富士通

 

コンタクトセンター構築成功事例を
琉球大学様がPBL教材として採用


琉球大学 工学部様 導入事例


富士通のコンタクトセンターLCM支援サービスで構築されたコンタクトセンターが成功モデルとして、国立大学法人琉球大学様のPBL(注1)教材に採用されました。

[ 2009年10月7日掲載 ]


(注1)  PBL(Project Based Learning)とは:
学習者に実際のプロジェクトや擬似的なプロジェクトを体験させることにより、課題解決の手法や能力を修得させる育成手法です。 国立大学法人琉球大学様では、総務省から委託をうけ、高度情報通信人材育成プログラム開発の一環であるICTマネジメント人材を育成するためのPBL教材の開発をしています。


「今回の教材づくりにおいて、パートナーとしての富士通さんの連携への熱意、人材の幅広さ、そしてコンタクトセンター構築の実績には驚いています。今後もその力を大学教育、とくにIT人材育成に注いでいただくことを期待します」。

総務省よりPBL教材開発を委託された琉球大学工学部様がとくに着目したのは、富士通と富士通総研(以下:富士通グループ)が取り組んだコニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社様の導入事例です。富士通は同社において全国150の営業拠点の業務効率化と、顧客サービス向上のためのコンタクトセンターを構築。そこには、自ら現場に入り、お客様と一緒になって業務プロセス改善に取り組み、経営層と現場の触媒となる、富士通ならではのフィールドイノベーションが蓄積した、コンタクトセンター設計のノウハウがありました。今回開発されたPBL教材は、今後、全国の大学において活用いただく予定です。

本事例に関するお問い合わせ

  • [右側]
    国立大学法人琉球大学 助教(工学)

    宮里 智樹 氏

  • [左側]
    富士通株式会社 ネットワークサービス事業本部
    ネットワークソリューションセンター
    コールセンターソリューション部 課長代理
    HDI国際認定オーディタ

    野近 英哉



コンタクトセンターの集積地・沖縄県に求められる人材育成

野近

私は、ふだんコンタクトセンター構築の世界にどっぷり身を置いているので、今回のように、実際に導入されたソリューションを大学教育の教材に活かす連携プロジェクトは、視野を広げてくれました。とくに大学教育におけるIT人材資源育成の重要性について認識を新たにしました。

宮里氏

よく知られますように、近年、沖縄県はコンタクトセンターを数多く抱えております。それにより、雇用が数千人規模で増加している、今後もコンタクトセンター誘致に力を入れようとの機運があるのですが、私はそこに大きな課題があると考えています。それは働く人材の質を高めることです。若い人たちがクレーム処理で疲弊してしまう、キャリアパスにつながらないコンタクトセンターが増えるだけではIT人材資源が育たないのです。

野近

それは沖縄県だけの問題ではないと思います。コンタクトセンターは大都市圏から地方都市への展開が増えているのですが、大手の子会社や関連企業がオペレーターを求めての展開であるために、リーダーやスーパーバイザークラスへの登用が少なく、その地域に根付かずに撤退してしまうセンターも増えてきました。コンタクトセンター内での人材育成やコンタクトセンターの上流設計を考える人材をもっとセンター内で育てる必要があります。

宮里氏

琉球大の学生に関心を抱かせるテーマとしては、まさにそこに着目し、これからのコンタクトセンターはどうあるべきかであろう、と考えたのです。


戦略的コンタクトセンター構築の実例が生きた教材に

野近

総務省の委託事業であるICT人材資源マネジメントのPBL教材として、私どものコンタクトセンター導入事例に着目いただいたわけですが、もっぱら企業のコンタクトセンター構築に視点を向けてきた私どもにとって、教育分野での活用はサプライズでした。

宮里氏

大学教育のプロジェクトベースの研究や演習などでも、PBL教材活用の動きが始まりつつあるのですが、今回のPBL教材づくりで重視したのはリアリティのあるケースを題材にしたいという点でした。その意味で、単なるコンタクトセンター構築ではなく、コンタクトセンターを業務改善の司令塔と位置づけ、そこから企業としての取り組みを具体化していくコニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社様の導入事例は、まさに教材としてぴったり。しかも富士通さんが一から十までを手がけた、稼働開始後1年ちょっとのシステムのリアルデータを利用させていただき、説得力ある教材になりました。


いかにコンタクトセンターの上流設計の重要性を理解させるか

宮里氏

講義内容計画書(シラバス)づくりでは野近さん、富士通総研の竹本さんと協働作業で進めることができました。重点を置いたのは、システムの上流設計がユーザーやコンシューマーの声や要望を企業戦略策定で利活用するうえでいかに重要か、つまりコンタクトセンターの完成度を高めることを学ばせる点にありました。


野近

そのポイントに学生さんの目を向けさせるのは難しかったですね。社会経験がほとんどない学生さんに、業務の実際をどこまで理解してもらえるか。コンタクトセンター構築では上流設計が重要だといっても、その重要さをどう伝えるかが、課題でした。
教材の開発メンバーとして、富士通のシンクタンクである富士通総研と協力して課題に対応しました。富士通総研では、題材であるコニカミノルタビジネスソリューションズ株式会社様の導入メンバー他、社会人教育(新人から幹部まで)の専門家と、教材を利用する学生の理解度を確認するために、新人社員を加えました。

宮里氏

学生が、教材を見て「ふーん、そうですか」とスルーされては困るわけです。その点、コンタクトセンター導入現場の事情を知りつくした野近さんと富士通総研の竹本さんに教材作成に加わっていただき、心強かったです。テキストの1行1行が、富士通グループの経験やノウハウをもとに書かれているので臨場感があるのです。野近さんには、実際にすべての講義に講師としてご登壇いただきましたが、私が見ていて学生たちの関心は高かったと思います。

