株式会社髙島屋 様

17店舗、3800売場で利用される用度品管理システムを「ProcureMART 間接材調達支援サービス」に刷新し、業務負荷を3分の2に削減

日本を代表する百貨店である髙島屋様。「いつも、人から。」という企業理念のもと「’変わらない’のに、あたらしい。」という企業メッセージを掲げ、伝統を大切にしつつ、大胆な革新にも取り組まれています。同社は、全国17店舗、約3800の売場で、日々、利用される紙袋や包装紙、印刷物、事務用品などの「用度品」を発注・管理するシステムとして、富士通の「ProcureMART 間接材調達支援サービス」を導入。複数のシステムの組み合わせとなっていた複雑なシステムを刷新し、システム運用の大幅な効率化を実現しました。

課題
効果
課題複数のシステム構成、および操作性に課題があり用度品管理業務が煩雑化していた
効果システムを1つに統合するとともに、わかりやすい操作性により煩雑になっていた用度品管理業務の大幅な効率化・省力化を実現
課題大規模な人事異動時の利用者マスタの更新が大きい負担になっていた
効果システム刷新と利用者マスタ更新の富士通へのアウトソースで業務工数を大幅削減

導入の背景

以前の用度品管理システムの契約終了を機に、従来からの課題解決を目指す

髙島屋は、東西に17店舗を構え、売場の数は約3800にもなります。各売場では、紙袋や包装紙、帳票などの印刷物、事務用品などの「用度品」と呼ばれるさまざまな物品を利用して販売業務を行っています。売場の担当者は、用度品が必要になると、その都度、システムを使って発注する仕組みです。ところが、このシステムに課題があったと、IT推進室 IT推進担当 石渡 博 氏は次のように説明します。

「以前の用度品管理システムの契約期間終了が近づき、当初、継続利用を検討しました。最大の課題は、Windowsの保守期限終了に伴うシステム開発やサーバ入れ替えでした。用度品管理システムとして当初から設計されていたわけではなく、『受発注システム』、『倉庫管理システム』など複数のシステムを組み合わせたもので、システム間のスムーズなデータの受け渡しとわかりやすい操作・運用について改善を加えてきましたが、それも限界に近づいていると認識していました」(石渡氏)

また、大規模な人事異動の際には、利用者マスタの更新が大きい負担となっていました。具体的には、各売場の承認者に異動はないか、異動がある場合は代わりの承認者は誰かといった承認者情報のメンテナンスに工数がかかっていたのです。そこで、以前のシステムの利用期限である2014年9月末のタイミングで、これらの課題を一気に解決すべく、新しいシステムへの刷新が求められたのです。

石渡 博(いしわたり ひろし) 氏
株式会社髙島屋
IT推進室 IT推進担当
石川 淳也(いしかわ じゅんや) 氏
株式会社髙島屋サービス
物流事業部 統括グループ
物流政策担当課長

導入の経緯

350社以上の豊富な導入実績があり、現場に最も負荷がかからないシステムとしてSaaS型の「ProcureMART 間接材調達支援サービス」を選択

こうして同社は、新しいシステムの検討を開始。ベンダー数社の提案から、最終的に富士通のSaaS型の「ProcureMART 間接材調達支援サービス」を選択しました。選択の理由について、髙島屋サービス 物流事業部 統括グループ 物流政策担当課長 石川 淳也 氏は次のように説明します。

「最大のポイントは、売場に負荷をかけないことです。店舗スタッフの仕事は商品の販売であり、それ以外はできるだけ省力化するのが大前提です。そこで、日本橋店の用度発注担当3名に、事前に何も伝えないでProcureMART 間接材調達支援サービスを使ってもらったところ、まったく問題なく用度品の発注ができました。さらに、ProcureMART 間接材調達支援サービスには350社以上の導入実績がありました。この2つが決め手となって、ProcureMART 間接材調達支援サービスを選択しました」(石川氏)

石渡氏も、ProcureMART 間接材調達支援サービスを選択した理由を次のように説明します。

「受発注システムや倉庫管理システムなど、複数システム間のスムーズな連携とわかりやすい操作・運用という当社の要求仕様に合致し、実績も豊富な富士通のProcureMART 間接材調達支援サービスを選択しました」(石渡氏)

