VAIO株式会社 様

発注業務で必要なEDIシステムをわずか4か月で移行。
従来の全機能をノンカスタマイズで実現し、業界標準準拠により取引先の負荷も軽減。

2014年7月、ソニー株式会社から独立したVAIO株式会社様は、VAIOブランドを継承し、オリジナリティあふれるパーソナル・コンピューター、スマートフォンを世に送り出されている企業です。独立にあたっては、お取引先への発注業務に欠かせないEDIシステムの移行が必要となりましたが、富士通の「ProcureMART資材調達支援サービス」を導入し、従来と変わらない業務を実現。さらに、ビジネスの成長に合わせて拡張できるEDIシステムの基盤を手に入れました。

課題
効果
課題EDIシステムの利用期限が迫る中での新EDIシステムへの早期移行
効果約4か月の短期間の開発によるスムーズな移行を実現
課題既存EDIシステムの機能の継承が必要
効果カスタマイズや追加開発なしで既存EDIシステムの機能を実現
課題EDIシステム移行による取引先の負荷増大への懸念
効果業界標準準拠のEDIシステムの導入により、取引先の負荷を軽減

導入の背景

利用期限が迫っていた旧システムに代わる新しいEDIシステムが必要に

VAIO株式会社は、2014年7月にソニー株式会社から独立し、新しい会社としてスタートを切りました。先進的なパソコンとして知られる「VAIO」の遺伝子を引き継いだ同社は、これまでにない革新的で新しいパソコンやスマートフォンを次々とリリースし、従来のVAIOファンはもちろん、新しいユーザーからも高く評価されています。現在は、電子機器の受託生産を行うEMS(Electronics Manufacturing Service)事業にも注力。VAIOの製造で培った高い技術力を活かしたロボット製造やBLE(Bluetooth Low Energy)を使用したスマートトイなどのIOT製品の設計、製造の受託ビジネスがすでに動き出しています。

順調にビジネスを拡大されているVAIO様ですが、独立にあたっては、当初から解決すべき課題を抱えていました。それが、取引先への発注業務に不可欠なEDIシステムです。SCM部 部長 大日向陽二 氏は次のように語ります。

「約2年間は移行期間という事もありソニー株式会社のEDIシステムを利用していましたが、別会社になると、セキュリティ等の観点から、新しいEDIシステムへの移行が必要になりました」(大日向氏)

新しいEDIシステムへの移行にあたっては、取引先の負担をできるだけ軽減し且つ、従来の機能をそのまま継承できることが求められました。具体的には、Web画面で取引先と情報共有ができること。多言語・他通貨に対応していること。ファイル転送機能やVAN間接続が可能であることなどが求められたのです。もちろん、導入・運用のコスト低減も大きいテーマでした。

大日向 陽二 氏
VAIO株式会社
SCM部 部長
千野 滋章 氏
VAIO株式会社
SCM部 機構部品調達課
岡村 忠和 氏
VAIO株式会社
IS部 部長
折野 公昭 氏
VAIO株式会社
IS部 IS課

導入の経緯

カスタマイズなしで必要な機能を実現できる「ProcureMART資材調達支援サービス」を選択

こうして同社は、条件に合う新しいEDIシステムの検討を開始。そこで選択されたのが、富士通のSaaS型の「ProcureMART資材調達支援サービス」でした。選択の理由について、SCM部 千野滋章 氏は次のように説明します。

「いくつかのシステムを検討しました。1つはサーバを立てるオンプレミスのシステムでしたが、運用負担が重いのが問題でした。他のシステムは、我々の求める仕様をすべて実現しようとすると、複数のツールの組み合わせや追加開発が必要でした。唯一、ProcureMART資材調達支援サービスだけが、カスタマイズなしで、我々の求める仕様を満たしていたのです」(千野氏)

選択された理由は他にもありました。それは、ProcureMART資材調達支援サービスが国内業界標準規約(EIAJ/ECALGA)に準拠した資材調達のWeb-EDIであり、多くの取引先が利用しているという事実でした。IS部 部長 岡村忠和 氏は、次のように語ります。

