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ジオフェンシング :デジタルマーケティング コラム

「ジオフェンシング(Geofencing)」とは、マーケティング活用において、特定エリアに仮想的な「フェンス(柵)」を作る仕組みのことです。「ジオフェンシング」の基本について、活用例なども交えながら、富士通総研 田中 秀樹が解説します。

マーケティング活用で注目される「ジオフェンシング」

馴染みの店舗に近づくと、スマートフォンの着信音がして「今なら10%割引」のクーポンメールが届く。スマートフォンの急速な普及にあわせて、企業がマーケティングにエリア情報を活用する「ジオフェンシング」と呼ばれるサービスが注目されています。

ジオフェンシングとは

「ジオフェンシング(Geofencing)」とは、特定エリアに仮想的な「フェンス(柵)」を作る仕組みのことです。フェンスを張ることで、特定ユーザーがスマートフォンを持ってフェンス内に出入りする際に、適切な情報を送ることができます。

現在のO2O(Online to Offline)と呼ばれる店舗の販促情報サービスでは、ユーザーは店舗と離れた場所でクーポンを受け取ったり、店舗にいてもわざわざクーポンを探して確認する操作が必要です。これに対し、ジオフェンシングは店舗に近づいた時に操作をしなくても自動的にクーポンが表示されるという特長があります。

図:[店舗周辺のフェンス活用例]
送客:店舗近くに来ると、顧客に来店ポイント特典や店内で実施しているキャンペーン情報やお得なクーポン情報を配信
[店舗内のフェンス活用例]
誘導:来店した顧客の購買を高めるために、売り場毎に異なるフェンスを張ってお得なクーポンを配信したり、おすすめの商品に誘導する

ジオフェンシングの代表例: GPSで店舗周辺にフェンスを作る「ビック・スマートクーポン」

ジオフェンシングの前提となるエリアの測定技術として代表的なものがGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)です。ビックカメラは、スマートフォンのGPSを使った「ビック・スマートクーポン」の実証実験を行いました。これは、ユーザーが店舗に近づくと、アプリを起動しなくても、スマートフォンにクーポンが自動的に配信される仕組みで、「購入履歴」、「位置情報」、「天候(翌日の降水確率が高いと送る)」などに応じてカスタマイズされたクーポンが用意されていました。

ビックカメラは、どのタイミングで、どんなクーポンを配信すれば効果的かを検証したそうです。この仕組みを使うと、店舗で商品を確認して家で注文しようとしていた「ショールーミング」のユーザーに対し、店舗エリアを出るタイミングで時間限定の割引クーポンを配信して店舗に呼び戻す、といったことも出来るのかもしれません。

ジオフェンシングの代表例: iBeaconで店内にフェンスを作る「アメリカン・イーグル」

GPSはスマートフォンに標準的な機能として搭載されているので多くのユーザーを対象にできますが、測位の誤差が出やすく、屋内では電波が届かないといった課題があります。そこで、GPS以外にも様々な測位技術が登場しています。

AppleはiPhoneなどに使われるiOS 7にBluetoothを使った近接通信技術「iBeacon」を搭載しました。iBeacon対応ビーコン(無線標識)が置かれたエリアにユーザーが近づくと、それをiPhoneが感知して自動的に情報を表示するようになっています。GPSが苦手な屋内で使えるだけでなく、省電力で狭いエリアだけを対象にできるといったメリットもあります。

米国のアパレル「アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ」は、全米100店舗でiBeacon対応サービスを導入する計画を発表しました。ユーザーはアメリカン・イーグルの店舗に入るだけで、商品紹介やプライスダウン情報を受け取ることができます。現在は入口で情報を受け取るようになっていますが、今後、売り場ごとに異なる情報を受け取れるよう展開するそうです。

iBeaconを上手く使えば、店舗の近くに来たユーザーも店内に呼び込み、ユーザーの好みを分析した上で、レコメンドすべき商品の売り場に誘導して、クーポンで衝動買いを誘う。こんなスマートフォン接客が可能になるでしょう。

ジオフェンシングの可能性

ジオフェンシングで出来るのはクーポン配信だけではありません。スマートフォンの位置を測定することで、ユーザーの店内行動が把握できます。今までは、ユーザーの「チェックイン」などの来店情報やPOSの購入情報しか分かりませんでしたが、ユーザーの行動ルートや滞在時間を正確に測定することが可能になります。このようなデータは、店舗のゾーニング検討やイベントの効果測定に有益なものになるでしょう。

今回紹介したGPSやiBeacon以外にも、Wi-Fi検知、IMES(Indoor MEssaging System)など様々な測位技術が開発されています。位置情報と様々なデータを加えることで、ユーザーの状況が的確に分かるようになります。ジオフェンシングの普及と共に実店舗における技術を活用したデジタルマーケティングの時代が来るに違いありません。

(株式会社富士通総研 田中 秀樹)
株式会社富士通総研(FRI)

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