野近

はじめの何時間かは、異次元の話を聞いているような雰囲気もありました。「ああそうか、これから社会に出て行く学生さんなのだ」と心にとめて講義を進めるにつれ、徐々に意思の疎通がとれてきました。うれしかったことは、12人の受講者全員が講義終了まで出席してくれたことです。


見えてきた学祭的人材資源マネジメント教育の必要性

野近

3日間で22.5時間の講義ボリュームという制約はありましたが、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を可視化することの重要性や、その改善の必要性について、さらに踏み込みたかったですね。しかし踏み込むほどに、就業体験のない学生さんにはピンと来ない話になってしまうという壁があることもわかりました。

宮里氏

その壁を乗り越えるのは難しいのですが、今回の教材づくりと検証のための講義を通して、じつは重要なヒントを得られたと思っているのです。1つが、若きベンチャー創業者として自社のコンタクトセンターを構築するとしたなら、上流をどう設計するべきか。そこでの人的資源をどうマネジメントしたらよいかという演題を与えることで、学生たちのモチベーションは一気に上がるのではないかと思いました。

野近

経営者としてコンタクトセンター構築をシミュレーションさせ、人的資源マネジメントの重要性を知ってもらうのですね。

宮里氏

はい。そのためには工学部の学生だけでなく、経営・経済学部、あるいは専門学校生などを交えた学祭的な展開が有効になってくると、これが第2のヒントになりました。私の願いは、沖縄県に自社コンタクトセンターを擁するベンチャー企業が数多く育つことです。そうなれば人材が育ち、県経済が活性化していくはずです。今回の教材づくりにおいて、パートナーとしての富士通グループさんの連携への熱意、人材の幅広さ、そしてコンタクトセンター構築の実績には驚いています。その力を大学教育、とくにIT人材育成に振り向けていただくことを期待します。

野近

お客様の業務の現場に深く関わりながら、業務とITの両輪をうまく回していく人材育成を支援する。これが富士通のフィールドイノベーションですが、今回の連携を通して、企業の現場だけでなく、大学というフィールドにおける人材育成支援の重要性を認識しました。琉球大学様に対しましては、今後もあらゆるビジネスの課題解決に向けてご支援をさせていただきたいと考えております。



宮里 智樹 氏 プロフィール

宮里智樹氏/工学博士、琉球大学工学部情報工学科助教

1971年5月14日生
1996年 琉球大学大学院工学研究科機械工学専攻博士課程修了
2000年 東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了
2007年 琉球大学工学部情報工学科 助教

沖縄IT人材育成協議会運営員、平成16年度より、 高度IT人材育成のための教材開発に多数携わり、平成18年度 先進・実践結合型IT産業人材養成事業 カリキュラム委員(平成20年度よりカリキュラム委員長)


パートナーメッセージ

富士通株式会社 ネットワークサービス事業本部
ネットワークソリューションセンター
コールセンターソリューション部 課長代理
HDI国際公認オーディタ COPC登録コーディネーター
ヘルプデスクセンター運営委員会委員(2006年~2009年)
野近 英哉

沖縄県では1998年より「沖縄マルチメディアアイランド構想」を掲げ、コンタクトセンターを始めとした情報通信産業の振興・集積を図ってきました。琉球大学様では「沖縄マルチメディアアイランド構想」と呼応する様にICTマネジメントの開発も実施されています。インタビュー中に話題に出ていましたが、現在はコンタクトセンターを設計・運営を出来る人材育成が課題であり、今回はその一部のお手伝いが出来たと思います。
富士通ではコンタクトセンター従事者向けに研修等を実施しておりますが、教材開発を含め未就業の方に対しての研修実施は初めてでした。内容も設計・運用と高度なものでしたので不安もありましたが、琉球大学様の日常の取り組みもあり無事に終了出来た事は誠に喜ばしい限りでした。
今後とも琉球大学様における人”財”育成のお手伝いが出来れば幸いです。


株式会社 富士通総研 (富士通総研Webサイト
第二コンサルティング本部 産業コンサルティング事業部
マネジングコンサルタント CRM協議会理事(2008-2009年度)
竹本 将和

琉球大学様では、ICTマネジメントの人的資源に関わる人材の育成を目指し、沖縄のビジネスの特徴でもあるコンタクトセンターに着目されていました。
今回、作成をご支援させて頂いた教材では、「コンタクトセンターは、ただ電話やメールに対応すれば良いというものではなく、企業毎の戦略や方針に基づいた業務や組織の設計、派遣社員を含めた人材のマネジメントが重要である」ことを、富士通グループが過去に実施したプロジェクトをベースに受講者に擬似体験して頂きました。
人的資源のマネジメント方法だけでなく、企業における業務の背景や狙い等の考え方も学ぶ事で、今まで以上に実践的で優秀な人材が育っていく事を楽しみにしています。
最後に、今後も富士通グループとしてシステムや業務だけでなく「人を育てる」事についてもご協力できれば幸いと考えています。


【琉球大学様 概要】

大学本部 〒603-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地
開設 1950年
学部・学科 法文学部、観光産業科学部、教育学部、理学部、医学部、工学部、
農学部、大学院、専攻科
学生数 学部生 7190名、大学院修士 622名、大学院博士 229名、
大学院生法務博士 94名 (平成20年5月現在)
職員数 1713名(平成20年6月現在)

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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