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特集 これからの日本に求められる"地域包括ケア"とは?

"地域包括ケア"が求められる背景

団塊世代のすべてが75歳以上の後期高齢者となる2025年、日本全国に巨大な医療介護ニーズが押し寄せることが予想されます。
死亡場所における年次推移(図1)を見ると、現在、日本人の殆どが病院で亡くなっており、今後の超高齢社会の進展により、そのニーズはさらに増大することが予想されます。

死亡場所推移(全国推計)図
図1:死亡場所における年次推移

しかし、これに対して政府は、医療費抑制の観点から、これ以上の病床の量的拡充は行わない方針を示しています。このままでは、2025年には40万人を超える"看取り難民"が発生すると言われており、何らかの抜本的な対策が求められています。そこで政府が示した対策が、病院内療養から"在宅療養"への転換です。今回の診療報酬改定からも明らかなように、現在、国家主導で、在宅療養体制の推進が図られています。

図2:一般市民が望む看取り場所に関する調査
図2:一般市民が望む看取り場所に関する調査

但し、この流れは、看取り問題や財政問題ばかりを根拠に推し進められている訳ではありません。厚労省が実施した一般市民が望む看取り場所に関する調査では、全体の64%もの人が「人生の最期は自宅で迎えたい」と回答しており、病院を希望した人は僅か30%に留まっています(図2)。住み慣れた環境で大切なご家族と共に、終末期を過ごすということは、市民の願いであると言えるのです。このような点からも、近年、在宅療養は理想的な終末医療のひとつとして捉えられるようになり、政府、地方自治体、医療従事者が協力して、在宅療養を推進させていこうという流れがあります。

図3:地域包括ケアシステムの構築を行う背景
図3:地域包括ケアシステムの構築を行う背景

在宅療養の現場では、「訪問診療」「訪問看護」「訪問リハ」「訪問介護」「ケアマネ」など、様々な職種が関わっていることから、これらが有機的に連携し、患者さんやご家族にシームレスな在宅療養サービスを提供することが求められます。この連携を果たす役割こそが、いま注目されている"地域包括ケアシステム"なのです(図3)。

私たち富士通株式会社は、この地域包括ケアシステムの構築に求められる多職種連携をICTで繋ぎサポートします。それこそが、在宅チームケアネットワーク「在宅チームケアシステム」なのです。

在宅医療・介護連携を実現するためのポイント

在宅医療・介護等の多職種連携では、医療側が介護側に歩み寄り、職種間ではフラットな関係で、健康・生活情報を共有する必要があります。顔の見える関係を強化するためには、「ルール化」×「ICT」×「マネジメント」を組み合わせることが多職種連携のポイントとなります。

自宅医療・介護の情報連携のポイント

また、主体として推進する自治体様、医師会様などの事務局の存在が、経営母体の違う多職種間の情報連携において重要となってきます。(図5)

図5:在宅医療・介護の多職種間での情報連携
図5:在宅医療・介護の多職種間での情報連携

課題とその解決手段

在宅医療・介護の多職種連携を実現するにあたり、いくつか課題が発生します。以下では課題の一部とその解決手段についてご紹介します。

 

課題

 

解決手段

1 情報をタブレット端末で入力するのが煩わしい 口述や紙の情報でも入力補助者が 「代理入力」を行える仕組みにする
2 在宅医療機関(医師)の負担が大きく多職種連携の時間が取れない 医師の負担を軽減できる環境づくりを 行い、多職種連携を行う時間を創出する

課題1に対する解決手段 : ICTサポータによる入力補助

紙媒体で共有されていた既存の在宅訪問記録・介護ノートなどの画像情報を判読して、多職種間で共有すべき共通指標の該当箇所への情報入力を補助します。(図6)

図6:ICTサポータによる入力補助
図6:ICTサポータによる入力補助

課題2に対する解決手段 : 在宅医療機関の負荷軽減の仕組み

在宅医療・介護の連携を行うにあたり、在宅医療機関が無理なく続けられる環境を構築することが第一となります。多職種連携の時間を創出し、多職種から在宅医療機関へメッセージが届いた場合に、在宅医療機関が多職種へメッセージを返信することが、連携の活性化につながります。

図7:サービス活用時の効果
図7:サービス活用時の効果

地域包括ケアシステム構築に向けた富士通のトータルサポート体制

前述したとおり、地域包括ケアシステムは、ICTシステムの導入だけでは機能しません。自治体様や医師会様、及び医療介護職者が連携し、主体的に取組むことこそが、地域包括ケアシステムの"要"なのです。
私たち富士通株式会社は、これまで築き上げたノウハウを統合し、地域包括ケアシステムの実現を総合的にサポート致します。

1

推進体制の組織化と運営

地域包括ケアシステム構築のための、地域の多職種が参画した会議体設置、顔の見える関係性の醸成等、持続可能な体制構築と運営を支援します。

2

地域の実態調査と将来予測

地域における医療介護サービスの需給量の実態を、定量・定性的に把握することは、必要な人に必要な量のサービスを提供する上で、不可欠になります。現状の医療介護サービスの整備状況を調査し、予測される需要量に対して、どの程度の連携体制や供給量が必要になるのかを試算します。特に、死亡診断書データに代表される小票解析では、通常得られない精度の高い実態把握と将来推計が可能となります。

3

研修・ワークショップの企画・コーディネート

組織として成長するためには、様々な症例への対応力や、多職種を繋ぐコーディネート力など、関係者個々の能力やスキルの向上が求められます。これらを目的とした多彩な研修・ワークショップの企画運営をサポート致します。また、弊社独自のネットワークを活用し、各界の有力外部講師の招聘など、コーディネート支援も行います。

4

市民啓発プログラム企画運営

様々なテーマ(地域医療の将来像、自宅看取り、認知症、予防医療等)に関する市民啓発プログラムを企画運営し、地域社会や"まちづくり"と接続した地域包括ケアシステムの構築を目指します。又、前述の研修・ワークショップと同様、講師の招聘から、大規模なシンポジウムの現場運営まで、トータルなサポートが可能です。

5

多職種連携ICTシステム導入支援

在宅チームケアネットワーク"在宅チームケアシステム"により、連携の促進・効率化と、顔の見える関係性強化の実現を強力にサポートします。