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SaaS型システムの利点をフルに利用
最小投資、短期間で新規ホテル事業を軌道に乗せる

亀の井イン 愛知蒲郡様 導入事例


株式会社アビリティコンサルタント様は2010年1月、九州・大分の老舗ホテルグループ「亀の井ホテル」のフランチャイズ店として亀の井イン 愛知蒲郡をオープンしました。初のホテル事業進出にチャレンジした同社は、客室数58室の規模に見合ったホテル業務システムについて検討した結果、初期コストが安く、SaaS型で早期の本格稼働が可能なGLOVIA smart ホテル SaaSサービスの導入を決定。省力化で得られたパワーをリピーター客の獲得に注ぐことで、新規ホテル事業を短期間で軌道に乗せています。

[ 2010年12月17日掲載 ]

種別 SaaS
サービス 新規開業ホテルの宿泊予約、顧客管理、フロント会計システム化
選んだ理由 富士通データセンターのクラウド基盤を利用するため、システム導入時の初期費用を大幅に低減できる。安価な月額利用料。
採用のポイント 予約手続き、チェックイン・アウト手続きが簡単で素早く、誰でも使いやすい設計。
業種 ホテル業(ロードサイド型ホテル)

亀の井イン 愛知蒲郡 フロントリーダー 長尾 美砂子 氏
「客室数58の規模では、正直なところサーバを設置し、数百万円のコストを要するシステム導入は、相当高いハードルです。しかしSaaS型ならば、パソコンとインターネット接続環境さえあれば短期間で立ち上げが可能で、初期投資がほとんどかかりません。これ以外の選択肢はありませんでした」

【課題と効果】
1 予約受付を手作業で行っていたため、受付もれなどのミスが発生。そのリスク対策として常時1~2室を予備として確保するなど無駄があった 予約受付業務の精度が上がり、ミスを根絶。常時全室の稼働が可能に
2 中小規模のホテルゆえに数百万円のシステム導入に踏み切れなかった SaaS型システム利用で初期コストを最小限に抑え、システムを導入
3 経験の浅いフロント要員でも、スムーズにチェックイン・アウト業務を処理できる操作性が求められていた チェックイン・アウトの手続きはワンクリックで済み、よりスムーズに。宿泊条件変更時の精算処理もわかりやすく、フロント要員の経験を問わず迅速なチェックアウトが可能

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導入の背景

平日はビジネス客、休日は観光客が利用する新しいタイプのビジネスホテル


長尾 美砂子
亀の井イン 愛知蒲郡 フロントリーダー

亀の井イン 愛知蒲郡は、愛知県蒲郡市内の、三河湾に面した国道23号線沿いにロードサイド型ビジネスホテルとして新築オープンしました。ロードサイド型とは、都市中心部、駅前から離れた幹線道路沿いの立地を意味します。さらに同ホテルは、ビジネスホテルの価格帯としてはより安価な、「シングル1泊4800円から」を売りにしています。じつはこの低料金設定を可能にしたのが、初期投資の徹底削減です。郊外の立地で土地代は安価。建物は3階建てでエレベーターはなし。ロビー兼朝食用スペース以外、飲食施設の設置も省いています。しかし幹線道路に沿っているため、近隣には和・洋・中華専門店、ファストフード店、コンビニなどが多数あり、むしろ変化に富んだ食事を楽しめてよい、と宿泊客には好評です。こうしたコンセプトで初期投資を抑えたことで、競争力のある料金体系を実現したのです。

開業後、同ホテルが順調な滑り出しを切った理由の1つが、ビジネス客と観光客のバランスのよさです。平日は車で約20分の豊川、豊橋方面の企業を訪れるビジネスマンが9割を占め、土日・祭日には徒歩圏内にある複合型マリンリゾート施設「ラグーナ蒲郡」を訪れる家族連れ客などが8割を占めているのです。フロントリーダーの長尾美砂子氏はこう語っています。「おかげさまで平日、週末を通し多くのお客様にご利用いただいています。ご家族連れの観光客が予想以上に多いのは、より安価なビジネスホテルを利用し、宿泊以外でお金を使いたいとお考えになるお客様が増えてきたからと考えています」。

順調な滑り出しの一方でフロント業務の負荷が増大

思い切った料金設定により開業以来、平日・休日を通して多くのビジネス客、観光客のニーズに応えている同ホテルですが、フロント業務を手作業で行うか、コンピュータシステムを導入するかでは大いに悩んだといいます。じつは同社にとって、ホテル業は全く新しい事業展開。しかもロードサイド型ビジネスホテルへのチャレンジだったので、オープン後の顧客数予測は困難でした。そのためシステムを入れるべきか、あるいは導入するとしたらどのようなシステムがよいか検討を続けながらオープン。予約業務などはすべて手作業で行なっていたのです。長尾氏は当時を振り返りこう語ります。「予約受付はExcelで日ごとのシートを作成して書き込み、宿泊台帳も手書きでした。大変だったのは予約の変更やキャンセルの処理でした。手作業ではどうしてもミスの可能性があります。お客様には絶対にご迷惑をおかけできないので、もしもの場合に備え、常時1~2室を予備として空けておかなければなりませんでした」。

