
24時間絶え間なく動き続ける物流事業。その物流効率化と高度な物流サービスの提供のため、輸送情報ネットワークシステムを構築。全国的な組織力を活かした同システムで、輸配送の効率化、営業支援、環境対策をバックアップ。
[2010年12月2日 掲載]
| 導入事例概要 | |
| 業種: | 流通業 |
| 製品: | 輸送情報ネットワークシステム |
生鮮食品をはじめとした生活物資、ビジネス関連資材等、輸送事業は24時間止まることがありません。日本最大級の物流ネットワークを組織・運営する日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会様では、全国ネットの組織力を活かした情報共有によるさらなる物流の効率化を促進すべく、戦略的プライベートクラウド環境を新たに構築し、システムを刷新されました。これによりCO2排出量削減など大きな環境貢献へとつながっています。
| 課題と効果 | |||
|---|---|---|---|
| 1 | リアルタイムな取引情報以外に、中長期的な取引情報、パートナー探しなどの情報へのニーズが高まった | 中長期的な営業支援、全国レベルでのパートナー探しが可能になり、営業範囲が拡大。計画配送・業務効率向上、新規ビジネスの獲得も容易に。 | |
| 2 | 登録検索情報、積込地・卸地の最新詳細地図の入手など操作や手間を短縮化したい | 既知情報と新着情報を色分けし情報鮮度を見える化。また、ボタン一つで最新のピンポイントな詳細地図情報を表示。周辺画像表示も可能に。 | |
| 3 | ローカルネットシステム活用による運行がいかにCO2排出抑制に貢献できているのか、具体的な数値をつかみたい | CO2排出量を見える化。具体的な数値として捉えられるようになり、環境対策強化を実現 | |
日本ローカルネットワーク協同組合連合会(以下、JL連合会)様は、物流における効率化と高度な物流サービスの提供へ向け、中堅中小の運送事業者が自ら設立した日本最大級の物流ネットワーク組織です。現在、全国122組合1,650社の組合員によって構成され、車両・荷物・倉庫などの物流情報を公開する輸送情報ネットワークシステム「ローカルネットワークシステム」(注1)を構築・運用されています。
同システムを核に、各組合員が求車求荷情報を提供・活用・連携することにより、例えば配送先からの帰り便の荷物確保や積み合わせなど、荷物情報と空車情報とをマッチングさせリアルタイムに情報配信し、契約・決済までを行えるようにするなど、ロスの少ないより効率的な輸送を実現しています。こうした活動が、事業コストの削減やサービスの向上、そしてCO2排出量削減など環境対策へ大きな成果を挙げています。

会長 加藤 浩幸 様


事務局長 山田 睦夫 様
システム構築のきっかけは大阪から東京へ荷物を輸送した際の運送事業者3社の会話にあったといいます。
3社の車両3台が偶然同時期に東京へ荷物を運んでいたことがあり、これが例えば1トンずつの荷物だったとしたら、どちらかの4トン車1台で運ぶことが可能でした。また、通常なら荷物を届けたら帰りは空になります。空気を運んで、高速道路を走り、燃料を使って、CO2を排出しながら帰ってこなければなりません。でもそれは、情報を共有することで効率化が図れるのではないか。
最初は電話でのやりとりからスタートし、Faxによる情報交換、そして1990年、パソコンを使ったシステムを構築。車を求める、荷物を求める、求車求荷システムです。これを機に組合員は徐々に全国に拡大していきました。
しかし、当初のシステムでは、情報の発信から受信まで30分から1時間を要していました。望まれたのは「リアルタイム化」でした。
多くの組合員からの要望を受け、1996年、「リアルタイム化」をめざして富士通と共に新たに構築したのが「荷物・車両情報検索システムV1」でした。当時では珍しくインターネット技術を生かしイントラネットによるシステムが誕生。24時間365日いつでもアクセスが可能で、最新の荷物・車両情報がリアルタイムで入手可能となりました。これにより省力・迅速・低コストで効率のよい輸送計画を立てることができるようになりました。
さらにV2では「情報の浸透化」をテーマに、これまでパソコンでしか見られなかった情報を携帯電話にメール配信するシステム「スグニー」(注2)を考案。事前に登録した求車求荷情報にマッチングした情報が自動的に携帯電話にメール送信され、リアルタイム性がより進化。より現場に密着し、特に緊急性を要する配送案件で効果が発揮されました。

これまで周期的に大幅なシステム更新が行われてきました。今回、V3へとシステムを刷新するにあたっては、組合員を対象にWebアンケートを実施し、さまざまな要望の中から次のようにポイントを絞り、新たにV3機能として検討を進めました。
本来、運輸業界では低公害自動車の積極的導入や排気ガス浄化装置の設置、貨物の輸送効率向上などにより、CO2削減、低炭素化へ向けて他業界よりいち早く取り組んできました。さらにはドライブレコーダーや運行管理システム、環境性能に優れたタイヤの装着など、様々な設備投資も行われており、実際には一般の乗用車よりCO2排出量は削減できています。それでもまだまだ貢献できる要素は多分にあります。国が政策として掲げた25%のCO2排出量削減という目標にどう貢献できるのか。
今回、CO2排出量計算機能(注3)を追加したことで、各運送事業者がその数値をどう捉えるか、そしてその数値をどう活かすのかが重要です。また、これまで各々の運送事業者が独自に取り組んできた環境対策を連合会という集合体として捉えていくことで新たな展望も拓けます。そこに大きな期待が寄せられています。今後は、こうして蓄積されたCO2排出量データを基に新たな輸送効率化を目指し、事業に展開するといった構想も練られています。
富士通は、これまで環境分野で培ったノウハウ、そして最先端のICT技術や製品サービスの提供を通して、環境・安全・安心に配慮し、社会に貢献し続けるJL連合会様の環境活動を支援してまいります。
| 設立 | 1995年(創立1991年) |
|---|---|
| 取引高 | 570億円 |
| 組合員数 | 122組合 1,650社 |
| ホームページ | ![]() 日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会様 ウェブサイト |
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。