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Hadoop活用によりバッチ処理時間を20分の1以下に削減し、
毎日の在庫状況を反映した効率的な発注を実現

クラウド導入事例 株式会社バロー様 城山店(愛知県尾張旭市)の外観写真

株式会社バロー様 導入事例


東海北陸を中心にスーパーマーケットなどを多店舗展開するバロー様では、店舗運営のローコスト化、競争力の強化を目指し発注の性能向上を検討。富士通の「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5(以下、Trusted Public S5)」とHadoopを組み合わせ、基幹システムから店舗在庫計算処理を切り出し、バッチ処理の高速化を実現しました。従来までは平日7時間、棚卸時には24時間かかっていた日別店舗別在庫計算のバッチ処理を、Hadoopを使うことで20分の1以下に短縮。これにより、前日の在庫を反映した性能の高い発注の仕組みができるとともに、時間単位でのクラウド利用で運用コストの削減が可能となりました。

「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」は、「FUJITSU Cloud Service S5」へ名称変更しました。
[ 2014年7月24日掲載 ]

種別 SaaSを採用していません PaaSを採用していません IaaSを採用しています DaaSを採用していません NetWorkを採用していません プライベートクラウドを採用していません
サービス FUJITSU Cloud Service S5
(旧名称:FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5)
選んだ理由 Hadoopと組み合わせ、バッチ処理時間の大幅な短縮を実現
採用のポイント 高信頼・高性能なクラウド環境上での実際のデータを用いた検証結果で、高い処理性能を実感
業種 流通業

株式会社バロー 情報システム部 次長
畑中 豊氏

「最終的に『Trusted Public S5』とHadoopの組み合わせに決定したのは、富士通からのベンチマーク提案に従い、当社の実データを活用した検証結果を得たことが一番大きかったと思います。従来7時間かかっていた計算処理が、1時間以内で実現可能とのこと。それは強烈な印象でしたし、検証によってHadoopで間違いないと確信を得ることができました」

【課題と効果】
1 在庫数の計算に時間がかかり、タイムリーな発注ができていない 基幹システムからクラウド上のHadoop環境に最新在庫データを送信。バッチ処理時間を15分に短縮し、前日の在庫が反映できるようになった
2 稼働時間は1日のうちのわずか1時間のみであり、オンプレミスでのサーバ導入は非効率 時間単位で利用できるTrusted Public S5で効率的な運用が実現
3 店舗数の増加など事業規模の拡大に合わせてスモールスタートで始めて、徐々にシステムを拡張していきたい クラウドを活用することで、システムを入れ替えることなく、柔軟でコストを抑えた拡張が可能

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導入の背景

店舗の営業力強化やインフラ強化を進める

株式会社バロー様は、バローグループとして、スーパーマーケットを中心に、ホームセンター、ドラッグストアなどを手掛け、現在東海北陸地方を基盤に約590店舗を展開しています。同社では2011年から積極出店を核とした、営業収益5,000億円を目指す成長5カ年計画を策定。2012年から2013年にかけて、店舗の営業力強化やインフラ強化を進めてきました。たとえば、2012年11月には岐阜県可児市に1万1千坪のドライセンターを開設。2013年7月には静岡物流センター、8月には可児チルドセンター、8月には精肉の加工センター、9月には農産物を加工する青果センターなどを次々と新設。従来店舗のバックヤードで行っていた作業を1カ所で集中処理し、各店舗にセンターから一括して配送することで、店舗での作業の軽減や品質の安定化が可能になりました。

発注性能の向上による営業力の強化を目指す

同社ではこうしたインフラの強化により、今後の店舗増に対応できる体制を整えるとともに、店舗運営においても営業力の強化を目指しています。その一つに発注の性能の向上がありました。「店舗運営では、商品の欠品や廃棄ロスが売上や利益の低減につながります。発注漏れを防止し、欠品による機会損失を削減するには発注性能の向上が欠かせません。一方で、店舗での作業に多くの時間が必要な中では、発注作業の効率化、ローコスト化も大きな課題でした。そこで求められていたのが、最新の在庫を反映した発注の仕組みを実現することだったのです」と、同社情報システム部次長の畑中豊氏は今回のプロジェクトの目的をそう語ります。

株式会社バロー 情報システム部 次長 畑中 豊 氏の写真
畑中 豊
株式会社バロー 情報システム部 次長

導入のポイント

基幹システムから店舗在庫計算処理を切り出す

従来、基幹システムで運用していた発注は、前日の在庫を反映したものではありませんでした。前日の在庫を反映した発注の仕組みを実現するためには、閉店から朝従業員が出勤するまでの夜間のうちに日別・商品別・店舗別の在庫を計算し、そのデータを発注システムに送信していなければなりません。スーパーマーケットの品数は約3万件と膨大で、店舗も複数あるため、従来の仕組みでは計算処理が終わるまでに約7時間かかりました。また、月末の棚卸のときには、さらにデータ量が増えるため、約24時間かかることもあり、実際の発注業務に活かせる状況ではなかったのです。
今後も店舗数の増加に合わせて、当然トランザクションが増えていきます。基幹システムを大きくするという選択肢では、コスト負担も大きく、導入時の作業負荷が増えることも予測できました。しかも基幹システムは通常の業務には何ら問題はなく稼働しており、在庫計算のためだけに基幹システムを入れ替えるというのは現実的ではありません。そこで、現行の基幹システムから店舗在庫計算処理だけを切り出し、「Trusted Public S5」とHadoopを組み合わせたシステムの検討を開始したのです。