導入のポイントとシステムの概要

中小規模ホテルでも容易に導入し即稼働が可能

オープン後しばらくの間、手作業でフロント業務をこなしていた同ホテルは、GLOVIA smart ホテル SaaSサービスを導入し、3ヵ月後の4月1日から本格稼働させることを決めました。導入理由について長尾氏は、「客室数58の規模では、正直なところサーバを設置し、数百万円のコストを要するシステム導入は、相当高いハードルです。しかしSaaS型ならば、パソコンとインターネット接続環境さえあれば短期間で立ち上げが可能で、初期投資がほとんどかかりません。これ以外の選択肢はありませんでした」と述べています。


宮村 要
亀の井イン 愛知蒲郡 フロント主任

導入時のガイダンスは、1日4時間を2回行っただけでした。その後は各自が2週間、マニュアルを参照しながら本格運用に移っていきました。フロントリーダーの長尾氏とともに、他のフロント担当者4名を統括するフロント主任の宮村要氏は、こう語ります。「私は夜間のフロントを担当し、毎日深夜にその日の締め業務をしています。導入に際して、スムーズに締め業務ができるか少し不安でしたが、操作しながら何度もコールセンターに電話して教えていただき、すぐに慣れました。富士通を採用してよかったのは、月額利用料内で24時間365日、何度もコールセンターを利用できるところです」。

チェックイン・アウトの手続きもワンクリックでOK

GLOVIA smart ホテル SaaSサービスの導入により、同ホテルのフロント業務は大幅に効率化されました。予約手続きは、画面上で予約番号を採番、名前を打ち込み、残室情報、各種プラン、曜日ごとにきめ細かく設定された料金などの関連情報を確認しながら、スピーディーに行うことができます。「手作業では予約1件に2~3分かかっていましたが、20~30秒に短縮されました」(宮村氏)。

またチェックイン手続きは、表示された宿泊予定顧客名の一覧から検索しボタンをワンクリック。チェックアウト手続きも、ルームキーの部屋番号を打ち込むだけで即座に売りかけ精算がなされ、宿泊条件が変更となった場合の追加料金や返金の計算もわかりやすく画面表示されるようになりました。長尾氏は、「当ホテルは、24時間お客様対応するフロントを6人の要員でシフトしています。いつ誰がフロントに立っても、簡単な操作でお客様の状況を把握し情報共有できる使いやすさはありがたいです」と述べています。

導入効果と今後の展開

システム導入の余力でお客様と向き合う時間を増やす

システム導入により、予約手続きの手作業処理に伴う受付ミスのリスクは払拭されました。リスク対策として、1~2室を予備として空けておく必要もなくなり、今では58室がフル稼働しています。

さらに導入効果は、予想外の形で現れています。長尾氏は次のように語っています。「システムのおかげでフロント業務に時間的余裕が生まれました。そのため、各担当者が新たな宿泊プランを企画し、提案するようになったのです。フロント業務が大きくレベルアップしたと言えます」。また宮村氏はこのように述べています。「省力化で生まれた時間を使い、インターネット旅行サイト上の当ホテル欄に書き込まれたお客様の声などに、ていねいにお答えすることができるようになりました。予約の75パーセントをネット経由でいただいている当ホテルの場合、こうした情報発信が新たなお客様開拓につながると考えています」。

そして同ホテルが力を入れ始めた取り組みが、リピーター客の獲得です。「『GLOVIA smart ホテル』には、お客様がリピーターの場合、お名前の表示色が変わり、一目でわかるようになっています。またお客様の履歴情報欄に、たとえば『いつも海に近い部屋をご希望』などと入力することも可能です。今後はこうした機能を駆使し、きめ細やかなお声かけや配慮をしてまいります。まずは価格を見てお越しいただき、心のこもったサービスでリピーター客を獲得していこうと考えています」(宮村氏)。
富士通のGLOVIA smart ホテル SaaSサービスは、ホテル事業のフロンティアを支援するシステムとして進化を続けてまいります。

【亀の井イン 愛知蒲郡様 会社概要】
所在地 〒443-0013 愛知県蒲郡市大塚町柴垣47-1
代表者 的場 弘明(株式会社アビリティコンサルタント 代表取締役)
設立 2010年1月オープン
事業内容 ホテル業
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