このページの本文へ移動


被災後3時間以内にメールシステムをリカバリー
IaaS環境への構築でコスト6分の1を実現

クラウド導入事例 味の素株式会社様 本社ビルの写真

味の素株式会社様 導入事例


被災時、東日本にある自社データセンターがダウンした場合に備え、富士通の西日本にあるデータセンターからも提供されている「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5(以下、Trusted Public S5)」とマイクロソフト社のExchange Serverのメール機能を組み合わせ、メールのディザスタリカバリー(DR)システムを構築。富士通への電話指示から3時間以内に非常時用のメールシステムへと切り替わり、利用者は自宅などのインターネット回線からシステムにアクセスすることで、既存のメールアドレスを使ったコミュニケーションが可能となる。また全社共有のアドレス帳情報は、マイクロソフト社のライセンスプログラム「Services Provider License Agreement(以下、SPLA)」を活用し、運用コストも大幅に削減した。

「FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」は、
「FUJITSU Cloud Service S5」へ名称変更しました。
[ 2013年10月17日掲載 ]

種別 SaaSを採用していません PaaSを採用していません IaaSを採用しています DaaSを採用していません NetWorkを採用していません プライベートクラウドを採用していません
サービス FUJITSU Cloud Service S5
(旧名称:FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5」)
選んだ理由 マイクロソフト社のライセンスプログラム「SPLA」と組み合わせ、システム未使用時のコストを抑えられる
採用のポイント
  • 富士通による平常時メンテナンス作業の代行と災害時運用で、業務負荷を低減
  • 西日本のデータセンター利用によるシステムの冗長化
業種 食品・バイオ関連製品・医薬健康製品製造

味の素株式会社 情報企画部 専任部長
山口 浩一氏

「『Trusted Public S5』の利用を決めた理由は、被災後、迅速に利用開始状態が整うことです。グローバル展開している企業として、日本国内の事情でメールシステムを止めるわけにはいきません。S5であれば万一の場合も安全性、信頼性を確保できると判りました」

【課題と効果】
1 東日本のデータセンターが機能停止した場合に備えた、メールのDRシステムの構築 西日本にあるデータセンターのIaaS上にメールのDRシステムを構築。被災時に電話で切り替えを依頼後、3時間以内に従来のメールアドレスでメールシステムが利用可能
2 万一の被災時に利用するメールシステムのため、運用コストを最小限に抑えたい IaaSとSPLAの活用により、被災時利用分のみの課金で運用可能
3 メールアドレスの更新など、平常時のメンテナンス作業の負荷を最小限に抑えたい メンテナンス作業代行により作業負荷は最小限度に。そのための自社要員の配置も不要となり、運用負荷低減に寄与

入力フォーム 本事例に関するお問い合わせ

導入の背景

BCPから自助・公助・事業再開と継続のECPへ

いまから100年以上前に世界で初めてうま味物質が発見され、うま味調味料として「味の素」を世に送り出した味の素株式会社様。以降、アミノ酸の様々な価値を探求し、いまや最先端のアミノサイエンスで食と健康、そして医薬にも貢献できる世界に類のない企業グループへと成長しています。

同社は、2007年より事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)に取り組み、自社のデータセンターから、より安全性の高い外部のデータセンター(東日本)にサーバ類を移行してきました。同社はさらに災害に強い企業を目指しBCPを全社的に見直し、より広義の企業継続計画(ECP:Enterprise Continuity Plan)方針を策定。そこでは第1に従業員とその家族の人命、第2に地域社会の復旧支援、そして第3に事業再開を図るとの優先順位が定められています。同社情報企画部専任部長の山口浩一氏は、こう語っています。「ECP、つまり事業だけでなく、企業としての継続という観点からリスク対策を考えた結果、被災時にまず確保すべきなのはコミュニケーション手段だということが明確になりました。もはや基幹システムともいえるメールについて、DRシステムを構築する必要がありました。もちろん現行のメールシステムの安全性はデータセンターで担保されています。しかし、あらゆるリスクを考えるとデータセンターが1カ所では陸の孤島になる可能性があります。そこで、メールのDRシステムは別のデータセンターに構築することにしたのです」。

