山一電機株式会社 様

調達EDI「ProcureMART」導入により、国内外調達業務の高度化と100%電子取引を実現

調達EDIシステムを、富士通のProcureMART で実現。サプライヤー企業様との情報共有、調達業務の効率化、調達リードタイム短縮や在庫削減などを達成。

山一電機株式会社様は、卓越した技術力によって業界でも高い評価を集める、ICソケット、コネクターを主要事業とする電子部品メーカーです。現在、全社をあげて経営革新活動を展開しており、その大きな柱として生産体制の改革に取り組んでいます。この改革においてクローズアップされてきたのが、調達EDIシステムの機能強化でした。2006年4月、従来のシステムから富士通のProcureMARTに移行し、帳票の100%ペーパーレス化による業務効率の向上、納期回答のスピードアップによる在庫削減などの成果を獲得。今後は海外工場にも展開し、部品調達のグローバル化を推進していきます。

課題
効果
課題サプライヤー様との情報共有によって、生産・部品調達のリードタイムを短縮する
効果サプライヤー様からの納期回答が格段とスピードアップ。製品および部品の在庫を約1割削減。
課題部品調達のグローバル化に向けての基盤を構築する
効果グローバル対応機能によって、日英、さらには中国語への容易な切替が可能。将来的には、中国、フィリピンの海外工場でも展開。
課題電子化の推進によって、調達業務のさらなる効率化を追求する
効果EDI-FAX機能によって、EDI未導入サプライヤー様(間接材料含めたすべての購買取引)への帳票も電子化。100%ペーパーレス化を実現し、業務効率を向上。

導入の背景

改革とともに浮上してきた調達EDIシステムの機能強化

山一電機株式会社様(以下、山一電機様)は、卓越した技術力によって業界でも高い評価を集める電子部品メーカーです。優れた信頼性を実現するICソケットやコネクタ、半導体やFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)の品質を支えるテストソリューション・デバイス、さらにはフレキシブル回路基板、光学多層薄膜フィルターまで、その製品は多岐にわたり、お客様の要望にワンストップで応える技術力を誇っています。

これらの技術を基盤とした企業力を強化し、グローバル化という環境の変化にいち早く対応するために、山一電機様では2005年から「CHALLENGE 500」と名付けた経営革新運動に全社をあげて取り組んでいます。この活動において大きな柱となっているのが、SCM(注1)の強化とスピードアップを中心とした生産体制の革新です。取締役 佐倉事業所長・生産担当の織田俊司氏(2008年4月1日代表取締役社長に就任)は、その取り組みについて次のように語ります。

「お客様企業の世界展開に対応して、近年、当社でもグローバル化が急速に進んでいます。国内に加えて中国、フィリピンに生産拠点を設けていますが、生産における海外比率は9割近くに達しようとしています。そこで大きなテーマとなってきたのが、海外での部品調達率をいかに高めるかです。まず国内での仕組みを改革し、最終的には日本の本社で一元的に管理して国内外で効率よく部品を調達できる体制の確立を目指しています。」(織田氏)

この生産体制の革新を進めるプロセスの中で浮上してきたのが調達EDIシステムの機能強化でした。山一電機様では、すでに2003年から自社開発によるEDIシステムを稼働させています。しかし、この従来のシステムでは新たな改革に対応しきれなくなっていたのです。

石井 靖夫氏
山一電機株式会社
資材部 企画グループ
グループ責任者
播磨 佳子氏
山一電機株式会社
資材部 企画グループ

導入の経緯

わずか半年という期間でProcureMARTへの移行を実現

「今回の改革では、生産計画の最適化を図るために新しい支援システムを構築することになりました。しかし、生産や調達のリードタイム短縮、在庫削減などを実現するためには、支援システムだけでは対応できず、調達EDIシステムの機能を拡張する必要が生じてきたのです。」(石井氏)

と語るのは、今回のEDI改革で中心的な役割を担った資材部企画グループの石井靖夫氏。新たな拡張機能とは、所要計画に基づく事前情報のサプライヤー様への提供、納入指示機能、データ連結などです。当初、従来のEDIシステムでの改善を検討しましたが、コストや手間が増大することが判明。そこで、新システムへの移行を念頭において検討を進めることになりました。

「検討にあたっては、導入や運用が容易であること、将来の環境変化などについても柔軟に対応できることなどから、まず始めにASP(注2)タイプのソリューションに絞り込みました。そして、最終的に富士通のProcureMARTの導入を決定したのです。」(石井氏)

ProcureMARTは、所要、見積から注文、検収までの調達プロセスをWeb上でトータルにサポートするEDIサービスです。電機・電子・自動車業界を中心にバイヤー企業約130社、取引先(サプライヤー)企業様約12,000社の導入実績を誇り、中国・東南アジアをはじめとするグローバル展開にも柔軟に対応しています。

