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  5. ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル (静岡県立病院機構)様

長年の課題「1患者1ID化」を実現し
県全域の医療機関を連携する全国初のネットワーク基盤を構築
医師不足と医療サービスの地域格差解消の第一歩を踏み出す

クラウド導入事例 ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル (静岡県立病院機構)様 外観写真

ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル (静岡県立病院機構)様 導入事例


地域医療連携システムの構築を目指した静岡県立病院機構は、県内のデータセンターに「HumanBridge(ヒューマンブリッジ)」をベースにしたSaaS型システムを構築。病院―病院間連携(以下、病病連携)、病院―診療所間連携(以下、病診連携)を促進し、中核病院と診療所の適切な機能分化、医師の業務負荷軽減、そして医療サービスの地域格差を解消するための基盤を確立した。

[ 2012年1月31日掲載 ]

種別 SaaSを採用しています PaaSを採用していません IaaSを採用していません DaaSを採用していません NetWorkを採用していません プライベートクラウドを採用していません
サービス 地域医療ネットワーク HumanBridge
選んだ理由 インターネット接続環境があれば、容易にデータセンター上に構築したシステムを利用できる
採用のポイント 病病連携、病診連携対応の「N対N型」地域医療連携システム。多地域、多施設、多職種、多ベンダーに対応。「1患者1ID」を実現できる
業種 地域医療連携システム

静岡県立総合病院 医療連携管理監 地域医療ネットワークセンター・センター長 清水 史郎 氏
「このシステムが画期的なのは、データセンターに患者様のIDをひも付けする機能を備えている点です。同機能を介することで、各中核病院と診療所は従来の患者IDをそのまま利用しながら、システム上では1患者1ID化を実現できたのです」

【課題と効果】
1 異なるベンダーの電子カルテシステムIDを残しつつ、地域医療連携システムにおける1患者1ID化を実現したい データセンターにIDをひも付けする機能を備え、従来のIDを使いながら、システム上では1患者1IDを実現。病病連携、病診連携が進んだ
2 CD-ROMによる従来電子カルテシステムの診療情報伝達に伴う診療現場の負荷を軽減したい 情報を開示する中核病院と情報を参照する診療所間がネットワークで繋がれ、電子カルテ、CT、MRI画像などのスピーディーなやり取りが可能に
3 情報参照側の診療所において、低コスト、スピーディーにシステム利用環境を整えたい 県内データセンターにSaaSを構築。インターネットに接続できれば診療所のPCからセキュアなサービスが利用可能に

導入の背景

深刻な課題を抱えていた県の医療体制

静岡県立病院機構様はこのほど、総務省の「地域ICT利活用広域連携事業」の委託を受け、地域医療連携システムの構築・運用を開始しました。その目的は医師不足への対応、電子カルテを利用しつつも非効率な医療機関間の情報伝達の改善、そして大規模災害時における広域医療連携の整備でした。これらの背景には、人口10万人あたりの医師数において、47都道府県でワースト4位であること。東西に長い県域の、一部都市に医療機関が集中・偏在していること。従来の静岡県版電子カルテにおけるCD-ROMや紙、Faxなどによる情報の受け渡しが、診療現場の業務ワークフローに負荷をかけていたこと。そして予想される東海大地震発生の対応が整備途上といった状況があったのです。

求められた医療資源不足解消、医療の質を向上させるシステム

静岡県立総合病院 医療連携管理監 地域医療ネットワークセンター・センター長 清水 史郎 氏の写真
清水 史郎
静岡県立総合病院 医療連携管理監
地域医療ネットワークセンター・センター長

同病院の医師で地域医療ネットワークセンター・センター長の清水史郎氏は、システム化の意味をこう語っています。「医師や施設など医療資源の不足を解消し、医療の質を高めていくには、まずネットワーク基盤をしっかり構築しなければなりません。そして医療施設ごとに異なる患者様のIDをシステム上で一元管理し、全ての情報を把握、共有することが重要。その上で、急性期注1、リハビリ、周産期注2、介護、在宅などの各種医療サービスを適切に分化・機能させ、県民1人ひとりがどこにいても、必要なサービスを受けられる環境を整備していく必要があるのです」。

導入のポイントとシステムの概要

新システムのキーワードは「多地域、多施設、多職種、多ベンダー対応」

新たなシステムに求められたのは、県下全域の医療機関と住民を安定的かつセキュアに繋ぐネットワーク環境。そして医師、看護師、技師など多様な職種で活用でき、既存システムの提供ベンダーを問わずに運用が可能であることなどでした。清水氏は、「つまり多地域、多施設、多職種、多ベンダーに応えてくれるシステムが求められたのです」と説明します。とりわけ重視されたのが、多ベンダー対応でした。従来、各中核病院、一般病院・医院等(以下、診療所)では、それぞれ異なるベンダーの電子カルテを利用し、患者様のIDは病院、診療所ごとに付番されていました。したがって、情報連携は特定の中核病院と、そこに繋がった診療所間のみでした。「全国的にもいえるのですが、ここ10年来、異なるベンダーのIDを、どのように一元化するかが地域医療連携システム構築上の大きなハードルで、これを解決してくれるシステムを待っていたのです」(清水氏)。