味の素株式会社 情報企画部 専任部長 山口 浩一 氏の写真
山口 浩一
味の素株式会社 情報企画部 専任部長

平常時は使わないDRの運用コストは最小限に抑えたい

メールのDRシステムに求められたのは、万一の場合にスピーディーに利用できる、どこからでも使える、運用コストを最小限に抑える、の3点でした。具体的に要件として求められたのは、被災後3時間以内に利用開始状態になること、社外のPCあるいはスマートデバイスからWebサイト経由で利用可能であること、既存のメールアドレスで利用できること、運用コストと運用負荷を最小限に抑えること、などです。「これらの要件を満たすシステムとして、当社としては初めてクラウドサービスを利用することに決め、ベンダー数社について調査を開始しました。とくに重視したのは運用コストと運用負荷。メールのDRシステムは、平常時はまったく使わない、いわばシャドーシステムですから、コストを最小限に抑えたかったのです」(山口氏)。

導入のポイント

災害時使用分の課金で運用可能

検討対象となった複数のクラウドサービスは、Webサイトを経由する点や既存のメールアドレスを使用する点、グローバルアドレス帳も利用可能な点など、ユーザーの使い勝手においてはいずれも及第点だったといいます。しかし運用面では2つの課題がありました。1つは3時間以内での利用開始が難しいこと、そしてもう1つは、DRシステムのためにユーザー分のライセンスを新たに取得する必要があり、コストがかさむことです。山口氏はこのように述べています。「最終的に富士通の『Trusted Public S5』に決めた理由は、被災後、迅速に利用開始状態が整うことです。グローバル展開している企業として、どんな状況下であってもメールシステムを止めるわけにはいきません。S5であれば万一の場合も安全性、信頼性を確保できると判りました。そしてもう1つの理由は、マイクロソフト社のライセンスプログラム『SPLA』と組み合わせて利用し、被災時のシステム利用分への課金のみで使用できる点です」。また同社情報企画部の徳久哲也氏はこう説明しています。「富士通の西日本データセンターを利用する点が、強く背中を押したと思います。現在当社が利用している東日本のデータセンターとで、東西2拠点に冗長化できるわけです。富士通のデータセンターは予想される南海トラフ巨大地震が発生した場合の危険度も低いとされていますから安心ですし、国内のデータセンターなので、海外のデータセンターのように情報がどこにあるのかわからないという心配もありません」。

味の素株式会社 情報企画部 徳久 哲也氏の写真
徳久 哲也
味の素株式会社 情報企画部

DRシステム運用業務の99パーセントを富士通が担当

軽減が求められた運用の負荷について、徳久氏はこう述べています。「『Trusted Public S5』を利用した場合、万一の発災時に、当社から富士通に電話で依頼するだけで、直ちに切り替え作業を実施してもらえます。また1カ月に1度、新しいアドレスの情報をCSV形式のファイルに取り込むなどの平常時の運用も同センターに任せられます。これらを当社で行うと、現地に担当チームを送らなければならず、運用負荷やコストが増大します。当社の運用オペレーションは、平常時も災害時も最小限で済むというメリットを高く評価しました」。