「我々が事前に取引先に調査したところ、約65%の取引先がProcureMART資材調達支援サービスを利用しており、切り替えの負担が最も軽いと判断しました。さらに、価格も十分に納得できるものでしたし、富士通の手厚いサポートにも期待して選択しました」(岡村氏)

こうして2015年11月、正式にProcureMART資材調達支援サービスが採用され、システム導入がスタートしました。導入準備中は、以前のEDIシステムと業界標準のEIAJフォーマットとの対応に戸惑ったり、VAN間接続でデータ変換が必要になったりしましたが、いずれも富士通の支援で解決。約4か月という短期間の開発でしたが、2016年3月、無事、本稼働を迎えることができました。

導入の成果

取引先に負担をかけないスムーズな移行を実現し、問い合わせも低減

ProcureMART資材調達支援サービスの導入成果は、何よりも、これまでと同じ発注業務を滞りなく継続できていることです。IS部 折野公昭 氏は、次のように語ります。

「これまでどおり、お取引先に対して継続的に電子データでの所要計画、注文、検収の情報を提供できていることが最大の成果です。また、ProcureMART資材調達支援サービスは日本国内の電子業界標準のEIAJ-EDIに沿ったシステムで、業務で利用しているお取引先もありましたし、特に新規のお取引先にとっては、利用のハードルが下がったと思います。また、既存のお取引先からのお問い合わせも、以前よりは減ったと感じています」(折野氏)

また、導入の理由でもあった手厚いサポートについても、千野氏は次のように高く評価されています。

「以前のシステムでは、お取引先は出荷処理が不要だったのですが、ProcureMART資材調達支援サービスでは必要になりました。このため、戸惑われたお取引先から我々への問い合わせがあったのですが、ProcureMART資材調達支援サービスのサポートセンターに画面付きの説明マニュアルを作成してもらい、適切に対応することができました。また、メールでの問い合わせに対して数時間以内でレスポンスがあるのも、たいへん助かっています」(千野氏)

今後の展望

納期回答や見積取得などの機能を活用し、発注業務のさらなる効率化・省力化を目指す

従来のEDIシステムの機能を問題なく継続できたことで、当初の目的を達成された同社ですが、もちろん、今後もProcureMART資材調達支援サービスのさらなる活用を計画されています。その1つが、ProcureMARTに用意されている標準機能の利用です。

「現在の利用形態では、弊社からお取引先にデータを一方向で送っているだけですが、これを双方向にしたいと考えています。たとえば納期回答の情報をお取引先から受け取れないかと考えています。それが実現すれば、現在のメールや電話でのやりとりを削減できると思います」(千野氏)

2017年3月に新機能として追加が予定されている見積取得機能の活用も検討されています。

「独立する前の運用では、システム上でお取引先から新規部品の見積回答を受け取り、それを担当者がチェックし、承認後に社内システムに取り込むことをやっていました。ProcureMART資材調達支援サービスに見積取得機能が追加されれば、それと同等の処理を実現したいと考えています」(千野氏)

なお、富士通に対しては2点ほど改善要望も出ています。1つは見込情報と納入指示情報を表形式で見やすくすること。2つめは、情報共有のために発注者側で取引先画面を参照できるようにすることです。いずれも、富士通側で実現に向けて検討・開発が行われています。

今回は、期限が迫った中、決して停止することの許されないEDIシステムの移行という難しいプロジェクトでしたが、本稼働後は、従来と変わらない運用を実現することに成功しました。折野氏も「4か月という短期間での導入にもかかわらず、以前のシステムの機能がサポートされ、コストパフォーマンスも優れています」と高く評価いただきました。

今後も富士通は、いただいた改善要望に真摯に対応し、ProcureMART資材調達支援サービスを機能強化するとともに、VAIO様のビジネスにさらに貢献するシステムへと成長させていきます。

(写真左から)千野 滋章 氏、大日向 陽二 氏、岡村 忠和 氏、折野 公昭 氏

VAIO株式会社 様

事業分野 製造業
本社所在地 〒399-8282 長野県安曇野市豊科5432
取締役社長 大田義実
設立 2014年7月1日
従業員 約240名(2016年4月1日現在)
ホームページ http://vaio.com/
  • (注)
    本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2016年10月26日掲載]

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