は研究の推進にも当たっています。大学図書館を市民にも開放するなど、地域貢献活動にも取り組んでいます。

個人情報保護のためには、システムの一元化が必要

岐阜大学 総合情報メディアセンター センター長 奈良 敬氏

奈良 敬
岐阜大学
総合情報メディアセンター
センター長

岐阜大学が全学的に非接触型ICカードを導入したのは2004年4月のことです。大学院生を含む学生や教職員など、1万人余りに配布されたICカードは身分証明書として、あるいは施設利用の際の認証カードとして活用されています。

岐阜大学ではICカード導入前、多数の磁気カードが使われていました。学生証と図書館利用カードを一体化したカードや入退館管理、駐車場利用のためのカードもありました。非接触型ICカードの導入を推進した岐阜大学総合情報メディアセンター長の奈良敬教授は、「私もたくさんのカードを持っています。この煩雑な状況をキャンパス共通カードで一本化しようと考えました」と語ります。基本的にはアプリケーションごとに磁気カードが発行されていたので、従来は1人が何枚もの磁気カードを持つ必要があったのです。

導入の背景には、こうした利便性の観点だけでなく、岐阜大学の情報戦略があります。これについて奈良氏は次のように説明します。 「大学の自治、学部の自治という言葉があります。多くの大学と同じように、岐阜大学はこれまで各学部がそれぞれ情報システムを構築してきました。その結果、どんな情報がどこにあるのかという全体像を把握することが困難になっていました。これでは、教員の研究に対する外部からの問い合わせにも、即座に回答できません。ICカードの導入は、こうした状況を改めて、一元的な情報管理を目指す上での第一歩でもあったのです」。

社会に対して開かれた大学を目指して情報公開を強化しようとすれば、情報システムの統合は避けて通れません。そのための基盤となるのが、ICカードです。ICカードによって厳格な個人認証を行い、その上で適切な権限者が統合された学内情報システムから、必要な情報をすぐに取り出せるような仕組み。それが奈良氏の目指す、岐阜大学の情報活用の方向です。

もう一方では、2005年4月施行の個人情報保護法への対応という側面もあると奈良氏は説明します。

「個人情報を保護するためには、どこにどんな情報があるのかを把握することが前提になります。したがって、一元管理に向かわざるをえません。また、その際アクセス権限を管理するには、ID/パスワードだけの認証では不安が残ります。それも、ICカードを導入した理由のひとつです」

ICカード導入の背景には、情報活用という「攻め」と、個人情報保護という「守り」の両方を視野に入れた、情報戦略があるのです。そして、富士通はその情報戦略の実現をサポートしています。


1枚のICカードで複数のアプリケーション

写真1 PCログイン認証システム
写真1 PCログイン認証システム
写真2 証明書発行機
写真2 証明書発行機
写真3 図書館自動貸出返却装置
写真3 図書館自動貸出返却装置

では、具体的にICカードはどのような形で利用されているのでしょうか。2004年4月のICカード導入時に稼動し始めたアプリケーションは6つ。それらの設計や構築に、富士通は携わりました。



  1. ICカード発行システム:学生証や身分証明書、外部の関係者や図書館を利用する一般向けの施設利用証という3種のICカードを発行します。本人の顔写真を取り込んでICカードに貼り付けています。
  2. PCログイン認証システム:図書館やPC教室の固定型共有PCを集中管理し、個人認証やログイン制限などを行います(写真1)。
  3. 証明書発行機:ICカードの情報をもとに、各種証明書を発行します(写真2)。
  4. 図書館貸出返却システム:図書館カウンターに設置され、貸出と返却の作業を管理します。
  5. 図書館自動貸出返却装置:簡単な操作により、利用者本人が貸出と返却を行うことができます(写真3)。
  6. 図書館入館システム:入り口のゲートと連携して、利用者の入館をチェックします。


(3)から(6)の仕組みは、これまで磁気カードで運用されていましたが、それをICカードでも利用できるようにしました。

ここに見られるように、岐阜大学には多種多様の既存装置や既存システムがあります。アプリケーションごとに、そのメーカーも様々。それらのすべてで同じICカードを利用できるようにするには、高度なインテグレーション能力が求められます。

「今回の情報システムの導入は政府調達で行いましたが、入札の結果として富士通にお願いすることになりました。ただ、その前にシステムの仕様を固める段階で各社から種々提案がありましたが、富士通からは有用な情報をたくさん提供してもらいました。岐阜大学のネットワークやシステムの現状をよく知っているから、それに合致した提案ができたのでしょう」と奈良氏は考えています。入札によって富士通が選ばれたのは、2003年秋です。運用開始は翌年4月ですから、わずか半年程度で稼動にこぎつけたことになります。その後、それぞれのシステムは順調に動き続けています。


キャンパスカードシステム機能概要
キャンパスカードシステム機能概要

さらに利用範囲が広がるICカード

今回導入されたICカードの利用範囲は、今後さらに拡大していきます。たとえば、2005年春には、新設された総合研究棟の入退室管理に用いられる予定。ICカードによって、この建物の108の扉のセキュリティ管理が行われることになります。もっとも「常時ICカードで管理すると、カードを忘れて研究室に入れず締め出されるような事態も考えられます。ドアセキュリティの運用は夜間だけにしようと思っています」と奈良氏は笑いながら語ります。

このほか、出欠席管理にもICカードを利用する予定。このシステムの構築についても、富士通はサポートしています。さらに、将来的には駐車場管理や売店・食堂のキャッシュレス化にも取り組みたいと奈良氏は考えています。「構想段階ですが、このICカードにマネーカードとしての機能も持たせたいと思っています。たとえば、提携銀行との共用カードなどが考えられるでしょう」。

キャンパス共通デバイスが実現したことで、それを用いた様々なアイデアが浮かびます。そのアイデアを実現するために、「今春には全学的な情報戦略体制を確立させたいと考えています。富士通には情報提供や協力を、今後ともお願いしたいですね」と奈良氏。情報システムの統合を目指す奈良氏の、富士通への期待は大きいようです。



【大学概要】

  • 学長: 黒木登志夫
  • 創立: 1949(昭和24)年
  • 沿革:1873(明治6)年発足の師範研習学校をルーツとする岐阜師範学校と1923(大正12)年発足の岐阜高等農林学校とする岐阜農林専門学校を母体として、1949(昭和24)年、国立の岐阜大学を設立。1952(昭和27)年、1942(昭和17)年発足の岐阜県立高等工業学校をルーツとする岐阜県立大学工学部が同大学工学部に。1964(昭和39)年、1944(昭和19)年発足の岐阜県立女子医学専門学校をルーツとする岐阜県立医科大学を同大学医学部に。2004年、国立大学法人岐阜大学に。

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