1患者1IDを実現する画期的機能

静岡県立総合病院 調査監 後藤 和久 氏の写真
後藤 和久
静岡県立総合病院 調査監

同病院機構は2010年11月、多地域、多施設、多職種、多ベンダー対応の地域医療連携システム「ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル」(以下、「ふじのくにねっと」)を構築するため、SaaS型地域医療ネットワーク「HumanBridge」の導入を決定しました。清水氏は「HumanBridge」採用の理由をこう述べています。「このシステムが画期的なのは、データセンターに患者様のIDをひも付けする機能を備えている点です。同機能を介することで、各中核病院と診療所は従来の患者IDをそのまま利用しながら、システム上では1患者1ID化を実現できたのです」。

静岡県立総合病院 情報企画室 副主査 長嶋 俊博 氏の写真
長嶋 俊博
静岡県立総合病院 情報企画室 副主査

そして、新システムの企画に携わった、同病院 調査監の後藤和久氏は「診療所や介護施設などにおいては、インターネットに接続できる環境があれば簡単なセットアップの後、すぐに利用が可能な点、そして導入と維持管理コストを抑えられる点を高く評価しました」と語っています。また「ふじのくにねっと」のシステム面をフォローする情報企画室 副主査の長嶋俊博氏は「富士通ではシステム基盤とビジネスVPNサービスを併せての構築・提供が可能なため、全てワンストップで対応していただける点も安心材料でした」と述べています。

システム導入の概要

「1対N」から「N対N」連携へ

2011年2月にスタートした実証実験では、3中核病院と13診療所がシステムに参加、情報が共有されました。そして同年4月から稼働開始。
新システムは、これまで特定の中核病院とそこに連携する複数の診療所に限られていた、いわゆる「1対N」の連携を、県下全域の病病連携と病診連携を可能にする「N対N」の連携へと大きく進化させたのです。機能としては、Webを介した、紹介・逆紹介、同意を得た患者の診療情報公開・参照、地域連携パス共有など基本機能の利用が可能となりました。

静岡県立総合病院 副院長 情報管理部長 森 典子 氏の写真
森 典子
静岡県立総合病院 副院長 情報管理部長

自ら各診療所を回り、新システムへの参加を奨めている同病院の副院長で情報管理部長の森典子氏は、こう述べています。「2011年10月現在で、システムに参加し情報を参照できる診療所等は54施設に増えました。IDとパスワードさえ入力すれば、すぐにシステムに入れますから、病診連携の必要性を感じていた医師には、すぐに便利さをわかっていただけたようです。患者様が利用した全ての医療機関の専門家医による所見・診療・治療歴をすぐに照会できるからです。診療所がバーチャル・メガ・ホスピタルになったように実感されたと思います」。森氏は、今後、新システムに加入する診療所は確実に増えていくだろうと期待しています。

ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル (静岡県立病院機構)様 ネットワーク構成図です。地域医療連携システム「ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル」の構築により、静岡県立総合病院や地域中核病院の電子カルテ、CT、MRI画像などの情報がシステムで共有出来るようになり、各診療所やリハビリ施設もインターネットを通して情報の利用が可能になりました。

導入効果と今後の展開

よりわかりやすいインフォームドコンセントのツールに

新システム導入によるメリットは、診療所の先生方において確かな形で現れています。例えば中核病院でCT、あるいはMRIの検査を受けた患者様に対する説明が、よりていねいになっていることも、その一つだといいます。「診療所の先生が、『検診のデータ、CTやMRI画像をさかのぼって見たい』という時、以前は該当の医療機関に手紙でお願いしなければなりませんでしたが、ネット経由ですぐに入手できるようになりました。システムの画面を患者様と一緒に見ながら、よりわかりやすいインフォームドコンセントに役立てようとする先生方も増えています」(森氏)。
また森氏は「各先生方が病病連携、病診連携によって得た専門医の情報をもとに、自分の診断内容を客観評価できるようになりました。その結果、医師としての経験知が蓄積されていきます。新システムは地域医療のレベルアップに大きく寄与していくと考えています」と語っています。

全ての医療機関と377万人の県民をカバーするシステムへ

今後のシステムの普及を見据え、清水氏はこう語っています。「初年度で、県全体の連携が可能な基盤が整備されました。2016年度までに27の中核病院、210の診療所の参加を目標にしていますが、中核病院50の規模にも余裕をもって運用できるという信頼性にも満足しています。現在は基本機能の利用にとどまっていますが、今後は画像診断、遠隔医療、特定健診、地域感染症検知システム等の機能活用が考えられます。さらに究極的には静岡県民377万人の基本情報を登録し、広域災害時医療に威力を発揮するシステムとして運用できるものと期待しています」。
富士通はこれからも、地域が一体となって住民の健康・医療・介護を支え合う社会を見据え「人と人との架け橋」となるSaaS型地域医療ネットワーク「HumanBridge」を進化させてまいります。

【ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル協議会 様 概要】
拠点所在地 静岡市葵区北安東4丁目27番1号(地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 地域医療ネットワークセンター)
構成医療機関 静岡県立総合病院、藤枝市立総合病院、焼津市立総合病院等の6中核病院と54診療所
運用開始 2011年4月
ホームページ ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル協議会 ホームページ新規ウィンドウが開きます
地方独立行政法人 静岡県立病院機構 静岡県立総合病院様のロゴ

【ご紹介したサービス】

用語解説

注1: 急性期
発症間もなく症状の比較的激しい時期
注2: 周産期
出産前後の期間。ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)では妊娠22週から出生後7日未満と定義されている

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