企業理念で謳う環境方針の具現化へ向け新たな含有化学物質管理システムを構築。RoHS指令、REACH規則を受け急増する含有化学物質調査要求への迅速回答も実現、より複雑化する化学物質管理業務をサポート。
[2010年10月25日 掲載]
| 導入事例概要 | |
| 業種: | 製造業 |
| ソリューション: | 環境業務ソリューション |
| 製品: | PLEMIA/ECODUCE Materials Edition(プレミア/エコデュース マテリアルズ エディション) |
| 課題と効果 | |||
|---|---|---|---|
| 1 | 製品含有化学物質に関する多様な調査要求が急増。 | 含有化学物質をDB化。従来2~3週間を要していた回答期間が即日回答も可能に。 | |
| 2 | 含有物質情報開示が求められるものの、いろいろな化学物質を原材料とした配合ノウハウは企業秘密であり、情報漏洩が懸念される。 | 配合ノウハウに関わる厳重なセキュリティ管理を実現。 | |
| 3 | 様々な分野・業界に製品を納入。管理すべき化学物質は年々増加し、手作業では管理しきれない状態に。 | DB化により複雑な業務を効率化。高い拡張性で将来施行される法規制にも対応。 | |
モノとモノをつないだり、液体やガスといった流体の漏れを防止する技術であるシールエンジニアリング。そのパイオニアとして様々な分野に高機能シール技術を提供する日本バルカー工業株式会社様では、急増するお客様からの含有化学物質調査要求への迅速な回答、国内外における各種法規制等への対応、そしてさらなる積極的な環境経営を推進していく上でベースとなる新たな含有化学物質管理システムを構築されました。
日本バルカー工業株式会社様は、国内外に31カ所の販売拠点、12カ所の生産拠点、4カ所の研究開発拠点をネットワークし、産業機器、化学、機械、エネルギー、通信機器、半導体、自動車、宇宙・航空産業等あらゆる分野に向け、様々な機械・機器の構成部品、製造装置・プラントの部材として欠かせない高機能シール製品やふっ素樹脂、高機能ゴム等各種素材製品を提供されています。
同社では、企業理念「THE VALQUA WAY」の中で、環境経営を進めるにあたり環境憲章を制定されています。そこでは“国内外の法律、規則、条約、協定などを遵守するとともに自主基準を設け一層の環境保全に努める”、“他産業及び社会との連携を図り、環境に配慮した商品の創造及びサービスの提供に努める”としています。同社製品には化学物質を含んだ製品も多く、これらの製品におけるライフサイクル全般にわたる影響を考慮し、含有化学物質はきちんと管理されなければなりません。

執行役員 田中 秀樹 様
品質保証部長 兼 地球環境担当
同社では、RoHS指令(注1)が発効されたのを機に、取り扱い製品に対しお客様より含有化学物質に関する調査依頼が急増。
「お客様からはいろいろなレベルの要求があります。例えば、この製品には「どんな化学物質が含まれていますか?」「Aという化学物質は含まれていますか?」「どれくらい含まれていますか?」、あるいは「この化学物質が含まれていないという不使用保証をして欲しい」といったものまで様々です」と、田中氏は話されます。
しかし対象となる化学物質は何千何万にも及び、同社が提供する製品も分野も多種多様です。これまでお客様からの調査要求には都度対応されていたものの、その管理作業は年々複雑になり、いかに効率的かつ的確に対応するかが大きな課題となっていました。
「原材料に含有される化学物質を管理し、また、それらを組み合わせてできた製品を管理しようとすると非常に数が多く、これを手作業でやっていてはヌケも出かねません。さらに、法律による規制物質の増加や、科学的な知見の変化によりこれまで無害と思われていたものが有害になることもあります。今後想定されるこうした状況に的確にスピーディーに対応するためにも、データベース化は必須でした」と、砂川氏は語られます。
お客様からの調査要求への迅速な回答、RoHS指令、REACH規則(注2)をはじめとした法規制等への対応、そして環境に優しいシール技術の開発、材料調達等、積極的に環境経営を推進していくにあたり、新たな含有化学物質管理システムの構築が急がれました。
同社では、新たな含有化学物質管理システムの構築にあたって、製品や原材料、使用環境等の特性から、次の5つのポイントを重要視されました。
こうした要求に応えるシステムとして導入されたのが、材料メーカー向けに特化した含有化学物質管理システム「PLEMIA/ECODUCE Materials Edition(プレミア/エコデュース マテリアルズ エディション)」です。材料と材料の配合率・配合量や揮発してしまう物質の管理等、材料メーカー向けの機能を充実。製品に含まれる特定の化学物質量を部品表で一元管理し、製品、ユニット及び部品毎に化学物質含有量をスピーディーに集計・検索できます。
「富士通の「PLEMIA/ECODUCE」はパッケージ製品ということもあり、さらに当社にあわせたカスタマイズを追加していただけるということで、完成型がイメージしやすく、拡張性も高く、選定にあたっての大きなポイントとなりました。また、部門毎に見られる情報を制限できる等、セキュリティ面でも優れていたので安心できました。組立品(均質素材が複数)と混合品(均質素材)という2通りの管理方法に関する対応も数社の中で一番適切でした」と、砂川氏は選定時を振り返られます。「やはりシステムを一から作り上げるとなると、開発期間も長く、費用も高くなりますからね」(砂川氏)。

室長 砂川 里美 様
地球環境室
お客様からの含有化学物質調査要求に対し、従来2~3週間かかっていた回答期間が即日回答も可能となりました。
例えば、製品に含まれている化学物質が今後法律で使用禁止や配合禁止になった場合も、本データベース化により必要な化学物質データが一元管理されているので、効率的な検索ができます。問題の物質名を入力すれば、その物質が含まれる製品一覧が瞬時に検索できるため、代替作業も容易になります。迅速に対応することで、他社に先駆けて有害化学物質フリーの製品を提供することも可能ですので、経営的にも大きな差異化につながります(図)。

お客様対応はもちろん、データの一元化により社内各部門からアクセスしやすくなったことで積極活用が期待されます。「例えば、開発部門が次の製品戦略に向け化学物質を軸にどのような開発を進めるべきか、今後のトレンドはどうなるか、というようなことも想定できます。また、製造部門では、どうやって要求に応じて特定物質を低減するか、どの製品から手を付けるべきか、といった優先順位付け等にも活用。調達部門なら、特定の化学物質を含まない原材料を調達する上で有効なデータになります。社内各部門、そしてグループ全体でこのデータを有効活用し、お客様の環境経営にも貢献できる製品を提供していきたい」と、田中氏は環境経営の推進力としての同システムの今後に期待されます。
| 設立 | 1932年(創業1927年) |
|---|---|
| 資本金 | 約139億5,700万円 |
| 従業員数 | 約600名(連結 1,530名) |
| ホームページ | 日本バルカー工業株式会社様 ウェブサイト |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。