「これらの実績やグローバル対応に加えて、先にあげた当社が求める拡張機能をすべて標準で備えていた点もProcureMARTを選択した大きな理由です。他社のソリューションではオプションなどを追加しなければならず、導入コストが増加する可能性がありました。」(石井氏)

導入がスタートしたのは2005年9月。当初、移行にあたっての課題を洗い出すと、120項目にも及んだそうです。多い時には週1回のペースで、富士通およびそのパートナー企業である大興電子通信とのミーティングを重ね、これらの課題を一つひとつ解決していきました。帳票の項目など詳細な部分については独自のカスタマイズも実施。そして半年後の2006年4月、早くもProcureMARTが稼働しました。

「以前のEDIで経験があったとはいえ、わずか半年の準備期間で稼働できたことには驚きましたね。基本的にWebが使用できる環境があれば利用できますし、導入や運用がとても簡単であることを実感しました。1万社以上の導入実績に裏打ちされた富士通や大興電子通信のノウハウによって、サプライヤー様への導入も短期間でスムーズに展開できました。」(石井氏)

導入の効果

サプライヤー様との情報共有を実現し、在庫を約1割削減

山一電機様では現在、80社のサプライヤー様とEDIによる取引を行っています。2006年4月の移行時には、まず5社のサプライヤー様でProcureMARTをテスト導入し、改善を重ねながら段階的に拡大して3ヵ月後の7月に80社すべての移行を完了しました。サプライヤー様のサポートなどを担当する播磨佳子氏は次のように語ります。

「今回のProcureMARTでは、サプライヤー様とやりとりする帳票をPDF(注3)化して簡単に扱えるようになりました。最初のテスト導入時には、プリンターの設定などの関係でPDF化した帳票のバーコードが読み取れないなどの問題が発生しましたが、それらも順次解決できて切替は比較的スムーズでした。」(播磨氏)

さて、ProcureMART導入の成果ですが、まずあげられるのは100%ペーパーレス化による業務効率の向上です。従来のシステムでは、EDIを導入していないサプライヤー様に対して、旧来のようにFaxによる帳票のやりとりが必要でした。ProcureMARTは、Fax利用のサプライヤー様についてもEDIとして一元的に対応・管理できるEDI-FAX機能を備えており、この機能によって帳票の100%ペーパーレス化が可能になったのです。また、直接材料(製品・部品・原材料)に加え、間接材料(事務用品他)の資材調達に係わる領域すべてをEDI化し、送受信の確認作業を容易にすることができました。

「ProcureMARTについては、サプライヤー様での使い勝手のよさも大きなメリットだと思います。以前のシステムに較べて操作もしやすく、画面もサクサク動くと評価は高いですね。」(播磨氏)

また、生産や調達のリードタイム短縮についても確実に成果が表れています。所要計画情報などの共有化によって、サプライヤー様からの納期回答が格段にスピードアップしました。現在、納期の打診について、翌日にはほぼすべてのサプライヤー様から回答が寄せられます。これらの効果は製品や資材の在庫削減に結び付いており、導入前と比較して約1割の削減を実現しています。

将来の展望

グローバル機能を活かして、今後は海外工場でも展開

ProcureMARTは、山一電機様にとって大きなテーマである部品調達の現地化に向けても基盤となるシステムです。ProcureMARTには、Web画面での操作によって簡単に言語が切り換えられるグローバル対応機能が備えられており、日英に加えて中国語での対応も可能です。グローバル展開について、石井氏は次のように語ります。

「今後は、海外関連工場での現地調達品の電子取引化を図り、拠点毎に情報の共有や日本側での統括管理をおこなう。ProcureMARTを利用すれば、そんな体制も可能だと考えています。」(石井氏)

さらに将来的な構想としては、海外営業拠点が持つ販売情報などとのリンクも視野に入れています。営業見込みや注文などの情報を、生産ばかりでなく部品調達計画にまでダイレクトに連携させたグループグローバルなシステムです。

グローバル化は、山一電機様にとって今後の成長の鍵を握る重要な経営戦略です。富士通は、独自のワールドワイドなネットワークを活かして、山一電機様のグローバル展開を強力にサポートしていきます。

山一電機株式会社 様

事業分野 電気機器事業(ICソケット、コネクターなど)
所在地 〒143-8515 東京都大田区中馬込3-28-7
代表取締役社長 織田 俊司
設立 1956年11月1日
資本金 100億1,300万円
従業員数 556名(2007年4月1日現在)
ホームページ http://www.yamaichi.co.jp/
  • (注)
    本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2008年4月9日掲載]

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