システムの概要

災害時の運用オペレーションの概要

システムの構築は2012年9月後半にスタートし、同年12月末までのほぼ3カ月で完了。「経営層には『年内構築完了』と約束したので、そうとう忙しくなるだろうと思われました。しかしクラウドの構築と運用で実績を積む富士通さんと、週に1度の定期的な打ち合わせをするなどコミュニケーションを密にした結果、これだけの規模のシステムにもかかわらず、一気に立ち上げることができました」と徳久氏は語っています。
運用開始は2013年2月。被災時の運用オペレーションは、同社が東日本のデータセンターでメールシステムがダウンしていることを確認後、富士通へ電話連絡することによりスタートします。電話連絡後は、同社があらかじめ定めた災害時オペレーションを富士通が代行。同社社員は自宅PCやスマートデバイスから「Trusted Public S5」上に開設された災害時用サイトにアクセス。同画面上の従業員用リンクからログインし、DRシステムによって立ち上がったWebメールを利用する、という流れになります。メールのDRシステムの運用予定期間は2週間。被災後、1週間で東日本のデータセンターが復旧するとの予想期間に、1週間の並行稼働期間を加えて設定されています。状況によってDRシステムの運用期間は延長されます。

味の素株式会社様のシステム構成図です。西日本のデータセンターのIaaS上に構築されたディザスタリカバリーサイトは、災害発生時、約3時間でメールシステムのリカバリーを実現し、被災時でも通常コミュニケーションが可能になりました。

導入効果と今後の展開

オンプレミス構築比較6分の1のコストで運用

メールのDRシステムの導入効果は、第1に被災時における社内コミュニケーションが保障されることにあります。山口氏はこう述べています。「災害発生時、社員の安否を確認するメール一斉送信サービスも有効です。しかし安否確認後、各社員が初動対応に移ろうとする段階では、簡単な安否情報のやり取りだけでなく、通常業務の文書を送受信するメールシステムが必要になってきます。万一被災した場合にもその機能が保障されたことで、当社のECPは大きく前進しました」。また、運用コストについては、次のように説明しています。「仮に、万一の場合に備えてメールシステムをもう1つ、2重に用意すると、現在当社が運用するユーザー数1万4000人のオンプレミスのメールシステムを構築、運用しているコストと同額の増分コストがかかります。これに対して『Trusted Public S5』とマイクロソフト社の『SPLA』を組み合わせたメールのDRシステムは、増分コストを6分の1に抑えることができました。コストメリットについては大変満足しています」。
今後、着実にECPの強化を図る同社は、メールシステムのバージョンアップを行ったうえで、さらに、海外グループ会社に対しDRを具備したメールシステムへの参加を促していく考えだといいます。
「Trusted Public S5」は、味の素様のグローバルレベルでのECPを強力にサポートしてまいります。

営業からの一言

流通ビジネス本部 流通ソリューション統括営業部 流通ソリューション第一営業部 松井 智礼の写真
松井 智礼
流通ビジネス本部 流通ソリューション統括営業部 流通ソリューション第一営業部

今回、「東西でのDRの実現」「平常時におけるミニマムコスト化」「災害時における迅速で確実なDRシステムへの切り替え」という3つのご要件を解決すべく「メールDRシステム」をご提案させて頂き、ご採用頂きました。

今後は、味の素グループ様のECPをサポートさせて頂きながら、インフラ基盤としてご採用頂いた「Trusted Public S5」を活用したECP領域の拡大や、グローバルを視野に入れた味の素様にとってベストなご提案を続け、お客様のビジネス拡大に貢献できるよう頑張ってまいります。

【味の素株式会社様 概要】
所在地 〒104-8315 東京都中央区京橋1-15-1
代表取締役社長 伊藤 雅俊
設立年 1925年(創業1909年5月)
従業員数 単体3,343名 連結27,518名 (2013年3月31日現在)
事業内容 調味料をはじめ各種食品の製造および販売、アミノ酸技術の開発、化粧品の製造および販売、医薬品・医療用食品の製造および販売
ホームページ 味の素株式会社 ホームページ新規ウィンドウが開きます
味の素株式会社様のロゴ

【ご紹介したサービス】

【導入事例(PDF版)】

用語解説

注:Services Provider License Agreement(SPLA)
エンドユーザーにソフトウェアなどのサービスを提供できるサービスプロバイダー向けのライセンスプログラム。

本事例に関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-933-200 富士通コンタクトライン(総合窓口)

受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。