時間単位のクラウド利用でコストの低減を図る

「導入の大きな決め手になったのは、多くの国内ベンダーが1カ月単位での利用に限定されていたのに対し、『Trusted Public S5』は時間単位で利用できるという点でした。現在Hadoopは8台のスレーブで処理を行っていますが、稼働時間は1日のうちのわずか1時間。そのためだけにコンピュータを自社で購入して動かすのは非常に効率が悪く、クラウドを利用するにしても時間単位の方がコストを抑えることができます」と畑中氏は語ります。同社にとってHadoopは未知のもので、導入後の運用に不安があったとも言います。それでも運用に踏み切ったのは、富士通への信頼感でした。「富士通とは以前から様々なシステムでお付き合いがありましたし、担当SEを通じて問題が起こった際にもエスカレーションができるというのは安心感につながりました」(畑中氏)。

システムの概要と導入効果

Hadoopの技術でバッチ処理時間を20分の1に

2012年6月頃から、発注システム導入に向けて、現行基幹システムの在庫計算バッチ処理高速化対応を検討し、同年10月にHadoopを活用した「Trusted Public S5」による基幹システムの切り出しを決定しました。
「最終的に『Trusted Public S5』とHadoopの組み合わせに決定したのは、富士通からのベンチマーク提案に従い、当社の実データを活用した検証結果を得たことが一番大きかったと思います。従来7時間かかっていた計算処理が、1時間以内で実現可能とのこと。それは強烈な印象でしたし、検証によってHadoopで間違いないと確信を得ることができました。現在は、ロジック見直しも合わせて実施し、当初比約20分の1の15分で在庫計算処理が完了しています」(畑中氏)。
社内の営業部、商品部、情報システム部の代表者をメンバーでの検討会を開始し、2013年2月から全店での店舗在庫計算処理を行い、2013年4月にそのデータを使った新発注システムを稼働させました。これにより、店舗運営の負荷を低減するとともに、発注性能の向上による営業力の強化が可能になりました。

スケジュールの自動化で、運用負荷が軽減

数店舗で運用を開始した新発注システムは、2013年12月には26店舗で稼働。現在も検討会のメンバーを中心に、運用方法やシステムの問題点を洗い出し、改善を進めています。そして、徐々に運用する店舗数を増やし、最終的には全店での新発注システムの導入を目指しています。
本発注システムは、富士通が用意したHadoopやAPIを利用し、「Trusted Public S5」の利用スケジュールをコントロール。朝2時に起動し、6時頃にはすべての処理が終了するよう自動化しています。まさにクラウドを時間単位で利用するという理想的な使い方を実現しています。
大きなパフォーマンスをあげているシステムに満足している畑中氏は、クラウドの利用について、「クラウドを利用したいが、利用に踏み切れていないという企業が多いと思います。当社もその中の一社でした。しかし、そこを一歩踏み越えてみると、いかに便利なものかが実感できました。やはり本で学習するのと、実際に使ってみて体感するのとでは、大きく違うことだと分かりました」と述べています。

株式会社バロー様のシステム構成図です。基幹システムから切り離した店舗在庫計算システムをIaaS環境で稼働させることでバッチ処理時間を短縮し、性能の高い発注システムを構築するとともに、店舗の運営負荷軽減と営業力向上を実現しました。

今後の展望

クラウド活用を広げ、攻めの経営を推進

同社では今回のHadoopを活用した「Trusted Public S5」による基幹システムの切り出し以降、様々なシステムでクラウド化を推進しています。2013年6月には、シングルサインオンシステムの「Trusted Public S5」への移行を実現。同社の各種システムのログインに対しての認証をクラウドで行っています。
「クラウドの良さは、アクセス数のピークに合わせて合理的に使える点です。当社の場合、棚卸などもあり、月末になるとアクセス数が急激に増えます。これまでなら、月末のピークに合わせたサーバを用意しなければなりませんでしたが、今は月末にCPUのパフォーマンスレベルを1つ上げるだけで対処できます。これは当社にとって画期的なことであり、クラウドの大きなメリットだと思います」(畑中氏)。
さらに、市場買い付けシステムや、生花を扱う子会社の基幹システムインフラに「Trusted Public S5」を選択。数週間から3カ月という短期での稼働を実現しました。
「情報システム部としては、今後、ハードコストや運用コストの低減を目指しています。そのため、POSシステムにおける新アプリ基盤の開発や、基幹MDシステムの更新時にはクラウド基盤活用を考えていきたいと思います。バローとして5,000億円、1兆円企業を目指すために耐えうる仕組みを構築していくうえで、クラウドは今後も選択肢の一つとして積極的に検討していくものだと思っています」と畑中氏は語ります。そして今後も同社の業務に合った最新の技術を常に発信し、提案して欲しいと、富士通への期待を寄せています。
現在、同社では韓国など海外でも店舗展開を行っており、グローバルなサポートを求められています。「Trusted Public S5」は、これからも国内外で同社の店舗運営のローコスト化や営業力の強化を支えていきます。

【株式会社バロー様 概要】
所在地 〒507-8601 岐阜県多治見市大針町661-1
代表者 代表取締役社長 田代 正美
設立年 1958(昭和33)年
従業員数 19,362名:社員数 4,589名、パート等 14,773名(2014年3月31日時点)
事業内容 スーパーマーケット、ホームセンターおよびペットショップをチェーンストア経営に基づいて運営。グループとして、ドラッグストア、衣料服飾品販売店、スポーツクラブ等を経営
ホームページ 株式会社バロー様 ホームページ新規ウィンドウが開きます
株式会社バロー様のロゴマーク

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