また、同社は用度品管理システムとともに、倉庫管理システムの刷新も必要としていました。倉庫にはサプライヤーから納品された用度品がストックされ、売場からの注文に応じて店舗に納品されます。倉庫では、バーコードを使ってピッキングや検品が行われますが、このシステムについても、富士通が開発し、ProcureMART 間接材調達支援サービスと連携する仕組みを提供することになりました。

開発は2014年2月からスタート。約7か月の開発期間を経て、2014年9月、前システムの契約終了1か月の猶予を残し、無事、本稼働を開始しました。

導入の効果

用度品の発注・倉庫担当業務の負荷が約3分の2に削減され、現場からの問い合わせも低減

ProcureMART 間接材調達支援サービスの導入により、用度品の発注・管理にともなうシステム間連携は、大幅に省力化されました。同時に、大規模な人事異動時の利用者マスタの更新作業が富士通にアウトソースされ、業務工数も大幅に削減。その結果、発注・倉庫の担当業務は約3分の2に削減されました。

「用度品管理システムは、1.品物を発注し、2.倉庫に搬入して、3.倉庫から店舗に払い出すという3つの機能を持っています。従来は、それらが複数のシステムと組み合わされていて、運用も複雑になっていました。それがProcureMART 間接材調達支援サービスで1つのシステムになったおかげで、業務は大幅に効率化・省力化されました」(石渡氏)

また、用度品を発注する店舗側の負荷も大幅に低減され、ミスも減ったと石川氏は指摘します。

「旧システムは、商品画像をつけるにも外部業者に依頼する必要があったため、自由がなく、運用開始初期に商品画像をつけてからは、商品画像を登録していませんでした。しかし、ProcureMART 間接材調達支援サービスは、自分たちで商品画像のメンテナンスが可能なので、必要に応じて登録することで、発注操作が格段にわかりやすくなりました。今回、店舗スタッフには特別な教育はまったく実施していませんが、導入はスムーズで、稼働後の問い合わせも減っていることが、すべてを物語っていると思います」(石川氏)

もちろん、SaaS型のシステムであるため、従来は必要であった物理サーバの保守・運用業務から解放されたことも、情報システム部門にとっては大きい導入効果でした。

今後の展開

将来の自動発注にも期待

現在、用度品管理システムは順調に稼働をつづけていますが、同社では、さらなる活用・機能改善も視野に入れています。

将来的には倉庫における用度品の自動発注の仕組みを検討されています。

「将来的には、倉庫の在庫状況によって必要な用度品が自動的に発注される仕組みも構築したいと考えています。ただ、システム以前に、いろいろと検討すべきことがありますので、それをクリアする必要があります。その際には、富士通さんにご相談する機会もあるかもしれません」(石川氏)

今回のプロジェクトでは、前システムの契約終了の時期が決まっていたため、新システムの稼働に遅れはけっして許されませんでした。さらに、プロジェクトの途中では、当初の予定にはなかった倉庫の移転等もありましたが、お客様との緊密な連携により実現し、最後の調整が1か月間のお試し期間でそれらも無事クリア。新しい用度品管理システムは、無事、稼働を開始し、約1年が経過した現在も、安定稼働を続けています。「たいへん満足している。用度品管理システム刷新に関し、関係者のみなさんのご協力により、スムーズなスタートとその後の安定稼動ができたことに感謝を申し上げたい」(石渡氏)という高い評価をいただいたProcureMART 間接材調達支援サービスは、今後も、髙島屋様の用度品管理に不可欠なシステムとして、安定稼働を続けていくでしょう。

株式会社髙島屋 様

事業分野 小売業
本社所在地 大阪府大阪市中央区難波5丁目1番5号
取締役社長 木本 茂
創業 1831年(天保2年)1月10日
従業員数 単体9,729名 連結14,662名(2015年2月28日現在)
ホームページ http://www.takashimaya.co.jp/
  • (注)
    本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2015年12月28日掲載]

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